整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

女性の現場作業員の優秀さ

2017-09-28 09:37:36 | 効率アップ
ウエステック整列治具や組立治具を使って、
製品の組立もできる
、と以前のブログで
紹介しました。

実はこれ、実際にそれらの治具を使う
作業員さん次第で、更に処理能力が
上がります。

例えば、完成品が5部品で形成されている
製品を組立するとします。

A部品が矩形のボディ(ベース)だとして、
その上面の穴にB部品とC部品を重ねて入れる、
右側面の穴にD部品を圧入する、
左側面にE部品を乗せる、
それで完成だとします。

実際の組立作業の流れとしては、

A部品を入荷トレーから組立用治具に移し替える
          ↓
C部品を吸着治具で吸着してA部品上面の穴に入れる
          ↓
B部品を吸着治具で吸着してA部品の中のC部品に乗せる
          ↓
A部品を90°横に倒して、右側面が上を向くようにする
          ↓
D部品を圧入するためのガイド治具を上にかぶせる
          ↓
D部品をマグネットで吸い上げて圧入ガイド治具の穴に落とす
          ↓
剣山状の構造をした圧入治具を上にかぶせる
          ↓
その状態の治具を圧入機(プレス機)に差し入れ圧入する
          ↓
圧入剣山治具と圧入ガイド治具を外す
          ↓
A部品を180°引っ繰り返して、左側面が上を向くようにする
          ↓
E部品を吸着治具で吸着してA部品の上に乗せる

以上となります。

A部品が100個並んでいるトレーを使い、B~Eの各部品を100個ずつ
同じ間隔で整列機で並べて、組立用治具を使えば、
上記の組立が100個いっぺんにできる事になります。

一見、大変そうですが、慣れて来ると、まるで流れ作業のように、
1人でも簡単にやれるようになります。

組立作業の現場には、正社員でもパートタイマーでも、
女性の従業員が大勢働いている工場が多いものです。

この女性従業員達にかかると、下手をするとわずか2~3分の
サイクルで、上記の組立作業をこなせるようになります。

しかも、各人が工夫を凝らし、作業が滞らないようにします。

例えば、納入トレーからA部品を組立治具に移す時、
前後に数回揺すると移り替わりやすいだとか、
D部品を圧入する時、プレス機で押した状態を
2秒間保持した方が、D部品がスプリングバック現象で
戻って来にくいだとか、E部品をA部品に乗せた時、
右側から治具を数回叩いて振動を与えた方が、
E部品が真っ直ぐになりやすいだとか、
そういった細かな事象を、毎日の作業の中で発見し、
大した時間のロスを発生させずに修正し、
組立を完了させます。

その結果、自動組立機が足元にも及ばないほどの処理能力と、
エラーの少なさを、いとも簡単に実現してしまいます。

或る日、C部品が標準品ではない物を組立しようとすると、
標準品用の整列治具で問題なく並ぶものの、うまく組めない、
という問い合わせが有り、お客様の工場に出掛けて行って、
組立現場を見せてもらう事があったとします。

「組立を一度やって見せて下さい」と言うと、
速過ぎて何をやっているのか分からない事が
あります。治具を重ねて引っ繰り返したり、
部品を吸着して移し替えたりするのに、
それぞれわずか数秒ずつしか掛からないのです。

「スミマセン、ゆっくりやって下さい」とお願いした
経験が数え切れないくらいあります。

しかも、作業自体はそれなりに複雑でも、
毎日やっていれば同じ作業の繰り返しですが、
その繰り返し精度の高さが、女性ならでは、です。
飽きずに黙々と、しかし完璧にこなします。

しかも、いつもと同じ作業をやっていて、
少しでもおかしな現象が発生すると、
すぐに分かります。

生産ロットによって部品にバリが残っている、
圧入治具の剣山ピンの一部が欠けている、
といった事をいち早く発見できたりします。

ウエステックの整列機と整列治具、
そして組立治具と女性作業員の方々にかかれば、
他の組立方法にはもう戻れなくなります。