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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

老後2000万円問題と消費税(767)

2019-09-27 22:48:55 | 今日の話題
日本人は民族的に節約防御体質である。ヨーロッパ人などのように「冒険大好き人種」とは遺伝子が違うのだろう。だからお金が足らなくなれば、買いたい物も我慢して出費を抑えてバランスを取ろうとする。「欲しがりません、勝つまでは精神」だ。これ、いにしえの時代から日本人に備わった「民族自衛の本能」である。その節約防御体質を突然覚醒させ、分厚い甲羅の中にひっそりと閉じこもらせるような恐怖のどん底に人々を陥れたのが、金融省の「2000万円不足する」報告問題である。

私は元々年金だけじゃ生活できないと思っていて、それなりに資産を確保するよう努力していたので驚きはなかったが、贅沢しなければ「年金だけで暮らしていける」と思い込んでいた人達にとっては、まさに寝耳に水の衝撃である。あっという間に怨嗟の声が日本国中に溢れた結果、財務大臣が「諮問を受け取らずに突っ返した」という前代未聞の対応に出たから麻生と言う人間は「驚くべきバカ」なのではないだろうか。

金融省のタンス預金活性化という考えも幼稚だが、それを非難した世論に「老後の実体と年金の役割」を正しく伝える努力をあっさり放棄して、すべてなかったことにする安倍政権の隠蔽体質は「最悪の為政者」である。「都合の悪いことは国民に黙っていよう」というやり方は、知らないうちに「国の経済がとんでもなく悪化している」ことにもなりかねない。そうなった時には遅いのである(というか、もうなっているという人もいる)。だが現状・実体を国民にそのまま教えた場合、例えば「ガンの告知」が最後通告と受け取るような人にとっては、その一言で自分の未来は終わったようにも感じて、治るものも治らないという「逆効果」になりかねないのだ。日本人はそうなりやすい体質である。

その節約防御体制に生活の舵を切ったところに持ってきて「印象の悪い消費税アップ」である。もう、資産形成どころではなくなってきた。今朝の羽鳥ワイドショーでは、ゲストの何とかさんの「日本経済壊滅発言」が飛び出している。年金不安で出費を抑える上に、消費税アップが追い打ちを掛けて、元々低迷している経済・景気を「一気に大減速させる稀代の悪法」と顔を真っ赤にして怒りを露わにしていた。私は老後の生活を「年金と貯金」で賄う計算だから、別に今更どうってことは無いのだが、これで景気がどんどん悪くなってくると「肝心の社会保障が崩壊する」ということも有り得ると危惧している。そこで年金を含めた「老後のお金をどう考えるか」について、防御体質の日本人に1つ提案したいと思う。

1、子供のうちから「人生とは、自分のやりたいことをやるためのもの」と考える習慣をつける
よく何になりたいというような「職業の選択」を人生設計と勘違いする人がいるが、職業は「自分のやりたいこと」ではない。職業を目標にすると「その仕事に就いたことで本来の目標」を見失ってしまう。本来はやりたいことをやる「ための」職業である。だから違う職業の方が達成し易いと感じれば、さっさと職業を変えればいいのである。目標は明確にする方が実現しやすい。

2、やりたいことをやらせてくれる職業がなければ、自分で起業する
日本の教育は、一貫して従順な労働者を育てることを目標としている。新しいことにチャレンジするような起業家精神は、海外の事情を比較しても「少ない」ように思う。それは子供の時からの教育が間違っているからである。新しい価値の創造にチャレンジしてもし失敗したら、それで人生が破綻してしまっては元も子もない。チャレンジ精神を萎縮させないためにも、救済システムがキチンと機能する必要があるのだ。今の日本はチャレンジして失敗した者をダメな人として社会から排除し、安全な差し障りのない仕事に専念する労働者を「成功者」と持ち上げる社会である。これでは社会に閉塞感を与えるだけでは無いだろうか。これが逆に、社会が失敗者に大して「再起の機会を与える」仕組みになっていれば、自分も何か新しいことにチャレンジしてみようという気にもなる、というものである。勿論何でもかんでも起業すればいいというものではない。だが起業家精神を育む風土がそもそも社会になければ、その社会は「衰退する」しかないだろう。

