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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

元海兵の狙撃手だったおじさんと母親を亡くした少年のロードムービー『マークスマン』

2022年01月18日 23時10分10秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:5/7
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
ロードムービー
アクション

【原作・過去作、元になった出来事】
なし

【あらすじ】
愛妻に先立たれ、
メキシコ国境付近の町で牧場を営みながら、
愛犬と暮らす元海兵隊の腕利き狙撃兵、
ジム・ハンソン(リーアム・ニーソン)。
ある日、メキシコの麻薬カルテルの魔の手を逃れ、
越境してきた母子を助けたことから、
彼の運命は大きく変わり始める。

カルテルに撃たれた母親は、
ジムに11歳の息子ミゲル(ジェイコブ・ペレス)を託して絶命した。
ミゲルをシカゴに住む親類のもとに送り届けて欲しい――
日々の生活に手いっぱいのジムだったが、
仕方なくこれを引き受ける。

一方、米国に侵入したカルテルは執拗に彼らを追撃。
迫りくる危機に、
ジムは必死に抵抗する。

果たして彼は、
ミゲルを守り、
シカゴにたどり着くことができるのだろうか。

【感想】
これまでいろんな作品で
"荒ぶるおじさん"を演じてきたリーアム・ニーソン。
今作ではこれまでとは違って、
やや哀愁漂う雰囲気になっているのが意外なところ。
でも、銃撃戦や格闘など、
相変わらずアクションは多めで楽しめる内容。

◆まさかの『クライ・マッチョ』と共通点が多い

先日観てきたクリント・イーストウッドが
監督・主演を務めた『クライ・マッチョ』。
今回の映画、
要素としてはそれとメチャクチャ共通点が多い。

まず、主人公は妻に先立たれた孤独な男で、
生活は困窮。
でも、若いときはすごかったという設定。
そして不本意ながらも、
ひょんなことからメキシコ系の少年と車に乗って逃避行。
ペットもいっしょに。
あと、テンガロンハットが似合う(笑)

今作の監督はロバート・ローレンツという方で、
過去のクリント・イーストウッド作品で助監督も務めていたそう。
だからというわけではないにせよ、
同じ時期に同じ要素の映画が公開されて、
しかも監督同士は繋がりがあるという偶然。

◆似て非なる構成

要素は似ているけど、
ジャンルはまるで違う。
『クライ・マッチョ』はヒューマンドラマなのに対して、
『マークスマン』はアクション。
なので、個人的には『マークスマン』の方が好きだった。
同じような内容でも、
こうも違うものが出来上がるのかと感心する。

民間人を殺すことも厭わない
残虐な麻薬カルテルとの銃撃戦に、
ちょっとしたカーチェイス。
さらに、元狙撃手というキャリアを生かした
必殺攻撃を行うリーアム・ニーソンの姿は
渋すぎてかっこよかった。
あんなおじさんに将来なりたい。。。

◆いろんなことを経験したからこそ言える若者へのメッセージ

2つの映画における彼らのメッセージは共通して、
「自分の道は自分で選べ」だった。
クリント・イーストウッドは91歳、
リーアム・ニーソンは69歳。
過去、数多くの映画に出演し、
幅広い役を演じてきた。
当たり前の言葉でも、
いろんな経験をしてきた彼らだからこそ、
役としてだけでなく、
彼ら自身の言葉として説得力あるなと感じられる。

◆そんなわけで

『クライ・マッチョ』と『マークスマン』、
似通った内容ではあるけど、
テンガロンハットが似合いまくりな渋いおじさんは
それだけで画になる。
ヒューマンドラマが観たいなら『クライ・マッチョ』、
アクションが観たいなら『マークスマン』が、
それぞれオススメです。

 

かつて医師役を演じたキャストが多い『ドクターホワイト』(第1話)

2022年01月18日 13時04分36秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):7/8
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
サスペンス
医療ドラマ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・小説
 樹林伸『ドクター・ホワイト』シリーズ(2015-)

【あらすじ】
医療ジャーナリストの狩岡将貴(柄本佑)は、
ある朝、日課のランニング中に、
公園で倒れている女性(浜辺美波)を見つける。
透き通るような肌と整った顔立ちを持つその女性は、
素肌にたった一枚、
白衣だけを身に着けていた。

幼なじみの内科医・高森麻里亜(瀧本美織)に助けを求めて
病院へ運び込むと、
目を覚ました女性は自らを「白夜」と名乗った。
さらに、検査結果を見ずに将貴の不調の理由を言い当てたり、
急患に対する外科の診断を「誤診です」と指摘する。
その口ぶりはまるで医療関係者のようだったが、
驚異的な医学知識とは裏腹に、
白夜はそれ以外の記憶をすべて失っていた。

将貴は、行く当てのない白夜を
ひとまず自宅へと連れて帰る。
事故で両親を亡くし、
将貴と2人暮らしをしている妹の晴汝(岡崎紗絵)は、
白夜を歓迎し、
何かと世話を焼く。

翌日、買い物に出かけた先で、
白夜は見るものすべてに興味を示すが、
突然、晴汝の体調が急変。
搬送された高森総合病院で、
白夜は医師たち相手に驚きの行動に出るが……。

【感想】
原作小説は未読だけど、
なかなかに興味深い設定のドラマ。
名前と医療に関する知識以外の
あらゆる記憶をすべて失っている主人公。
ネームプレートやスマホですら初めて目にする様子。

そんな彼女が、患者を見ただけで、
その症状および対応策をピタリと言い当てる謎設定。
X-メンかなっていうぐらいの特殊能力。
とはいえ、超人というよりは、
観察力の鋭さが際立っているという感じかな。
相手の発した言葉や、
わずかな脈の乱れを感知する敏感な指先。

そんな彼女が新しく配属されるのが、
“総合診断協議チーム”(通称CDT)。
患者の症状から正しい病名を協議の上で判別する、
いわば“診断専門チーム”だ。
内科医、皮膚科医、脳神経外科医、精神科医など、
各科を横断し、
知識を集結させた専門集団。
随分と都合のいい組織が新設されるもんだ(笑)

