日本初のカラー映画として知られる「カルメン故郷に帰る」(昭和26年)の陰で、お蔵入りとなっていた同作品のモノクロ版が、約60年ぶりに劇場で特別上映される。
当時、コスト面などからカラー版が完成できない場合に備えて同時撮影していたモノクロ版。
カラー版の成功で、長く松竹の“倉庫”で眠っていたが、同作品を撮った木下惠介監督(1912~98年)の生誕100年を記念する大阪市西区の劇場「シネ・ヌーヴォ」での全作品一挙上映のラインアップに加えられ、約60年ぶりに日の目を見ることになった。
「カルメン」は、アメリカなどのカラー映画に影響された松竹が26年、富士フイルムと協力して国産初のカラー映画として製作。
しかし、コストなど不透明な部分も多かったため、満足できる作品にならない場合に備えてモノクロ版も同時撮影していた。
結局、カラー版は無事公開され、華やかな色彩などが評判を呼び大ヒット。
一方、モノクロ版も封切り時、一部の地方の劇場で公開されたものの、公開終了後にお蔵入りになったという。
シネ・ヌーヴォでは今回、木下監督の生誕100年記念として「二十四の瞳」「楢山節考」など全作品上映を企画。
「カルメン」もカラー版に加え、松竹側の協力でモノクロ版の上映を実現させた。
モノクロ版は、当時の技術的背景からカラーと別撮りで収録され、人物の動きなども微妙に異なっているといい、ファンの関心を呼びそう。
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