3、ではその失敗を許すシステムとは
起業家が山のように出てきて、失敗するものがわんさか増えると、失敗による損失を誰かが補填しなくてはならない。その「失敗してもまたチャレンジする費用」はどこから捻出するか。今であればクラウド・ファンディングとかの仕組みを利用することも考えられる。一つの仕組みとしては、失敗して背負った借金を「チャラにする」法律を作ることである。勿論、中には嘘を付く悪人もいるから調べることは当然だが、何より「起業する元手」が必要だ。この費用をどうするか、である。その解決策は、最後に書くとしよう。

4、一方、やりたいことがやれる社会なら、無用な「金のかかる贅沢」はそれ程魅力がなくなってくる。人生で一番楽しいのは、やりたいことをやって「社会に貢献する」ことである。その結果として幸せな老後を送れるとすれば、素敵な人生だったと言えるでのではないだろうか。良く聞く話だが、鉄道が好きで電車の車掌になり、人生を鉄道一筋に生きた人は、老後もずっと鉄道好きで生涯を閉じるようだ。こういう社会貢献ができれば、世の中ももっと楽しいものになる。彼等にとっては豪壮な邸宅も瀟洒な庭も必要ではない。ビンテージのワインや究極の食事も欲しいとは思わないのだ。名誉も権力も女遊びも、それ程興味はないのではないか。消費することよりも、価値を生み出すことの方に興味をもつのが「健全な人間」である。

つまり、社会全員が何かしら「価値のあることに努力する喜び」を感じれば、不正や犯罪を冒して「何かを手に入れよう」とする輩は、どんどん減ってくるであろう。本当の喜びは「何かを手に入れる」ことではなくて、「何かを達成しようと夢を見て努力し続ける事」にあるのである。・・・しかし、これは私の場合には当てはまっても、他の人には当てはまらないかも知れない。まあ、私の考えでは、使いみちも分からないような大金を掴んであれこれ悩むよりも、月額5万円の仕事でも「やりたいことをする」ほうが楽しいけどね。

5、で結局は「起業して失敗して時の借金」である
北欧では老後を心配する人はいないという。それは国民が全員で「ちゃんと機能する社会保障」を作り上げた成果である。そのためには必要な費用を賄う分の高額の税金を、納得してキチンと納める必要があるだろう。それを日本人が受け入れられるかと言うと、節約防御体質の臆病気質なくせに「自分だけは上手く立ち回って贅沢をしたい」というのが日本人の姑息なところである。つまり本心は「抜け駆け利益の独り占め願望」が渦巻いているのだ。日本人はみんなが貧乏という平等は受け入れるがその実体は、他人を蹴落としても「自分だけは金持ちになりたい」という「欲望の虜」である。だから失敗者を優遇するための資金を「税金で用意する」というのは、多分難しいのでは無いだろうか。

そこで私の奥の手は、「個人資産一代法」の導入である。これは前にも書いたが、個人の残した遺産を「全額国に返上する」という法律だ。これで「年金と起業資金」を捻出する。日本人の個人資産は700兆円あるというから、これを全額国の社会保障費用に当てることができれば、「2000万円問題」というような「ケチな話」は雲散霧消である。確かに、親の遺産は黙って転がり込んでくる「宝くじ」みたいなものだし、親からすれば「可愛い子供に残してあげたい」というプレゼントでもある。しかし考えてみれば、自分の親から貰うのでも「誰かの遺産をプールした年金資本」から貰うのでも、タダで貰うのには変わりはない。ここは政治家が決断して、日本の素晴らしい未来1000年の為に、いよいよ「長年の社会保障の原資問題に決着をつける」時である。ちなみに私の遺産は「恵まれない人の為に少しでもお役に立ててくれれば」と思う。というか、全然役にも立たない額なので心苦しいのだが。

結局は、自分の子だけには苦労をさせたく無い、という心情が時代遅れなのである。これからは、日本で生まれた子供は「誰々の子供」というのではなく、「日本人全員の共通の子供」でなければいけないと思う。そういう時代なのである。だから、私の遺産は「誰か知らない子の年金」になって全然構わない。まあ、日本人と限定しているところが「ノーベル平和賞に一歩不足なところ」ではあるのだが、取り敢えず日本で成功させれば「それだけでも素晴らしいこと」である。

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