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整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列プログラムの考え方

2017-12-12 09:31:50 | 効率アップ
私の部署は年末は忙しいため、先週はブログをあまり
投稿できませんでした。申し訳ありません。

さて、ウエステックの整列機と整列治具で部品を並べる時、
弊社に部品をお貸し戴ければ、最適と思われる
整列プログラム(振動条件)を弊社で調整し、
提出します(弊社では条件出しと呼んでいます)。

以前のブログにも書いていますが、整列率測定データ表
という物を提出しています。その時、整列機の注文も
一緒に戴いている場合は、整列機にその振動条件を
入力した状態で出荷します。

ただ、お客様の方で、整列プログラムを調整したい、
という事も有るかと思います。お客様の方で用意した
整列治具を使って並べたかったり、部品が材質違い
だったり、静電気の影響で部品の流れが悪かったり、
部品の表面処理を変えたら流れ方が変わった、
といった場合です。

その際、よく聞かれるのが、どういう手順で条件出しを
すれば良いのですか、という事です。

既に入力されている整列プログラムを参考にして、
少し振動を強くしたり、傾斜を急にしたりする程度で
並べば良いのですが、全く見当が付かない場合は、
どうすれば良いのでしょうか?という事です。

これは、実際に部品を流しながら調整して行くしか
ありません。弊社の社員でも、やる事は同じです。

整列プログラムは、3つの要素から成り立っています。

1:傾きの角度(手前側MAX19°,奥側MAX19°)
       ※一部の機種は手前側MAX12°

2:振動している時間(1~99秒)

3:振動の強さ(0~100%)
       ※振動モーターのMAX回転数を100%とし、
        %表示になっています。

これが、各揺動ごと、すなわち手前側へ傾斜する時と
奥側へ傾斜する時、それぞれで、上記の3つの要素を
設定します。

まずは非常に大まかな目安を言いますと、
通常の整列動作では、角度は4~12°、
各傾斜ごとの振動時間は4~20秒、
振動の強さは40~80%程度の範囲に収まる
場合が多いです。

ちなみに、揺動の回数は、3~15往復といった
ところですが、整列時間が長くかかるものですと、
20往復以上させる必要がある部品も有ります。

さて、では取り敢えず流しましょう。

流れがゆっくり過ぎる場合は、振動を強めにしたり、
揺動の傾斜角度を少し上げます(上述の大まかな
目安の範囲内で)。

流れが遅過ぎると、整列穴に到達するまでに
やたらと時間が掛かります。かと言って速過ぎると、
整列穴が部品を捕らえきれません。

流れを速くするために、振動を強めにするのと、
傾斜角度を急にするのと、どっちが有効かは、
部品次第です。

部品によっては、角度を急にしても、
あまりスピードが上がらない物が有ります。
その場合は振動を強くしますが、
振動を強くすると、整列穴に入りかけた部品が、
その場で暴れやすくなりますので、
入りにくいような整列穴形状になっている場合は、
振動を上げ過ぎるのも逆効果です。

よって、角度の傾斜と、振動の強弱を
両方試しながら、部品が間断なく流れ、
かつ整列穴の近辺では、或る程度部品が
滞留するようなところを見付けましょう。

角度と振動の強さがだいたい決まったら、
振動時間の方は、それほど設定は難しく
ありません。整列治具の上を、部品が手前側から
奥側まで流れきったら、切り返して傾斜が
逆になるようにすれば良いのです。

振動時間が短か過ぎると、部品が整列パレットの端まで
たどり着く前に、傾きが切り返してしまいますし、
長過ぎると、部品がとっくに流れきっているのに、
そのまま無為にその場で整列機が振動しているだけの
状態になり、時間の無駄です。

これを数往復繰り返し、往復回数を設定します。
並び終わった頃合いを見て、奥側に急傾斜させ、
余った部品を回収して完了です。

この時注意しなければならないのは、回収角度が
あまり急過ぎると、せっかく並んだ部品が整列穴から
抜け落ちてしまう場合がある事です。

しかし、角度を急にしようが、振動を強くしようが、
一旦並んだ部品が抜け落ちなければ、急な角度と
強い振動の方が、部品の回収時間が短くなります。

だいたいこんな感じですが、流れが極端に悪かったり、
整列穴に違う向きで入りかけた部品が、後から流れて来る
部品をせき止めたりする現象が起きる場合は、
上記の目安の範囲を越えた設定が必要になって来ます。

