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くすぶり続けるEPSON CC-600PX/PX-V700問題

2005-10-08 23:32:00 | ハードウエア

 先日,久々にうかがったお得意先で,インクジェット複合機を使用する機会があった.数年前に私が購入選定したEPSONの複合機で,既に機種名までは忘れていたのだが,EPSON複合機については気になる情報を得ていたため,さりげなく機種名を確認した.そしてギクリ!一瞬我が目を疑ったが,間違いなかった.それはかの有名なEPSONの「CC-600PX」だった.

 

  ここでEPSON複合機の「CC」シリーズについて,簡単に説明しておこう.EPSONの「CC」シリーズは,インクジェットカラー複合機のシリーズだったが,現在では製造終了となっており,事実上,シリーズとしては消滅している.「CC」は「Colorio Copy」,製品名の末尾の「L」は「Light」を意味する. ラインナップは以下の通り.

 

 

 このシリーズ中でも唯一,末尾に「PX」のついている「CC-600PX」は,いわゆる「PX-Vインク(つよインク)」と呼ばれる顔料をインクとして使用する複合機だ.ちなみに単なる顔料インクジェットプリンタのPX-V700は,CC-600PXと同じメカを使用している.

 

  定価45,800円のCC-600PXが発売されたのは2003年の2月21日らしいが,この製品に関する「悪い噂」は,その2年後ぐらいから流れ始めた.それは…

 

1年半ぐらいの使用したCC-600PXのインク交換の後に,
インク色の一部,あるいはすべてが
出なくなってしまう

 

 価格.comの口コミ掲示板を中心に,このような報告が複数あがり始めたのだ.さらにこの不具合を起こしたCC-600PXを分解して,原因を追求した強者ユーザーがおり,結果的には

 

  •  「ヘッドキャップのはずれ」
  •  「廃インクを吸い取るポンプのチューブの抜け落ち」
  •  「インク充填ポンプの故障」

 

が主な原因であると同掲示板に報告された.またさらなるユーザー調査で,チューブに残ったインクが固まり,チューブに目詰まりを起こさせ,その結果,廃インク処理時に,チューブに圧がかかって,チューブが吹き飛ばされるらしいことも報告された.またチューブをピンセットで挟み,元通り差し込むと,症状が改善されるという対処方法も同掲示板で紹介された.

 

 その後も,次々と同じ症状の報告が掲示板に上がったため,「これは欠陥商品ではないか?」という疑惑が掲示板ユーザーの中で深まり,ついに国民生活センターのサイトに報告するユーザーも現れた.

 

 またこれら不具合に対するEPSON側の対応についても掲示板に報告されたのだが,その対応が一貫していないことも明らかとなり,それがユーザーのさらなる反感を買ったかたちとなった.そして彼らのEPSONに対する不信感は解消されぬまま,今日に至っている.現在,CC-600PXは製造されておらず,また同製品のリコールも行われてはいない. 

 

 以上が事件のあらましだが,この不具合の噂をおそるおそる得意先に話してみると,別段不具合はないという返答.購入後2年は経過しているはずなのだが,一安心した.

 

 結局のところ,CC-600PXのこの不具合は,一部の少数ロットの不良なのだろうか?それとも,使用環境に極端に敏感な機種なのだろうか?真相は未だに藪の中だが,2chプリンタ板では,未だにCC-600PXのスレが比較的上位に存続しており,EPSONの対応が非難され続けている.


参考リンク: