整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列実験が終わるまで待っていられないんだけど、って言われても

2017-12-05 10:25:31 | 効率アップ
ウエステックの整列機で部品を並べる際、その部品の形状から、
或る程度は整列の難易度を推測する事ができます。

簡単に列記してみます。
 
1:方向性無し・・・球体や立方体等

 ハンダボールや整列の向きに制限の無い立方体。指定のピッチで整列さえ
 すれば良い物。

2:2方向選別・・・円盤,角板(正四角形の板)角柱,円柱(ピンを含む),円筒等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横だけが決まれば良い物。

3:3方向選別・・・直方体,中心に凸部や凹部を持つ角板(正四角形の板),
         径違いの円柱(段付ピン),両端で穴径の違う円筒等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横及び表裏(上下)が決まれば良い物。

4:4方向選別・・・外郭部に非対称物(片面もしくは偏芯した位置に穴や凸部や切り欠き)
         を持つ直方体等

 指定のピッチで整列し、その際に縦横及び表裏(上下)、更に非対称物の
 方向を決める必要が有る物

5:8方向選別・・・外形が不均一な部品、もしくは外形に非対称物を複数持つ直方体等

 指定のピッチで整列し、その際に部品の不均一な外形に沿って向きを決める
 必要が有るもの。整列の向きが全方向で1種類しかないもの。

以上となりますが、整列が簡単な順から、当然ながら1→5となります。

なお、上記の種別1~5は、あくまでも幾何学的な形状から推測される、
整列の難易度です。

並べたい部品が単一素材であれば良いのですが、実際には、
樹脂に金属が圧入してあったり、片面にガラスがコーティング
してあったり、コイルが巻かれてあったりして、部品の重心が
或る方向に偏っていたりする物も有ります。

重心が上下逆であれば簡単に並ぶ形状なのに、重い方が下になって
流れて来る部品が9割以上とかだと、並びはするものの、
非常に時間が掛かる、といった現象が起きる場合もあります。

また、単一素材であっても、ゴムのように、整列治具に貼り付き
やすい物や、部品どうしが貼り付きやすい物、更には、樹脂部品で
非常に静電気が発生しやすい物とかですと、種別が上記の1であっても、
なかなか並ばない事があります。

また、銀ローやハンダ付けされていたりする物は、ベースの部品は
キッチリ寸法が出ていても、その銀ローやハンダの寸法が、
必ずしも揃っていない物があります。

銀ローやハンダは、そこを使って整列の方向出しをする事は
避けるようにしていますが、ハンダが盛り上がり過ぎている部品が
混じっていたりすると、その部品だけが永久に並ばない、
といった現象が起きる事も有ります。

ところで、種別が1に近い程、難易度が低い事は間違いないのですが、
かと言って、1に近ければ、必ず並ぶとも限りません。

例えば種別3の直方体ですが、短辺が5.2mm、長辺が5.3mm
といった寸法だと、短辺の向きと長辺の向きを揃えて並べるのは
難しいです。部品の大きさの割に、短辺と長辺の差が
少な過ぎるからです。

ここで、部品のサイズ自体が小さいと、同じ寸法差でも、
整列は逆に容易になります。例えば、短辺が0.3mm、長辺が0.4mmの
直方体です。

要は、短辺と長辺が逆になって整列穴に入ろうとした時に、
穴の入口の面取り部分に部品がかじりやすいかや、
部品自体の重量によって、簡単に穴から出て行ってくれるか、
などが、部品よって変わって来るからです。

また、種別が1に近く、然も単一素材の部品であっても、
整列間隔(整列ピッチ)が狭過ぎて、なかなか並ばない、
という場合もあります。

ウエステックでは、それこそ星の数のように様々な部品を
並べた実績がありますが、お客様から部品を並べたいという
ご依頼を戴いた時、「事前に整列実験が必要です」、
という回答をする事が今だに多いです。

それほどの実績が有れば、部品を見ただけで、その場で
並ぶか並ばないか、判断が付かないのかな?と疑問に思われる
お客様もいらっしゃるかと思いますが、僅かな寸法差で、
整列率に天と地ほどの差が出る事も珍しくありませんので、
整列実験が終わるまで、お待たせしてしまう事に
なる場合が多いですが、何卒ご了承戴ければと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