また、部品や整列穴の形状が複雑だったりすると、
各往復ごとに角度・振動時間・振動の強さを
目まぐるしく変えなければならない物もあります。

どうしてもお客様サイドでは手に負えない場合は、
弊社にご一報戴ければと思います。

海外で日本のテレビ番組を見る

2017-12-08 09:35:27 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

半年ほど前の話ですが、私の知人の娘さん夫婦が、
東南アジアの或る国に3年ばかり赴任する事になり、
親子3人で現地暮らしを始めたそうです。

日本を出発する直前、実家であるこの知人の家に、
或る機器を置いてセットアップして行き、
娘さんから「電源切らないでね」とだけ言われて
いたそうです。

それから何ヶ月が経った或る日、娘さんから
国際電話が掛かって来て、置いて行った機器を
再起動してくれ、と頼まれたそうです。
電話の指示通り、やり方を教わりながら、
再起動したそうです。

その時受けた説明で、その機器が何であるか、
初めて知ったそうです。

この機器は、インターネット回線を使って
テレビ放送を別の場所に送る装置だったそうです。

例えばAという場所でテレビ番組を受信し、
リアルタイムに録画する場合、受信した信号を
録画装置に送りますが、その信号をインターネット
回線に流せるような動画ファイルに変換し、
別の場所Bに送るのです。

その際、B側で受信する機器は、
テレビではなくパソコンになりますが、
大画面モニタに表示させれば、テレビ番組を
遠隔地で普通に見られるというわけです。

B側から、A側のチャンネル操作も可能です。
A側に有るAV機器がインターネット回線経由で
LANケーブルでB側につながっていますので、
B側からの遠隔操作も技術的には容易です。

実際の使用方法としては、A側で実際にAV機器を
操作するのに使うリモコンが、そのままB側の
パソコン画面上に現れます。そのボタンを
マウスで操作すれば良いわけです。

もちろんB側はスマートフォンやタブレットでもOKです。
画面は小さくなりますが。

この製品の良いところは、有線・無線にかかわらず、
インターネットにさえつながっていれば、
A地点とB地点がどんなに離れていても大丈夫、
という点です。

つまり、1つの家のリビングルームと寝室でも良いですが、
隣の町だろうが、北海道と九州だろうが、日本国内と
海外だろうが、もちろん大丈夫なのです。

つまり、海外でも日本のテレビ放送を見たければ、
その海外での居場所にインターネット環境さえ
整っていれば、この機器を日本のどこかに
セットアップしておけば良い事になります。

パソコン用機器の一種ですので、たまにですが、
フリーズする事も有ります。それで、再起動して欲しい、
という国際電話が有った、というわけです。

当然、現地では現地のテレビ放送を普通に見ている
はずですが、日本語が恋しいのでしょう。

実はこの機器、市場に登場したのは5年以上前です。
他のメーカーも似たような機器を売っていました。
ご存知の方もいらしゃるかと思います。

その当時は、外出先で自宅のテレビやビデオを見る、
といった位置付けの製品でした。

動画ファイルを送りますので、そこそこ速いインターネット
回線が必要ですが、最近は、東南アジアなどでも、
都市部であれば、充分に高速なインターネット環境が
整備されて来ていますので、赴任地が僻地でもなければ、
日本のテレビがストレス無く見られるというわけです。

実際、国内ですが、1年だけ離島に単身赴任していた友人も、
自宅にこの機器をセットし、その離島でパソコン画面で
テレビを見ていたそうです。

しかし、子供の頃、ネットで動画を見られなかった時代に
育った人達は、どうしてもテレビが主要メディアの
筆頭に来てしまいますが、物心ついた時からネットで
動画が見られる時代に生まれた人達が大人になったら、
今のようなテレビ放送は成り立たなくなるような
気がします。

そういう世代の人達が海外に赴任したら、テレビを一切
見られなくても平気かも知れません。

実際、多くの人が、同じ時間に同じ番組を見る、
というのは、それこそオリンピックなどのスポーツ
中継のように、その時リアルタイムで見なければ
ワクワクできない、といったもの以外、
無くなるかも知れません。

追伸 :

