整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

整列機は組立装置です

2017-11-20 10:42:55 | 効率アップ
まるで言い切っているかのような、今日の題名ですが、
実際、ウエステックの整列機を購入して戴いたお客様の、
実に半数以上が、組立装置として使っていらっしゃいます。

実際どのようにして組立に利用するかは、
過去のブログを参照して戴ければと思います。

整列機は部品を整列治具上に、決められた整列ピッチ、
及び姿勢に整列させる装置ですが、例えば構成部品が
A~Eの5種類を組み立てるのであれば、A~Eの各部品を
全て同じ整列ピッチ(整列間隔)に並べてしまえば、
それらを重ね合わせたり圧入したりする事で、
一度に治具1枚分の組立ができる事になります。

A~Eそれぞれの部品を供給して組み立てるよりは、
圧倒的に速いケースがほとんどです。

対象品目は、電子部品・電機部品・コンピュータ部品・
半導体部品・油空圧機器・自動車用部品、その他様々な
分野に広がっています。

整列機を用いた組立方式の特徴を以下に挙げます。

1:自動機を必要としない。

2:熟練したオペレータが不要である。

3:必要に応じマニュアル式の組み付け機を利用する。

4:作業者によるハンドリングを必要とする。

5:組立は治具パレットの組み合わせで行う。

6:多数個(数100~数1000個)同時組立ができる。

7:整列個数と生産性が比例する。

8:多品種同時組立が可能である。

9:品種切り替えが簡単である。

10:部品のサブアセンブリに利用されることが多い。

11:不良率が低くなる。

1枚の治具あたりのハンドリング時間は、約10~20秒ですが、
整列個数分を同時処理することができます。

トータルの処理時間からすると、1部品ずつ処理するよりも
速くなるわけです。

また、1治具の全面に並んだ部品を、作業者が全数そのまま
吸着して移し替えたり、組み込んだりしますので、
その時点で部品の不良を発見しやすいというメリットも
あります。

部品単体では発見し難い不良も、同じ部品が治具全体に
等間隔に広がっている状態ですと、1個の部品だけ光の
反射の仕方が違うですとか、1個だけ治具から
浮き上がっている高さが違うですとか、
そういう現象が目に付きやすいのです。

自動機の場合、何かしらの原因で装置の設定が狂い、
その設定値が非常停止が掛からない範囲内ですと、
大量にアセンブリ不良を作ってしまう事が有ります。

ウエステックで整列実験や、本番用治具の整列・
組立実験を行うのに、大量の部品をお借りする事が
ありますが、治具の確認用であれば支障がない不良
という理由で、大量に失敗した部品を送って来る
お客様もいらっしゃいます。

よくあるのが、セラミック部品の電極印刷ミス品や、
樹脂部品のレーザーマーキングミス品です。

なんという量の不良品だ、と驚く事も有ります。
歩留まりが悪いですね。

逆に言うと、整列機と整列治具を使う事によって、
それらが改善される事を期待されているわけです。

最近は電子部品もどんどん小さくなって行っています。
製品サイクルも極端に短くなって行っています。
同じ系統の製品でも、機種の切り替わりが速いためです。
自動機で組立装置を作ると、償却も難しくなっている
最近の事情に、整列機は最適な装置と言えます。

追伸 :

お客様から、新製品の立ち上げラインに整列機を
導入する時とかに、「社運が懸かっている」とまで
言われる事も有ります。

整列機を使った生産ラインがうまく行くと、
費用対効果が凄い事になるのを知っている
お客様からの、過大とも言える期待です。

とは言え、お客様の社運が懸かっている件も、
パートさんの既存の重労働を軽減する件も、
閉鎖した別工場から引き上げて来た整列機が
有るので、何か並べようかな、という件も、
ウエステックとしては、やる事は同じ
なんですけどね。

試作の段階でうまく行けば、本番用治具を作るまでに
多少の問題が発生しても、最終的にはNGになる事は
ほとんどありませんので。


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