ウエステックの治具には、刻印が打たれています。
刻印は、治具の名称や、並べる部品の名称、
治具の型番などが記載されています。
しかし、実は、役割は他にも有ります。
そして、役割を持たせた刻印は、その有る無しで、
使い勝手に大きな差が出ます。
なお、治具への刻印ですが、彫刻機と呼ばれる
装置で入れますので、この作業を扱う業者間では、
「刻印」ではなく「彫刻」と呼ばれています。
よって、以下「彫刻」と記します。
改めまして、彫刻ですが、治具上の適当な場所に、
ただ文字を入れているだけではありません。
文字の位置や向き、更には文字の色にも
意味を持たせている場合があります。
例えば整列治具に他の治具を重ね合わせる時、
彫刻の有り難さが実感できます。
治具はそのほとんどが直方体です。その役割により
板厚はその様々ですが、大きさ(縦横寸)は
統一された長方形です。
治具から治具へ部品を移し替えたりする時、
治具どうしを重ねますが、長方形ですので、
前後逆に重ねてしまう可能性があります。
並べる部品に前後左右の方向性があると、
治具を逆に重ねれば、治具に加工された穴と
部品の形状が合致しませんので、
部品が移り替わらなかったり、
部品から突起が出ていると、それを曲げたり
破損させてしまったりします。重ねる向きには
注意が必要です。
治具どうしはピンとブッシュで位置合わせを
しますが、一応、治具の4隅に配置するピン・
ブッシュが、治具を前後逆に重ねないように、
わざと3ヶ所にしたり、1ヶ所だけ少し位置を
ずらしたりしています。
ただ、それだと、重ねようとして、
ピンとブッシュがぶつかって初めて、
前後逆だと気付く事になります。
その場合、治具の側面に入れてある彫刻の
向きを揃えておけば、事前に重ねる向きが
分かりますので、間違う恐れが無くなります。
また、製品の組立に治具を使う場合、
何種類かの治具を重ね合わせます。例えば、
①圧入受けパレット,②圧入ガイドパレット,
③圧入パレットの順に重ね合わせるとします。
この時、うっかりやってしまうミスが、
②の圧入ガイドパレットを間に挟むのを忘れて、
圧入機(プレス機)に投入してしまい、
治具や部品を壊してしまうというケースです。
この場合、この丸囲み数字を治具名称と一緒に
彫刻しておけば、②を挟み忘れている事に
気付きます。
ただ、実際には、①の圧入受けパレットに
重ねる治具は、②の圧入ガイドパレットだけではない、
という場合が多いです。整列機で並べた部品を
吸着パレットで吸い上げ、①の圧入受けパレットに
移し替える、という作業が事前に有ったりするのが
普通です。すると、丸囲み数字が彫刻してあると、
かえって作業手順が混乱する原因にもなりかねません。
よって、この場合は、治具の側面にライン彫刻を
入れます。入れ方は様々ですが、斜めに入れれば、
正しい向きに治具を重ねた時にはラインが
真っ直ぐになりますが、重ね忘れたり、
重ねる順番を間違えた時には、
一直線になりませんので、すぐ分かります。
また、同じ治具どうしでも、重ねる位置が変わる
場合が有ります。例えば、整列機で整列パレット上に
部品を並べ、そこから1列飛びに部品を吸着させて
移し替えるとします。1回目は奇数列、2回目は偶数列です。
この場合、1回目は治具の端どうしを合わせれば
良いわけですが、2回目はズレた位置に重ねなければ
なりません。ピンとブッシュの位置が分かりにくい
状態になります。
そんな時、治具の上面にライン彫刻を入れておき、
上側の治具の端が、そのラインに重なるように
治具を合わせれば、楽に重ねられます。
上記で挙げたのは、ほんの一例に過ぎません。他にも、
彫刻の文字の色を変えたり、複数枚有る同じ治具に
通し番号を入れて、それで作業工程やロットを
管理したり、更には上記で挙げた方法を
組み合わせたりします。
(今回は珍しく絵が多くなりました。)
刻印は、治具の名称や、並べる部品の名称、
治具の型番などが記載されています。
しかし、実は、役割は他にも有ります。
そして、役割を持たせた刻印は、その有る無しで、
使い勝手に大きな差が出ます。
なお、治具への刻印ですが、彫刻機と呼ばれる
装置で入れますので、この作業を扱う業者間では、
「刻印」ではなく「彫刻」と呼ばれています。
よって、以下「彫刻」と記します。
改めまして、彫刻ですが、治具上の適当な場所に、
ただ文字を入れているだけではありません。
文字の位置や向き、更には文字の色にも
意味を持たせている場合があります。
例えば整列治具に他の治具を重ね合わせる時、
彫刻の有り難さが実感できます。
治具はそのほとんどが直方体です。その役割により
板厚はその様々ですが、大きさ(縦横寸)は
統一された長方形です。
治具から治具へ部品を移し替えたりする時、
治具どうしを重ねますが、長方形ですので、
前後逆に重ねてしまう可能性があります。
並べる部品に前後左右の方向性があると、
治具を逆に重ねれば、治具に加工された穴と
部品の形状が合致しませんので、
部品が移り替わらなかったり、
部品から突起が出ていると、それを曲げたり
破損させてしまったりします。重ねる向きには
注意が必要です。
治具どうしはピンとブッシュで位置合わせを
しますが、一応、治具の4隅に配置するピン・
ブッシュが、治具を前後逆に重ねないように、
わざと3ヶ所にしたり、1ヶ所だけ少し位置を
ずらしたりしています。
ただ、それだと、重ねようとして、
ピンとブッシュがぶつかって初めて、
前後逆だと気付く事になります。
その場合、治具の側面に入れてある彫刻の
向きを揃えておけば、事前に重ねる向きが
分かりますので、間違う恐れが無くなります。
また、製品の組立に治具を使う場合、
何種類かの治具を重ね合わせます。例えば、
①圧入受けパレット,②圧入ガイドパレット,
③圧入パレットの順に重ね合わせるとします。
この時、うっかりやってしまうミスが、
②の圧入ガイドパレットを間に挟むのを忘れて、
圧入機(プレス機)に投入してしまい、
治具や部品を壊してしまうというケースです。
この場合、この丸囲み数字を治具名称と一緒に
彫刻しておけば、②を挟み忘れている事に
気付きます。
ただ、実際には、①の圧入受けパレットに
重ねる治具は、②の圧入ガイドパレットだけではない、
という場合が多いです。整列機で並べた部品を
吸着パレットで吸い上げ、①の圧入受けパレットに
移し替える、という作業が事前に有ったりするのが
普通です。すると、丸囲み数字が彫刻してあると、
かえって作業手順が混乱する原因にもなりかねません。
よって、この場合は、治具の側面にライン彫刻を
入れます。入れ方は様々ですが、斜めに入れれば、
正しい向きに治具を重ねた時にはラインが
真っ直ぐになりますが、重ね忘れたり、
重ねる順番を間違えた時には、
一直線になりませんので、すぐ分かります。
また、同じ治具どうしでも、重ねる位置が変わる
場合が有ります。例えば、整列機で整列パレット上に
部品を並べ、そこから1列飛びに部品を吸着させて
移し替えるとします。1回目は奇数列、2回目は偶数列です。
この場合、1回目は治具の端どうしを合わせれば
良いわけですが、2回目はズレた位置に重ねなければ
なりません。ピンとブッシュの位置が分かりにくい
状態になります。
そんな時、治具の上面にライン彫刻を入れておき、
上側の治具の端が、そのラインに重なるように
治具を合わせれば、楽に重ねられます。
上記で挙げたのは、ほんの一例に過ぎません。他にも、
彫刻の文字の色を変えたり、複数枚有る同じ治具に
通し番号を入れて、それで作業工程やロットを
管理したり、更には上記で挙げた方法を
組み合わせたりします。
(今回は珍しく絵が多くなりました。)
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