WaterMind PC Blog

PCとネットワークに関するニュースコラム.

DirectX7→DirectX9 その4

2004-12-08 21:36:00 | 自作PC
前回までのあらすじ.

ついに購入した,DirectX9世代のVGAカード,アスクで発売しているPowerColorRADEON9600Pro.メモリ256MB,ゲームソフト1本,DVD関係ソフト付きで,税込み¥12,980!早速,我がメインマシンに取り付け,最新版ドライバーと共に試運転.ベンチマークの,3DMARK'03を実施した……と言うところまでが,前回のお話し.さてその続きだが…

 初めて見る3DMARK'03は,やはり以前のベンチマーク3DMARK2001SEよりも,映画に近い感じになっていた.環境バンプマッピング等により,モノの質感は以前よりもかなり増しており,特に屈折シェーダ等による水表現は今までと全く異なり,本物にかなり近くなった.ベンチマーク値は,2462~2513と,PCFANにおけるRADEON9600Proのベンチマーク値2500近くとなり,一安心した(ちなみに3DMARK'05のスコアは1146).ところが…

 今までnVidiaばかり使っていた私は,RADEONに関する知識が少ないため,あちこちのページを見て回り,情報収集を行った.するといろんな事がわかってきた.PowerColorは激安系で,製品の評判があまり良くないのだ.逆に,購入予定だったsapphire の評判はなかなか良い.確かに「安かろう悪かろう」の評判通り,交換直後には,画質が以前のnVidiaより若干落ちた感じはあった.しかし,それは気になるほどではなかった.ただ気になることが一つだけあった.それはメモリクロックだ.

 ドライバーCATALYSTの表示では,メモリクロックが200Mhzとなっていたのだ.確か,このカードはメモリクロック400Mhzと箱に書いてあったではないか?そこで,調べていく内に,これはメモリにDDRが使用されており,実質内部的には倍の400Mhzになっていることがわかった.そこまではよいのだが,RADEON9600Proのメモリクロックは300Mhz(内部600Mhz)であることも同時に判明した.この差はいったい何だ?

 そしてATiWiKiの記事を発見.このページを読んで,謎は解けた.

 上記ページによると,この製品は「地雷」なのだそうだ.但し,自分の感想を言えば,「地雷」と言うほどのモノではなく,単なる「RADEON9600Pro 廉価バージョン」と言っていいと思う.つまり,本来の300Mhzで作動するメモリを使用せず,安い(遅い)200Mhzで動くメモリを256MB使用していたわけだ.確かにアスクのこの製品ページには,はっきりと「コストリダクション スペシャルバージョン」と書かれており,箱にも「400Mhz/400Mhz」とコアクロックとメモリクロックが明記されている(画像参照).

 ということで,今回のカードは,本来のRADEON9600Proチップのパフォーマンスは出し切れていないかもしれないが,購入予定のカード以上のパフォーマンスが,比較的安く手に入ったということで,自分的には,どちらかというと得をした気持ちだ.ちなみに価格コムのこの製品のページによると,通販の最安値が現在¥12,606となっており,送料まで考えれば,ほぼ最安値でこのカードを手に入れたことになる.後は,寿命がどのぐらい持つかだが…

 今回のスペック上の事件(?)は,自作PCを行っているものならば,良く出くわすケースだろう.PCパーツの安モノは,「スペック表に現れにくい」「購入者の気づかない」部分でコストダウンを図っているモノが多い.その中の最悪なモノ,「動かない」「スペック詐称・詐欺」「すぐ壊れた」「おそろしく遅い」といったものが,いわゆる「地雷」だ.だから,今回のようにメモリクロックが本来のスピードよりも遅いことが発覚しても,「地雷」的なものでなかれば,さして動ずることもない.このPC自作の世界では,このようなことは「常識」としてまかり通っている.だからこそ,「当たり」を引いたときの喜びもまたひとしおだ.

ということで,今回の「DirectX7→DirectX9 カード購入編」はひとまず終了.また,続編をやるかもしれないので,お楽しみにネ.