白夜の常人離れした診断っぷりと、
なぜ彼女が記憶を失っているのかの解明、
その2つが期待できるドラマかな。

キャストの方たちが、
過去のドラマで医者役を演じていた人が多いのも面白いけど。
パッと思いつくものでも、
石坂浩二は『白い巨塔』。
片桐仁は『あなたの番です』。
毎熊克哉は『恋はつづくよどこまでも』。
柄本佑は『心の傷を癒すということ』。
岡崎紗絵は『ナイト・ドクター』。
小手伸也は『TOKYO MER』。

それにしても、最近は高橋文哉が出まくりなのと、
主題歌にAdoが起用されまくってるね(笑)

 

コメディ控えめの雰囲気と秀逸な構成のおかげでシリーズで一番面白いと感じた『コンフィデンスマンJP 英雄編』

2022年01月18日 01時11分04秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:3/6
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
コメディ
サスペンス
コンゲーム

【原作・過去作、元になった出来事】
・テレビドラマ
 『コンフィデンスマンJP』(2018)

・映画
 『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019)
 『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020)

【あらすじ】
“英雄”と謳われた詐欺師〈三代目ツチノコ〉が死んだ。
その元で腕を磨いた過去を持つダー子(長澤まさみ)、
ボクちゃん(東出昌大)、
リチャード(小日向文世)。
当代随一の腕を持つ
コンフィデンスマンによって密かに受け継がれる
〈ツチノコ〉の称号をかけ、
3人の真剣勝負が始まる。

舞台は世界中のセレブが集まる
世界遺産の都市〈マルタ島・ヴァレッタ〉。
狙うは、莫大な財を成して引退した
スペイン人の元マフィアが所有する、
幻の古代ギリシャ彫刻〈踊るビーナス〉。
それぞれの方法でオサカナに近づく3人だったが、
そこに警察やインターポールの捜査の手が迫っていた…。

果たして、最後に笑うのは誰なのか!?
まったく先の読めない史上最大の騙し合いが始まる!!
そして、本当の〈英雄〉、最後の〈真実〉とは!?

【感想】
2018年のテレビドラマから続く人気シリーズ最新作。
この4年の間に映画も3本作られるって、
けっこうなハイペース。
とはいえ、テレビドラマから全部観てはいるものの、
個人的にはあまりハマれず。。。
それが、今回の映画は普通に面白かった!

◆4つの視点から描かれる騙し合いバトルが面白い

今までは、
ストーリーが進んでいって、
最後に時間を巻き戻し、
どこからが仕込みだったのかの
ネタばらしが始まるという構成。
もちろん、今作も大枠はその通り。
でも、今回の話は、
ダー子、ボクちゃん、リチャードによる、
「誰が最も稼げるか」を競い合うゲーム。
3人それぞれが協力者を得て
ターゲットに近づく流れなので、
基本別行動。
だから、『最後の決闘裁判』(2021)のように、
3人それぞれの視点で物語が展開していくのが、
これまでと違うところ。
その中で、ダー子のエピソードの裏側が、
ボクちゃんのエピソードでわかるというように、
「小さなネタばらし」があったのが、
飽きずに観れるいい工夫だと思った。

さらに、その3人だけでなく、
今作で彼らを追い詰める
"インターポールの狼"マルセル真梨邑(瀬戸康史)の視点が入っているのも、
この映画をさらに面白くする要因だったかな。
"敵側の視点"ってのはそれだけで興味をひくし、
瀬戸康史の敵役に徹した演技がすごくよかった。

◆コメディ要素控えめだったのが程よい

このシリーズって、
ダー子ありきっていう要素が強いのが特徴。
だから、彼女にハマらないと、
なかなか物語に入り込みづらいところがあった。
個人的には、
ちょっとやりすぎというか、
やや鬱陶しさを感じていた上に、
笑いのツボも違ったから、
それが今まであまりハマれなかった理由。

ところが、今回は視点が4つに分かれていたので、
ダー子一辺倒だった比重が分散されていたのがよかったのよ!
コメディ調ではあるけど、
いつもより控えめで、
シリアス寄りになっていたから、
ストーリーにも集中しやすかった。
先に書いた「小さなネタばらし」がある中で、
どこが「大きなネタばらし」になりうるのか、
あれこれ予想しながら観るのは楽しい。

◆スタアとジェシーへの配慮

『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(2019)より登場した
スタア(竹内結子)とジェシー(三浦春馬)。
残念なことに演じられたお二方が亡くなっているので、
本作への登場はないんだけれど、、、
彼女らを思わせるシーンがあるのは感慨深かった。
ネタバレになるので詳しくは書けないけど、
特にジェシーはね、
「生きてるんだなあ」って感じられたのがよかったよ。。。

◆そんなわけで

このシリーズは、過去作からの続投キャラはいるものの、
話としては基本1話完結型で進んできたので、
そこまで過去作と密接な繋がりがないのも気軽に観れるポイント。
この作品が初見だとしても、
面白さが半減することはないと思う。
むしろ自分としては、
それまでハマらなかったシリーズでも、
観続けていると面白さを見出せることもあるなと気づけた
いい作品だった!




新たな事実は浮上してくるも、なかなか決定打にならない『真犯人フラグ 真相編』

2022年01月17日 00時50分28秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位:3/7
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
ミステリー
サスペンス
スリラー

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
中堅の運送会社に勤務する相良凌介(西島秀俊)は、
妻と子供2人の4人家族。
ある雨の日、凌介が帰宅すると、
家には誰もいなかった。
家族の携帯に連絡してもつながらない。
3人で映画にでも行っているのだろうと、
気にも留めず友人の店に飲みに行く。

しかし、翌朝になっても家族は戻って来なかった。
家族の友人たちに当たるも、
誰も行方を知らず、
警察も家出だろうと取り合ってくれない。

困り果てた凌介は、大
学のサークルでいっしょだった河村(田中哲司)に相談。
彼は今最も売れている週刊誌「週刊追求」の編集長。
事件性を感じた河村は
「記事にすれば注目されて警察も動くかも」と、
週刊追求で記事にすることを提案。
戸惑いつつも、
凌介はその提案に乗る。

河村の手腕で、
真帆たちの失踪は事件として注目され、
凌介に同情の声が集まった。
しかし、あるSNSの投稿をキッカケに、
凌介は“悲劇の夫”から一転、“疑惑の夫”へ…!

