整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

自動機対応編その2

2017-09-25 11:00:03 | 効率アップ
以前のブログで、ウエステックの整列機は、
自動化に対応させるためには改造が必要だと
書きました。

停止位置精度が出ないため、振動の方は、
後付けで停止精度を出すようにする機構を設け、
揺動の方は、自動機側で対応して下さい、
という内容でした。

随分と原始的な方法だなあ、とお感じになった
人もいらっしゃるかと思います。

実は、完全な特注品にはなりますが、
振動部分にはサーボモータ
揺動部分にはステッピングモータを使って、
振動方向・揺動方向ともに停止位置精度が
出せるタイプが有ります。

カタログやホームページには載っていません。
具体的な打ち合わせの中で、どうしても
停止位置精度が欲しく、そのためには
価格が多少高くなっても構わない、
という時にしかお目見えしない機種だからです。

当然ですが受注生産になります。
納期もそれなりに長いです。

ちなみに、先日のブログで書いた、標準の整列機を
改造して、簡易的に自動機に対応した仕様だと、
大した価格UPにはなりません。

さて、サーボモータ・ステッピングモータを
使った機種も、実は更に2種類あります。

まず、外観は標準の整列機とほとんど同じで、
コントローラもほとんど同じという機種。
操作方法も標準の整列機とほとんど変わりません。
単に停止位置精度が上がっているという機種です。

もともと、整列機は標準でも、外部からシーケンサなどで
制御できるように、コントローラの背面に各種IOを
揃えていますので、そこから制御すれば良いわけです。



ただ、外観は同じでも、価格はかなり高くなります。

なお、小型の機種ですと、モータが同じスペースに
収まらないため、中型より大きい機種しかありません。
つまり、MRV-MINI-Sや、MRV-Ⅰ-STWといった機種には
サーボモータ・ステッピングモータ仕様が無いと
お考え下さい。

また、中型機以上でも、コントローラの方は、
サーボモータ・ステッピングモータのドライバが
収まるスペースが無いため、コントローラとは別に、
中継BOXが有ります。

さて、もう1つの機種は、標準の整列機の設計を
ベースにはしていますが、機械の大きさや、
動作方法までも客先仕様に合わせた、
言わば完全特注品です。

ウエステックの標準の整列機は、
最大振動数・揺動のスピードが
決まっています。

しかし、並べる部品によっては、もっと高い
振動数で振った方が並びやすい物もあります。

また、揺動、つまり前後に傾くスピードが
一定である必要も、実は有りません。

不用意に揺動スピードを上げると、
並べる部品が飛び出してしまう恐れが
有りますが、例えば傾き始めはゆっくり、
傾いている最中は速く、傾き終わりは
またゆっくり、という動きをさせれば、
部品を飛び出させる事なく、傾きを変える
時間を短縮できます。

また、実際の部品の流れを見ながら、
並びやすい傾きのスピードを自由自在に
変化させる事もできます。

標準の整列機では、この動きができません。
揺動のスピードは常に一定かつ遅いです。

しかし、ステッピングモータを使えば、
揺動スピードを自在にコントロールできます。

ただし、この機種の場合、整列機の制御も含め、
全てお客様の方でソフトを書いて戴く事に
なります。従って専用のコントローラも
付いていません。

標準の整列機ですと、動きに制約が有りますので、
自動機の方で、整列機に合わせ込んで行く必要が
あります。

一方、完全特注機は、その制限がないため、
動作干渉さえしなければ、自動機の動きに
整列機の方を合わせ込んで行く事が可能です。

すると、ウエステックで、整列機の部分だけ、
中途半端にソフトを書いて用意するよりは、
整列機ごと、装置全体のシステムとして、
全てお客様の方でソフトを書いて戴いた方が、
より制御が容易で、使い勝手の良いものが
できます。

その方が、動作を変更する必要が生じた場合も、
整列機の動きも合わせて変更ができて便利です。


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