余談ですが、上述の離島に単身赴任していた友人は、
現地ではNHKの受信料を払っていなかったそうです。

自宅の方ではもちろん払っているそうですが、
現地では確かにテレビは持って行っておらず、
スマートフォンにもワンセグが付いていません。

テレビ放送は一切受信していないのは事実です。
この機器を使ってインターネット回線で流れて来る
映像は、パソコンで普通に扱われる動画ファイルに
変換されています。

確かに、短期間赴任している間、受信料をダブルで
支払いたくないというのも、分かる気がします。

整列実験が終わるまで待っていられないんだけど、って言われても

2017-12-05 10:25:31 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べる際、その部品の形状から、
或る程度は整列の難易度を推測する事ができます。

簡単に列記してみます。
 
1:方向性無し・・・球体や立方体等

 ハンダボールや整列の向きに制限の無い立方体。指定のピッチで整列さえ
 すれば良い物。

2:2方向選別・・・円盤,角板(正四角形の板)角柱,円柱(ピンを含む),円筒等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横だけが決まれば良い物。

3:3方向選別・・・直方体,中心に凸部や凹部を持つ角板(正四角形の板),
         径違いの円柱(段付ピン),両端で穴径の違う円筒等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横及び表裏(上下)が決まれば良い物。

4:4方向選別・・・外郭部に非対称物(片面もしくは偏芯した位置に穴や凸部や切り欠き)
         を持つ直方体等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横及び表裏(上下)、更に非対称物の
 方向を決める必要が有る物

5:8方向選別・・・外形が不均一な部品、もしくは外形に非対称物を複数持つ直方体等

 指定のピッチで整列し、その際に部品の不均一な外形に沿って向きを決める
 必要が有るもの。整列の向きが全方向で1種類しかないもの。

以上となりますが、整列が簡単な順から、当然ながら1→5となります。

なお、上記の種別1~5は、あくまでも幾何学的な形状から推測される、
整列の難易度です。

並べたい部品が単一素材であれば良いのですが、実際には、
樹脂に金属が圧入してあったり、片面にガラスがコーティング
してあったり、コイルが巻かれてあったりして、部品の重心が
或る方向に偏っていたりする物も有ります。

重心が上下逆であれば簡単に並ぶ形状なのに、重い方が下になって
流れて来る部品が9割以上とかだと、並びはするものの、
非常に時間が掛かる、といった現象が起きる場合もあります。

また、単一素材であっても、ゴムのように、整列治具に貼り付き
やすい物や、部品どうしが貼り付きやすい物、更には、樹脂部品で
非常に静電気が発生しやすい物とかですと、種別が上記の1であっても、
なかなか並ばない事があります。

また、銀ローやハンダ付けされていたりする物は、ベースの部品は
キッチリ寸法が出ていても、その銀ローやハンダの寸法が、
必ずしも揃っていない物があります。

銀ローやハンダは、そこを使って整列の方向出しをする事は
避けるようにしていますが、ハンダが盛り上がり過ぎている部品が
混じっていたりすると、その部品だけが永久に並ばない、
といった現象が起きる事も有ります。

ところで、種別が1に近い程、難易度が低い事は間違いないのですが、
かと言って、1に近ければ、必ず並ぶとも限りません。

例えば種別3の直方体ですが、短辺が5.2mm、長辺が5.3mm
といった寸法だと、短辺の向きと長辺の向きを揃えて並べるのは
難しいです。部品の大きさの割に、短辺と長辺の差が
少な過ぎるからです。

ここで、部品のサイズ自体が小さいと、同じ寸法差でも、
整列は逆に容易になります。例えば、短辺が0.3mm、長辺が0.4mmの
直方体です。

要は、短辺と長辺が逆になって整列穴に入ろうとした時に、
穴の入口の面取り部分に部品がかじりやすいかや、
部品自体の重量によって、簡単に穴から出て行ってくれるか、
などが、部品よって変わって来るからです。

また、種別が1に近く、然も単一素材の部品であっても、
整列間隔(整列ピッチ)が狭過ぎて、なかなか並ばない、
という場合もあります。

ウエステックでは、それこそ星の数のように様々な部品を
並べた実績がありますが、お客様から部品を並べたいという
ご依頼を戴いた時、「事前に整列実験が必要です」、
という回答をする事が今だに多いです。

それほどの実績が有れば、部品を見ただけで、その場で
並ぶか並ばないか、判断が付かないのかな?と疑問に思われる
お客様もいらっしゃるかと思いますが、僅かな寸法差で、
整列率に天と地ほどの差が出る事も珍しくありませんので、
整列実験が終わるまで、お待たせしてしまう事に
なる場合が多いですが、何卒ご了承戴ければと思います。