愛する家族を取り戻すため、
“真犯人”と“世間の目”との闘いが始まる―――!!

【感想】
2クール連続のドラマなので、
これだけ現在12話まで来てる。
事件の真相に近づきつつあるも、
いまだに決定的な手がかりはなく、
まだ“点”が多く残っている感じ。

SNSの情報だけを鵜呑みにすることの怖さ、
一度ついたレッテルがなかなか剥がれないことの怖さは、
どんどん大きくなっていくけどね。

『あな番』との世界観共有は、
昨年映画があったことの宣伝を兼ねていただけで、
特にユニバースみたいにはなってなさそうなのが、
少し残念(笑)


日曜劇場史上最も戦隊ヒーローキャストが集まっていた『DCU Deep Crime Unit 〜手錠を持ったダイバー〜』(第1話)

2022年01月17日 00時11分09秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):2/6
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
ミステリードラマ
刑事ドラマ
ダイビング

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
2022年、海上保安庁に「潜水特殊捜査隊」、
通称「DCU」が発足した。
DCU設立の目的は、
島国である日本において、
海や河川で発生する事件の解決や、
水際からやってくるテロなどからの防衛。
いわば、水際捜査に特化したエキスパート集団だ。

隊長となったのは、
50歳を迎えた新名正義(阿部寛)。
メンバーには海保のエリート・西野斗真(高橋光臣)、
女性初の潜水士となった成合隆子(中村アン)らがいた。
そして、過去に水難事件で新名に命を救われた瀬能陽生(横浜流星)の姿も。
DCUは海上・水中だけではなく、
陸上の捜査権限も与えられることになったのだが、
そのことが警察関係者との間に溝を生んでいた。

そんなDCUが発足と同時に捜査に向かったのは、
群馬県のダム湖。
数日前に上陸した大型台風によりダム湖内の水流が変わり、
ある人物の頭骸骨の破片が発見されたのだ。
警察には手が出せない水深100メートルという
ダム湖の水底を新名たちが潜水捜査すると、
そこには思いもよらない景色が広がっていた。

容疑者として名前が挙がったのは、
建設会社の社長で社長就任以前は
ダム事業を担当していた小山内正一(中村芝翫)、
その秘書でどこか陰のある若林朱里(高梨臨)、
会社の金を使い込んだことが発覚し、
ロシア出張時に失踪して現在も行方不明の野田浩正(宮野真守)。
ダム建設に関わっていた疑惑の3人、
そして隠された事実とは…。

【感想】
最近の日曜劇場は、
新しい組織が発足しがち。
「TOKYO MER」とか(笑)

今回焦点が当たっているのは、
海上保安庁内に発足した、
水際捜査のエキスパート集団である
DCUという架空の組織。
一体何をやるんだろうと疑問に感じていたけど、
普通に事件の捜査でした。
なので、話としては刑事ドラマの範疇に入るかな。
ただ、潜水が必要なぐらい、
深い水の中が舞台になるんだけど。

こんなクソ寒い時期に、
水際のロケがあることも大変だなと思いつつ、
その壮大な光景は見ごたえある。
新名と瀬能の過去も何やらありそうだし、
今まで観た今季のドラマの中では
『ミステリと言う勿れ』に次いで期待できそう。

なお、個人的には第1話のキャスト陣がとてもエモかった。
まず、野田の父親役で出ていた誠直也。
この方は『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975)で
アカレンジャーを演じていたんだ。
そういう意味では、
高橋光臣は『轟轟戦隊ボウケンジャー』(2006)で
ボウケンレッドを。
高梨臨は『侍戦隊シンケンジャー』(2009)で
シンケンピンクを。
横浜流星は『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014)で
トッキュウ4号を演じていたので、
第1話における戦隊ヒーローの割合高いなって思った(笑)

ちなみに、実際はドラマのように、
海上保安庁が海と関係のない事件の捜査に当たることはないそう。

 

殺人容疑をかけられた医者が逃げる先々で人々を助ける『逃亡医F』(第1話)

2022年01月16日 00時17分42秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):5/5
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
サスペンス
医療ドラマ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・漫画
 伊月慶悟(原作)・佐藤マコト(作画)『逃亡医F』(2007-2008)

【あらすじ】
天才的なオペ技術を持つ
帝都医大の脳外科医・藤木圭介(成田凌)。
前途洋々な未来が待っていたはずの藤木はその日、
同僚で恋人の研究医・八神妙子(桜庭ななみ)を
病院の屋上から突き落として殺害したという
“無実の罪(冤罪)”を着せられ、
天才医師から一転、
警察に追われる殺人犯へと転落する……。

愛する人を殺した真犯人を突き止め、
復讐するため、
金も地位も名前も捨てて決死の逃亡を図る。
ただ一つ捨てられなかった"医手一律"の精神を胸に――。

追手が迫りくる中、
逃亡の先々で医師の手を必要とする弱者の存在。
そのとき、彼は動く。
ただ目の前の命を助けるために――。

【感想】
原作漫画は未読。
斬新な設定の医療ドラマ。
医療モノだけど、
舞台は病院じゃない。
主人公は恋人殺しの容疑をかけられ、
逃げ惑う日々。
その逃亡先で事故が起こり、
助けを求める人が。
そこで振るわれる天才脳外科医の手腕。
今日も船という限られた場所で、
腕の切断と縫合のオペをやってのける。
もはや出張オペ状態。

でも、彼の本当の目的は人助けではなく、
恋人を殺した真犯人を突き止めること。
まさに、医療×サスペンスのミックスジャンル。
第1話だけだと、
まだ謎が多くて面白さがわからないけど、
今後の展開に期待かなー。
 

昔はすごかったじーさんと不良少年のロードムービー『クライ・マッチョ』

2022年01月15日 23時28分44秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:4/5
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
ロードムービー
ヒューマンドラマ

【原作・過去作、元になった出来事】
・小説
 N・リチャード・ナッシュ『クライ・マッチョ』(1971)

【あらすじ】
アメリカ、テキサス。
ロデオ界のスターだったマイク(クリント・イーストウッド)は、
落馬事故以来、
数々の試練を乗り越えながら、
孤独な独り暮らしを送っていた。

そんなある日、元雇い主から、
別れた妻に引き取られている
十代の息子ラフォ(エドゥアルド・ミネット)を
メキシコから連れ戻してくれと依頼される。
犯罪スレスレの誘拐の仕事。
それでも、元雇い主に恩義があるマイクは引き受けた。

男遊びに夢中な母に愛想を尽かし、
闘鶏用のニワトリとストリートで生きていたラフォは、
マイクと共に米国境への旅を始める。
そんな彼らに迫るメキシコ警察や、
ラフォの母が放った追手。
先に進むべきか、留まるべきか?

今、マイクは少年と共に、
人生の岐路に立たされる―― 。

【感想】
クリント・イーストウッド監督デビュー50周年記念作品。
91歳にして監督も主演もこなす
この創作意欲は見習いたいよね。
俳優としても監督としても成功している人って、
ハリウッドでもそうはいないだろうし。

◆雰囲気寄りの映画

個人的には、
クリント・イーストウッド監督作品の多くをそう感じるのだけど、、、
雰囲気なんだよね(笑)
今回も話自体はジジイと不良少年のロードムービーというシンプルさ。
淡々と進んでいき、
ドラマチックな展開というのはない。
降りかかるピンチも偶然で乗り切り、
敵が面白いぐらいに弱い。

ただ、それをキャリア67年の、
業界の酸いも甘いも知った
クリント・イーストウッドがやるから味が出る。
彼がカウボーイの帽子を被って馬に乗ったり、
車に乗ったりするだけで、
極上の画になるのよ。
彼を昔から知ってるファンには
たまらないんだろうなというのが伝わってくる。

だから、不良少年を父親の元に送り届けるミッションのはずなのに、
途中立ち寄った村でのロマンスに
だんだん比重が置かれてしまう謎設定も、
なんか許せちゃう。
まあ、人生は偶然の連続というメッセージとも取れなくもないけど(笑)

◆重みのあるセリフ

そんなクリント・イーストウッドだからこそ、
放つセリフにも説得力があるのよー。
「人は自分を強く見せたがる。
 でも、老いと共に自分が無知であることを思い知る」
というのは、役だけでなく、
現実に90年以上生きてきた中で
実感したことなのかもなあなんて思うと感慨深い。
彼の作品には、
彼がこれまでの人生で感じてきたことを、
後世に伝えるように、
また自分で振り返るように、
セリフとして使われている気がする。

◆そんなわけで

この歳になってもまだ、
監督と主演も行うクリント・イーストウッドの生き様はとても刺激になる。
人はいくつになっても輝けるということを体現しているから。

ちなみに、若い頃の彼はさらにバチクソかっこいいので、
『荒野の用心棒』(1964)なんかは特に観て欲しい!


ラグジュアリーなお家騒動『ハウス・オブ・グッチ』

2022年01月15日 01時45分55秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:3/4
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
伝記
ファッション

【原作・過去作、元になった出来事】
・ノンフィクション
 サラ・ゲイ・フォーデン『ザ・ハウス・オブ・グッチ』(2001)

【あらすじ】
貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)。
彼女は、イタリアで最も裕福で格式高い
グッチ家の後継者の1人である
マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)をその知性と美貌で魅了し、
やがて結婚する。

しかし、次第に彼女は一族の権力争いまで操り、
強大なファッションブランドを支配しようとする。
順風満帆だった2人の結婚生活に陰りが見え始めたとき、
パトリツィアは破滅的な結果を招く危険な道を歩み始める…。

【感想】
世界的なブランド、グッチの創業家にまつわる映画。
ただ、創業者のグッチオ・グッチが
いかにしてブランドを作り上げたかという話ではない。
その子供や孫たちのすったもんだがメイン。

◆最初に整理しておきたい登場人物

登場人物が多い上に、
みんな同じグッチだからちょっとややこしい。
最初に誰が出てくるかを簡単に知っておいた方がいいかも。
まず、映画には出てこないけど、
創業者はグッチオ・グッチ。
その子供がロドルフォ・グッチ(ジェレミー・アイアンズ)と
アルド・グッチ(アル・パチーノ)。
で、ロドルフォの子供がマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)で、
アルドの子供がパオロ・グッチ(ジャレッド・レト)。
なので、この2人はいとこ同士。
そのマウリツィオを誘惑して、
グッチ家に取り入ったのが、
今回の主人公であるパトリツィア・レッジアーニ(レディー・ガガ)。

◆パトリツィアの猛プッシュはまさにライオン

パトリツィアは貧しい家庭で育ったせいか、
玉の輿を狙っていたんだろうね。
パーティーで出会ったときからすごいのよ、
マウリツィオへのプッシュが。
日本の映画やドラマだと、
かわいこぶりっ子みたいなキャラが、
お目当ての男の子に猛プッシュするシーンが多いと思う。
けれど、洋画だとそういうぶりっ子っていないんだよね。
今回のパトリツィアもそうだけど、
自信と野心に満ち溢れた感じで、
「私といないと損するよ?」ぐらいの勢いだから、
圧倒されちゃう。
実際、出会った当初のマウリツィオは、
ボンボンの優しいお兄さんだったから、
グイグイ来るパトリツィアに完全にペース持っていかれてたし。
セックスシーンとか笑っちゃったよ。
ここは闘技場かな?って感じだから(笑)

◆グッチ家の運命を変えるパトリツィアの野心

グッチ家に入ってからのパトリツィアは、
もうやりたい放題。
我が物顔でふんぞり返り、
マウリツィオをそそのかして、
どんどんグッチ家の人たちを経営の座から追いやっちゃうから。
「おまえグッチ家の人間じゃないじゃん」
って思うんだけど、
彼女からしたら結婚して家族になった時点で、
自分もグッチ家って認識なんだよね。
「戸籍上はそうだけど血は違うんじゃんか」って思って、
僕はまったく共感できなかったけど(笑)

ただ、やっぱり育ちっていうのはちょいちょい出るんだよ。
マウリツィオと付き合い始めたばかりの頃に、
ロドルフォともお茶をしているんだけど、
そこでの会話の盛り上がらなさとか。
後半、マウリツィオの友人たちと会ったときに、
何かとマウンティングしちゃうところとか。
観ているこっちが「あちゃー」って感じるぐらいには、
会話に温度差があるのが伝わってきた。

◆ストーリー自体は普通

そんなパトリツィアの暴走っぷりが
楽しめる映画ではあるんだけど、
ゆーてもお家騒動だからね。
グッチっていう世界的ブランドの創業家
ってことで注目はされているけど、
お話自体はシンプルかつポピュラー。
あくまでも家庭内トラブルの話なので、
煌びやかな雰囲気はほとんどない。
それでいて、尺が159分とちょっと長めなので、
人によっては少し退屈に感じてしまうかも。

◆そんなわけで

トム・フォードやカール・ラガーフェルド、
アナ・ウィンターなど、
ファッション好きならピンとくる人物も出ている本作。
そういうファッション要素が好きなら、
楽しめる部分は多いかもしれない。

 

夢や希望を失ったサラリーマンが再び自分を変えるチャンスに出会う『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(第1話)

2022年01月13日 00時26分28秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):2/4
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
コメディ
ビジネス
レストラン経営

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
高梨雛子(高畑充希)は、
飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し続けるスタートアップ企業、
「リレーション・ゲート」の社長秘書。
社長の浅海(松田翔太)はカリスマ性のある男だが、
直感で動く彼の“ムチャブリ”に、
雛子は振り回されてばかり。

そんなある日、
いつものように浅海から突然の電話が入る。
社内で募っていた新規事業の企画に、
雛子も応募しろというのだ。
いつものムチャブリに雛子はヤケクソで、
数年前に出した企画書の年号を
平成から令和に書き換えただけで提出する。
すると、困ったことに企画は採用され、
雛子は何の前ふりもなく、
子会社設立の記者会見の場で、
突然社長に任命されてしまう!

右も左もわからないまま、
浅海が買い取った創業50年の老舗フレンチレストランを、
1ヵ月でリニューアルするよう命じられる雛子。
果たして、その行く末は……。

【感想】
突然社長になる話というから、
てっきりIT系の会社かと思いきや。
まさかのレストランの立て直しっていう。

レストラン系のドラマはこれまでにもたくさんあったけど、
主人公はシェフだったりオーナーってのが多かった。
今回はレストランの運営会社の社長という、
ちょっと現場からは遠いポジションっていうのが差別化なのかな。

そんな雛子は、
世の中のアラサーの最大公約数的なキャラクター。
若い頃はやる気に満ち溢れていたものの、
気づけば目の前の仕事をこなすだけになり、
自分の意志もない。
事なかれ主義で、
人に合わせることだけがうまくなった。
このままではいけないと思いつつも、
どうしたらいいかわからない。
でももういい歳だし、
別にしょうがないか~とモヤモヤを抱えている。
今さら社長になったって、
何も変わらねぇよって。

第1話では、
最初折が合わなかったシェフが協力してくれることで、
ちょっとやる気になっていた。
自分ひとりでやれっていうと
どうしたらいいかわからなくなるけど、
ひとりでもいっしょにやってくれる人がいると、
途端にやる気が出てくるっていうのはわかる。

ここからどうやって社長業をこなしていくのか、
雛子の成長譚が期待できるドラマかな。
多分、「人はいつでもどこからでも変われる」
っていうメッセージになるんじゃないかと思うけど。
ただ、雛子はどうも過去に高畑充希が演じた
カホコやサクラとかぶって見えてしまうところがある。
あのあたふた感が特に(笑)

あと、浅海が言っていた
「社長の仕事は決断することだよ」
っていうセリフ、
どこかで聞いたことあるような(笑)


世の中のすべての母親に捧げたい『こんにちは、私のお母さん』

2022年01月12日 20時36分17秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:2/3
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【ジャンル】
コメディ
感動
タイムスリップ

【原作・過去作、元になった出来事】
・李焕英(人物)
 本作の監督・脚本・主演を務めたジア・リンの母親

【あらすじ】
明るく元気な高校生ジア・シャオリン(ジア・リン)と
優しい母リ・ホワンイン(チャン・シャオフェイ)は大の仲良し。
ジアの大学合格祝賀会を終え、
二人乗りした自転車で家に帰る途中、
交通事故に巻き込まれてしまう。

病院で意識のない母を見てジアは泣き続け、
そして気がつくと…
20年前の1981年にタイムスリップしていた!
独身の若かりし母と“再会”したジアは、
最愛の母に苦労ばかりかけてきたことを心から悔やみ、
今こそ親孝行するチャンスだと奮起。
自分が生まれなくなっても構わない。
母の夢を叶え、
幸せな人生を築いてもらうことが、
娘としてできる「贈り物」なのだ!

