円安となった現在はそうでもないですが、
円高だった頃、そしてその期間が長かったため、
日本の企業は海外に盛んに工場を移転していました。
ウエステックの整列機の最終使用地も、
販売数の7~8割方が海外、という時期がありました。
最終使用地はアジア各国がメインです。
中国・韓国・タイ・インドネシア・マレーシア・
フィリピンなどでした。インドやベトナムにも
徐々に増えて行きました。
為替差益や、人件費の安さからでした
(その当時は中国も人件費が安い頃でした)。
ウエステックが直接輸出する事は少なく、
一旦はお客様の国内工場に納めて、
お客様が自社の海外工場に輸出する手続きを取る、
というパターンが多かったです。
その時に必要になって来るのが、輸出品の
戦略物資非該当証明、即ち、それを使って
輸出国で武器などの戦略物資を作れるような
物ではありませんよ、という証明書です。
直接武器の部品になり得る物はもちろん、
それを使って武器の製造ができるような
産業用機械(工作機械など)も規制の
対象になります。
日本の各メーカーはその事に大変神経を
使っていますので、今の日本で問題になる事は
まずありません。
ウエステックももちろん、いつでも非該当証明を
提出できる体制を取っています。
必要であれば、パラメータシートも用意できます。
以前ほどには、輸出する機械の台数は多く
ありませんが、それでも年間では、結構な台数が
輸出されています。
最近はアジアのメーカーも力を付けて来ていますので、
直接海外のメーカーに売る機会も増えています。
---------------------------------------------
さて、ここで話を終わらせても良いのですが、
ここからは半分余談として続けます。
企業のほとんどが、戦略物資には非該当で対応済み、
といった今のような状況に至ったのには、
或る重大な転機がありました。
それは1987年に起きた、東○機械の
COCOM(ココム)違反事件です。
東○機械は工作機械メーカーで、当時のソ連に対し、
船のスクリューを加工できる高機能な工作機械を
輸出したのです。
それが、スクリュー音の発生を抑える事ができる
製品を作れるという事で、潜水艦のスクリュー製造に
使われた、とアメリカに糾弾され、社会問題にまで
発展しました。何でも、数兆円もの損害賠償を
請求されたようです。
水の中では音波が遙か遠くまで届くため、
ソナー(音波探知機)を使って、魚群や潜水艦を
検知する技術が昔から使われていますが、
スクリュー音の発生が抑えられては、
潜水艦を見付けにくくなるじゃないか、
という事で、問題視されたのです。
当時も東○機械以外にも工作機械メーカーは
たくさん有りましたが、当時は、武器製造に
使われていないと断言できる、確たる根拠を
皆が持っている、とまでは言えない状況でした。
今で言うところの、グレーゾーンだったわけです。
私も既に社会人になっていましたので、
工作機械メーカーの友人から話を聞くと、
「うちの会社のあの製品、もしかすると
ヤバいんじゃね?」みたいな噂があったそうです
(今だから言える事ですが)。
対共産圏輸出規制(COCOM)というのは、以前から
有りましたが、この事件を契機に、輸出品規制への
関心が一気に高まり、管理体制も厳しくなりました。
それは工作機械に限らず、あらゆる分野に
浸透して行ったのです。
ちなみに、ソ連の崩壊と共に、COCOM自体は
無くなりましたが、別の規制に引き継がれており、
内容的にはむしろ厳しくなっています。
現在では、Webサイト上で対象製品を選ぶと、
その場で戦略物資非該当証明書をダウンロード
できる体制まで取っているメーカーも有ります。
そこまで、半ば常識化しているわけです。
只、これって、同盟国が、非同盟国に
戦略物資を輸出してはいけません、
という規制なので、その非同盟国と
元から国交の有った国だったり、
非同盟国どうしだと、今だにグレーゾーンの
ままなんですよね。
円高だった頃、そしてその期間が長かったため、
日本の企業は海外に盛んに工場を移転していました。
ウエステックの整列機の最終使用地も、
販売数の7~8割方が海外、という時期がありました。
最終使用地はアジア各国がメインです。
中国・韓国・タイ・インドネシア・マレーシア・
フィリピンなどでした。インドやベトナムにも
徐々に増えて行きました。
為替差益や、人件費の安さからでした
(その当時は中国も人件費が安い頃でした)。
ウエステックが直接輸出する事は少なく、
一旦はお客様の国内工場に納めて、
お客様が自社の海外工場に輸出する手続きを取る、
というパターンが多かったです。
その時に必要になって来るのが、輸出品の
戦略物資非該当証明、即ち、それを使って
輸出国で武器などの戦略物資を作れるような
物ではありませんよ、という証明書です。
直接武器の部品になり得る物はもちろん、
それを使って武器の製造ができるような
産業用機械(工作機械など)も規制の
対象になります。
日本の各メーカーはその事に大変神経を
使っていますので、今の日本で問題になる事は
まずありません。
ウエステックももちろん、いつでも非該当証明を
提出できる体制を取っています。
必要であれば、パラメータシートも用意できます。
以前ほどには、輸出する機械の台数は多く
ありませんが、それでも年間では、結構な台数が
輸出されています。
最近はアジアのメーカーも力を付けて来ていますので、
直接海外のメーカーに売る機会も増えています。
---------------------------------------------
さて、ここで話を終わらせても良いのですが、
ここからは半分余談として続けます。
企業のほとんどが、戦略物資には非該当で対応済み、
といった今のような状況に至ったのには、
或る重大な転機がありました。
それは1987年に起きた、東○機械の
COCOM(ココム)違反事件です。
東○機械は工作機械メーカーで、当時のソ連に対し、
船のスクリューを加工できる高機能な工作機械を
輸出したのです。
それが、スクリュー音の発生を抑える事ができる
製品を作れるという事で、潜水艦のスクリュー製造に
使われた、とアメリカに糾弾され、社会問題にまで
発展しました。何でも、数兆円もの損害賠償を
請求されたようです。
水の中では音波が遙か遠くまで届くため、
ソナー(音波探知機)を使って、魚群や潜水艦を
検知する技術が昔から使われていますが、
スクリュー音の発生が抑えられては、
潜水艦を見付けにくくなるじゃないか、
という事で、問題視されたのです。
当時も東○機械以外にも工作機械メーカーは
たくさん有りましたが、当時は、武器製造に
使われていないと断言できる、確たる根拠を
皆が持っている、とまでは言えない状況でした。
今で言うところの、グレーゾーンだったわけです。
私も既に社会人になっていましたので、
工作機械メーカーの友人から話を聞くと、
「うちの会社のあの製品、もしかすると
ヤバいんじゃね?」みたいな噂があったそうです
(今だから言える事ですが)。
対共産圏輸出規制(COCOM)というのは、以前から
有りましたが、この事件を契機に、輸出品規制への
関心が一気に高まり、管理体制も厳しくなりました。
それは工作機械に限らず、あらゆる分野に
浸透して行ったのです。
ちなみに、ソ連の崩壊と共に、COCOM自体は
無くなりましたが、別の規制に引き継がれており、
内容的にはむしろ厳しくなっています。
現在では、Webサイト上で対象製品を選ぶと、
その場で戦略物資非該当証明書をダウンロード
できる体制まで取っているメーカーも有ります。
そこまで、半ば常識化しているわけです。
只、これって、同盟国が、非同盟国に
戦略物資を輸出してはいけません、
という規制なので、その非同盟国と
元から国交の有った国だったり、
非同盟国どうしだと、今だにグレーゾーンの
ままなんですよね。