整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

やはり外国人は靴を脱がないですね

2017-11-15 14:12:04 | 効率アップ
コーヒータイム(与太話)

以前の与太話で、外国人は寝る時と風呂に入る時以外
靴を脱がない、という話をしましたが、
最近もそれを実感する出来事が有りました。

関東には、昔の浮世絵の展示を専門に
している美術館が幾つか有ります。

掛け軸に書かれた浮世絵が展示されている事が
多いのですが、掛け軸の手前は畳です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
この場合の鑑賞方法は、畳の間に上がり、
膝を突いて目線を低くして絵を見ます。

掛け軸は縦に長く、通常、絵はその下の方に
書いてありますので、目線を下げないと、
絵を見下ろす格好になってしまいます。

掛け軸の絵は、ちょうど床に膝を突いたくらい、
もしくは完全に座った高さの目線から、
見られるように書かれています。

これは、昔の日本は全て畳の間だったので、
畳の上に座った状態で見栄えがするように、
との配慮からです。

立った状態で浮世絵を見ようとすると、
掛け軸をかなり高い位置に掛けなければ
なりません。それでは風情もへったくれも
ないですし、そもそも掛け軸である意味が
無くなってしまいますので、
やはり畳に上がって掛け軸に近付き、
膝を突いて目線を下げて見るべきです。

ところが、やはり外国人は靴を脱がないので、
畳の上に上がらず、畳の手前から見ている
人が多いです。

畳に上がらないと、目の高さ的には、
畳に上がって膝を突いた状態と、
ほぼ同じになりますが、2mくらい
離れた所から見る格好になりますので、
見にくいかと思います。

遠くからだと、絵の中の細かいパーツが
見えません。浮世絵は、風景画であれば、
各パーツ自体が細かいですし、
人物画も、着物の柄などは、近くで見ないと
よく分かりません。

でも、靴を脱がないですねえ。靴を脱いで
近くで見ているのは、日本人ばかりでした。

客が少なければ良いですが、多いと畳に膝を突いた
日本人が絵を遮ってしまい、遠くからでは
ますます見えにくくなります。

さすがに靴を脱ぐだろうと思いましたが、
脱がないですねえ。もしかすると靴下に
穴があいているのかも知れませんねえ。

掛け軸ではない絵も多数展示してありますので、
もっぱらそっちを見ていますね。

靴を脱いで掛け軸を見ている外国人もいますが、
やはり少数派です。

浮世絵は外国人に大変人気が有り、そのせいも
あってか、最近は日本でも再評価され、
日本人の間でも人気が高まって来ました。

私も、若い頃はあまり興味が無かったのですが、
歳を取って来たせいか、浮世絵の良さが
分かるようになって来ました。

若い頃は、浮世絵には遠近感というか、
立体感が乏しいし、西洋絵画に比べると、
色もおとなしめなので、面白味が無いと
感じていたのです。

基本的に影が無く、1つのパーツの陰影も
有りません。例えば、円筒形の物でも、
日が当たっている側は明るく書いて、
反対側は暗く書く、という事をしません。

しかし、今見ると、画面の構成でうまく遠近感を
表現していたり、着物の柄の部分部分の変化で
立体感を出したりしており、細かい部分で
非常に工夫されています。

しかも、西洋絵画とは違って、縦横比が特に
決まっていません。西洋絵画は、キャンバスに
書かれている絵は特に、縦横比がだいたい
決まっています。

一方の浮世絵は、西洋絵画と近い縦横比の物も
ありますが、掛け軸用に縦に細長かったり、
横が縦の何倍も広かったり、扇子に書いて
ある場合もあります。

それぞれの紙面の大きさや縦横比を活かし、
実にうまく、各パーツを配置したり、
画面を構成したりしています。

縦長の紙面に、人物の全体像を書く場合でも、
余白が少ないにもかかわらず、窮屈な印象を
与えないように書く技法や、画面の外にいると
思われる人物に視線を投げ掛けている事で、
画面以上に広く感じさせる技法は、
さすがとしか言えません。

また、美人画も、現代の美人、というのとは
切り口が違い、花や風景の美しさと同じ系統の、
造形としての美しさは充分に感じ取られる事が
分かって来ました。

話がかなり脱線しましたが、これからもっともっと
外国人観光客を呼び込もうと思ったら、
畳に上がらずに見られる掛け軸の展示方法を
考えた方が良いかも知れません。

しかし、あまり外国人に迎合すると、
日本の伝統が損なわれてしまいますので、
難しいところではあります。

掛け軸が少し斜めになるように、つまり斜面に
寄り掛からせるように展示すれば、目線の位置が
高くても、低い所に有る絵に対しても、
垂直に視線を向ける事が出来ます。

日本にしか無い物もたくさん有りますので、
日本人にとっては見慣れた物であっても、
観光の目玉になり得る物はいくらでもあります。

ちなみに、浮世絵の美術館の受付の人は、
英語ペラペラでした。外国人の来客が多いので、
そういう人を雇っているのですね。


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