だが、やがてジアは“ある真実”に気づく……。

【感想】
泣いた。
体中の水分が全部目から出ちゃうぐらいに泣いた。
監督のジア・リンが、
自身の母との実話を元に脚本と主演も務めた本作。
中国では2021年の最高興行収入かつ、
女性単独監督の最高興行収入を記録したそうだ。
すべての母親と娘に観て欲しい。

◆いろんな要素が詰まったミックスジャンル

この映画は母親との思い出と愛に満ちている。
実際、監督の母親も48歳の若さで亡くなったそうだけど、
自分にとって母親がどれだけ大きい存在だったかを
噛みしめて出来上がった映画だと感じる。

ただ、情報量は多い(笑)
まず、交通事故をきっかけに突然のタイムスリップ。
そこで出会う若かりし頃の母親。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
を彷彿とさせる展開に懐かしさを感じる。

そして、母親の人生の分かれ道となった
社内バレーボール大会。
メンバー集めに奔走し、
ライバルチームとのガチンコバトルは、
まさに熱血スポ根ドラマ。
さっきのタイムスリップからきたSF感からは
想像もできない展開(笑)

そして、ジアと母親の親子愛。
ジアはずっと母親に迷惑ばかりかけていたから、
ここぞとばかりに親孝行しようとするんだよ。
その健気さがまた心温まる。

◆感動は万国共通でも、笑いはその国特有

上記で書いたようなことを、
コメディタッチで仕上げているのが、
この映画の特徴。
なんだけど、笑いのツボが日本とはちょっと違うところもある(笑)
面白いっちゃ面白いし、
笑うところだなってのもわかるんだけど、
僕は爆笑とまではいかず。
まわりで爆笑していたお客さんは、
もしかしたら中国の方かもしれない。
まあ、これはハリウッド映画を観ていてもよくあることだけど。

だからか、間延びっていうわけじゃないんだけど、
そこまで笑えないところに関しては、
シーンの体感時間がちょっと長く感じられる部分もあった。

とはいえ、そういうコメディ要素があればあるほど、
感動はより一層強くなるもの。
終盤、"ある事実"を知ってからがもう、、、
涙が洪水のように溢れてきちゃって。
マスクびちゃびちゃ。
ここはもう国の文化なんて関係なく、
万国共通で泣けるところじゃないかな。

ふと思ったけど、
結局、感動する要素って、
あまり国によって変わらない気がする。
多いのは犠牲や死など、
"別れ"の属性を持つ行為だよね。
これはどの国の映画でも泣けるテイストになっているかと。

◆母と子

世界で最も偉大な女性は、
母親なのかもしれない。
昨年、『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』
を観たときも言ってたんだよ。
親が親であるがゆえに提供できるものは、
"無償の愛"だって。
それを強く強く感じられる映画でした。
だから、2つの視点で楽しめるんだよね。
自分の母親のことを思い出しながら。
または、親として自分の子供のことを考えながら。

◆そんなわけで

母と子の大きな愛情を感じられるこの映画。
エンドクレジット前に、
監督の母親の思い出が語られるのも、
彼女の母に対する愛を感じられるところ。
母親をもっと大事にしようと思えるし、
子供がいる人は、
子供に何を求めるかを改めて考える機会になるかもしれない。
本当に観てよかったので、
ぜひオススメしたい。
とりあえず、ハンカチは持って行った方がいいです。

 

『神様、もう少しだけ』みたいな関係性を思い出してしまう『ファイトソング』(第1話)

2022年01月11日 23時52分08秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):2/3
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
ラブストーリー

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
空手の日本代表を目指すも、
突然遭った交通事故によってその夢を絶たれてしまった木皿花枝(清原果耶)。
すべてを失い、
人生どん底・・・無気力でぐだぐだした毎日を送っていたが、
幼馴染の夏川慎吾(菊池風磨)が経営するハウスクリーニングで
バイトとして働くことに。

そんなある日、
かつて1曲だけヒットを出したが、
今や落ちぶれたミュージシャン・芦田春樹(間宮祥太朗)の家に
客先として訪問することになる。
芦田は事務所から、
残り2ヶ月でヒット曲を出さなければクビだと宣告され、
窮地に立たされていた。

今まで空手一筋で恋もしたことがなかった花枝と、
「人の心が分からないから良い曲が書けない」
と追い込まれている芦田。
そんな崖っぷちの2人がひょんなことから出会いを果たし…。

【感想】
芦田の「今や落ちぶれミュージシャン」という設定。
ヒロインが若い女の子。
この時点で『神様、もう少しだけ』を彷彿とさせる(笑)
まあ、あそこまで時事性はなさそうだけど。

ここから、若者たちの三角関係が
いろいろあるんだろうなとは思うものの、
今日は導入でしかないので、
ほとんど動きがなく(笑)

ただ、第1話時点でわかった重要なこと。
それは、「ヒロインの耳が聞こえなくなるかもしれない」ということ。

歌が主軸になっている話だけあって、
耳が聞こえなくなる展開になるとしたら、
涙を誘うことを期待させるけど、
果たしてどうなるか。


クリント・バートンのけじめと、ケイト・ビショップの未来、まさかのキャラクター参戦に興奮する『ホークアイ』

2022年01月11日 20時54分46秒 | ドラマ

【個人的な評価】
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【ジャンル】
マーベル
スーパーヒーロー
アクション
アベンジャーズ

【あらすじ】
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の壮絶な戦いの後、
人類を救ったものの、
大事な親友であるブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)を始め、
仲間を失ったホークアイ(ジェレミー・レナー)。

喪失感を抱えながらも、
ようやく平穏な日々を取り戻しつつあった彼の唯一の望みは、
アベンジャーズを辞めて
家族と一緒にクリスマスを穏やかに過ごすこと。

しかし、彼の秘めていた過去、
闇の世界の暗殺者”ローニン”の存在がきっかけとなり、
事件に巻き込まれていく。

一方、幼い頃からホークアイに憧れてヒーローを目指し、
弓の達人となった22歳のケイト・ビショップ(ヘイリー・スタインフェルド)。
ホークアイはある事件をきっかけにケイトと出会い、
半ば巻き込まれるような形で
事件の渦中にあるケイトに協力することとなり、
やがて強大な敵に2人で立ち向かっていく。

【感想】
昨年は映画を観まくってたこともあり、
唯一、年内に鑑賞しきれなかった作品(笑)

よかった。。。
これまであまりフォーカスされて来なかったホークアイに、
ここまでのドラマが展開されるなんて。。。

◆ホークアイの大きな前進

今回のドラマはホークアイの過去が大きく関わっていた。
それが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
のときに暗躍していた“ローニン”。
そのときの衣装と刀が闇オークションに出されていたことから、
またもや戦いに身を投じるハメに。

今は家族との時間を大事にするようになったホークアイ。
そんな彼がケイトとの出会いを通じて、
それまで目を背けていた現実と向き合い、
後身の育成をしてきたのは、
大きな歩みだった。

このドラマには、
ナターシャの妹であるエレーナ(フローレンス・ピュー)も登場。
実は、彼女もサノスの指パッチンで消えていたことが
この作品で明らかになるんだけど、
消えた人が5年経って復活するのは、
彼女らにとっては5秒ほどの出来事だったというのも、
本作で初めてわかる。

エレーナはホークアイの暗殺依頼を受けると同時に、
ナターシャが死んだのはホークアイのせいという復讐心もあって、
彼の元にやって来る。
でも、それがきっかけで、
彼がナターシャの死についてけじめをつけられたのも、
きちんとピリオドを打てた感じがしてスッキリできた。
そこらへん、ブラック・ウィドウの後日譚のようでもあったな。

◆ケイト・ビショップの爽快感

ケイトは幼い頃、『アベンジャーズ』(2012)で、
チタウリたちが攻めてきたときに、
超人でも何でもないホークアイが戦う姿を見て、
彼に憧れた。

もともとあらゆる武術に精通している彼女だけど、
慎重に事を進めるホークアイと違い、
大胆な行動で彼を振り回す姿に、
若さとバイタリティからくる爽快感を感じられたのがよかった。
戦闘能力もホークアイに引けを取らず、
最終話の大乱闘のシーンでの活躍はかっこよかった!
弓がメインだけど、
様々な機能のついた“トリック・アロー”を駆使することで、
ド派手なバトルに仕上がってるのも興奮!

◆またまた世界が広がるキャラクターの登場

今回の黒幕はかの有名なヴィラン。
原作コミックを読んでいなくても、
『Marvel's Spider-Man』のゲームで遊んだ人はわかるかと!
スパイダーマンを苦しめたアイツなのだ。
どうやらデアデビルにも関わっているそうな。

さらに、ホークアイの暗殺を指示したのはその黒幕なんだけど、
『ブラック・ウィドウ』(2021)で
エレーナにホークアイの写真を見せたのは、
ヴァル(ジュリア・ルイス=ドレイファス)。
ということは、この両者は繋がっている?!

そして、ホークアイの妻に関する設定。。。
無限に広がる世界観に期待と興奮しかない!

◆そんなわけで

ホークアイにまつわる様々な"しこり"を解消した本作。
予想外に深い人間ドラマがとても楽しめた。
最終話では、『ロジャース・ザ・ミュージカル』
のロングバージョンも観れるので、
ぜひ鑑賞してみて欲しい!



主人公が淡々と正論をぶちかましてくるのが面白い『ミステリと言う勿れ』(第1話)

2022年01月11日 00時17分33秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):1/2👑
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【ジャンル】
ミステリー
推理ドラマ

【元になった出来事や原作・過去作など】
・漫画
 田村由美『ミステリと言う勿れ』(2016-)

【あらすじ】
秋も深まるとある日、
自宅で大好物のカレー作りをしている
大学生・久能整(菅田将暉)の元に刑事がやってきた。
近所の公園で殺人事件があり、
遺体で発見されたのは整の大学の同級生だという。
どうやら警察は整に疑いの目を向けているようで、
任意同行を求められてしまう。

取り調べ室で事情聴取が行われるが、
話が脱線しがちな上、
警察の矛盾点をズバズバと突いてくる、
一筋縄ではいかない整に刑事たちは振り回される。
中には妻との不仲について悩んでいることを整に言い当てられ、
悩み相談をしてしまう者までいる始末。

しかし、事件の捜査上でついに、
整の指紋が付いた凶器が発見されてしまうのだが…。

【感想】
これは面白い!
木曜日の『ゴシップ』に近い流れではある。
事件があって、捜査して、
真相を知って涙ちょちょ切れる的な。
でも、主人公である整のキャラクターが魅力的だから、
それだけでより一層面白く感じる。

とにかく淡々と正論をぶつけてくるのよ。
ただ、同時に物事の視野を広く持つことの
大切さも教えてくれるのがよくて。
人は何かと"決めつけて"考えがちだけど、
確定情報がない以上、
あらゆる可能性が考えられることを彼はしれっと言う。

今日だって、
被害者の自宅から、
イニシャルと金額が書かれたメモが見つかった。
「誰に金を貸したか」とも捉えられるし、
「誰にカツアゲされたか」とも捉えられる。
そういうことを、警察でも何でもないただの大学生が淡々と言い放つ。
集中して聞いちゃうんだよね、
彼の言葉。
「そういう考え方も確かにあるな」って。
それに翻弄されてしまう警察もどうかとは思うけど、
結果、事件解決に繋がっている。
その爽快感がよかった。

あと、BGMがクラシック音楽ばかりなのも、
耳障りがいい(笑)

原作漫画は読んでないけど、
久しぶりにハマれそうな月9。


主人公が綾波レイみたいな雰囲気だった『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(第1話)

2022年01月09日 21時55分10秒 | ドラマ

【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位(第1話):1/1👑
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【ジャンル】
サスペンス
ヒューマンドラマ
ネットニュース

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
大手出版社『クスノキ出版』の経理部に所属する瀬古凛々子(黒木華)は、
他人の気持ちを理解したり、
場の空気を読んだりすることは苦手。
しかし、この世界や他者を知りたいという欲求は強く、
優れた洞察力を生かして
ちょっとした矛盾や誤りを見抜く能力に長けている。

そんな凛々子の能力を認め、
彼女の協力で同期のライバルを蹴落として
執行役員となった仁和正樹(安藤政信)は、
凛々子にある仕事を命じる。
それは、クスノキ出版が運営するニュースサイト
『カンフルNEWS』の立て直しだった。

『カンフルNEWS』は、
他社のニュースやブログ記事のコメントをコピペしただけの
“コタツ記事”ばかりを発信しており、
PVは月間50万程度、
広告もろくにつかないというお荷物部署状態だった。

凛々子は、月間5000万PVという目標を掲げ、
そのために「ゴシップで攻める」という戦略を立てるが……。

【感想】
2022年一発目のドラマ。
人付き合いは苦手だが、
優れた洞察力を持つ主人公が、
ニュースサイトの立て直しのために、
ゴシップネタで攻めるというドラマ。

第1話では、ゴシップの元ネタを追うサスペンス感と、
真相がわかった後の心温まる話から得られる
ヒューマンドラマ感を楽しめる。
けど、連ドラとしては特に目新しい設定はないかな(笑)
ニュースサイトの編集部っていうところで、
とても現代的な感じはするけど。

個人的には、あのまま経理部所属で、
経理の観点から会社の闇を暴いていく流れの方が
面白かったんじゃないかなって思う。
まあ、それだとNHKでやってた
『これは経費で落ちません!』
と同じになっちゃうか(笑)

それにしても、凛々子の雰囲気や話し方が、
『エヴァ』の綾波レイみたいだなと思ったのは、
僕だけだろうか。。。

 

主人公の板挟みされる立場に同情する人が多そうな『決戦は日曜日』

2022年01月09日 19時19分01秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:2/2
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【ジャンル】
コメディ
政治

【原作・過去作、元になった出来事】
なし

【あらすじ】
とある地方都市。
谷村勉(窪田正孝)はこの地に強い地盤を持ち、
当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。
秘書として経験も積んで中堅となり、
仕事に特別熱い思いはないが、
暮らしていくには満足な仕事と思っていた。

ところがある日、
川島が病に倒れてしまう。
そんなタイミングで衆議院が解散。
後継候補として白羽の矢が立ったのは、
川島の娘・有美(宮沢りえ)。
谷村は有美の補佐役として業務にあたることになったが、
自由奔放、世間知らず、
だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々…。

でもまあ、父・川島の地盤は盤石。
よほどのことがない限り当選は確実…だったのだが、
政界に蔓延る古くからの慣習に納得できない有美はある行動を起こす――
それは選挙に落ちること!

前代未聞の選挙戦の行方は?

【感想】
新年一発目の邦画。
「選挙に落ちる」ことが目的という、
普通とは真逆の設定が面白かった。

◆板挟みの谷村に同情

突然選挙に出ることになった有美。
彼女の自由奔放さと世間知らずっぷりは凄まじい。
記者会見で“各々”を“かくかく”と読む。
失礼な配信者に殴る蹴るの暴行を加える。
後援会の人に「やりたくないならやめれば?」と言い放つ。
そんなぶっ飛んだ彼女の言動が笑えるのもポイントではある。

でも、一番キャラクターとして印象深いのは、
その補佐役の谷村だ。
型破りな有美に振り回され、
方々に頭を下げっぱなし。
有美からは「私の何がいけないの?!」と反省の色はなく、
後援会の人からは「ちゃんと教育しろよ!」と怒られる日々。
そんな人たちに対して、
波風を立てず、
それでいてきちんと伝わるような、
典型的な日本人らしい遠回しな言い方を
連発しているところは笑えた(笑)

◆選挙活動の大変さが伝わってくる

この映画を観ると、
選挙活動の裏側も知れたりして、
ちょっとは勉強になる。
ただ、それを見て思うのは、
ただただめんどくさそうだなと(笑)
自分の言動もひとつひとつ気をつける必要があるのは当然。
過去の問題行動まで引っ張り出されることもある。
関わる人が多いから、
挨拶や謝罪などの機会もたくさん。
さらには、自分とは関係ない、
父親の不祥事や利権を狙う連中らに気を揉むことも。
自分の意志とは関係ないことも多々あって、
これは大変すぎると思った。。。

◆「そういうもんだから」への警笛

上記のようなことを
面白おかしく描いたのがこの映画のいいところ。
でも、作品のメッセージとしては
今の日本に対する危機感を思わせるところもあった。
それが、「そういうもんだから」だ。

事務局で働く谷村たちも、
けっこう「そういうもんだから」という言葉で、
何の疑問も持たずに事を進めることがある。
有美は好き勝手暴れながらも、
そういった部分は変えていくべきだと
主張はしていたんだよね。

谷村自身は
事なかれ主義みたいなところがあるんだけど、
彼自身ももはや古いシステムに
どっぷり浸かってる側だから、
何が悪いのかもわからないのよ。
その事実を、
古いコーヒーメーカーから作られた
コーヒーを飲んで気づくシーンは、
けっこう印象的だった。

これは選挙活動だけじゃなくて、
他のところにも通ずる話だと思う。
例えば、大きな会社で働いている人なんかは、
すでに出来上がってしまったシステムに慣れてしまい、
改善すべき点があるのに、
それにすら気づかないっていうケースもあるんじゃないかな。

◆そんなわけで

爆笑というよりは、
クスッと笑える要素を散りばめたコメディ作品で、
面白い設定の映画ではある。
ただ、全体的にまったりした雰囲気なのと、
笑いも「あるある」への共感からくる笑いなので、
ちょっと地味だったかなーという印象。
もう少しドタバタ感があった方が
個人的にはもっと楽しめたかも。