明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

リランキングとゴルフツアー

2018-06-23 19:00:00 | スポーツ・ゴルフ
リランキングという制度、いまいち分からないけど何なの?

今やっているアースモンダミンカップでリランキングし新たに出場順位を組み直すというのだが、じゃあ今まではどうしていたのかが全然分からない。出てくる解説者やアナウンサーは揃いも揃って「大変です」ばかりあれこれ言って、一つも根本的な疑問に答えないのでイライラしていたのだ。どうしてこの連中は「必要な説明」ができないのだろう?と、LPGA全体の「ファンを無視した体質」が歴然と表れているような頭の悪さである。誰か去年までの出場制度と今年のリランキング制度の違いを「おせーて!」

と、ここまで書いてハタと気がついた。言われてみれば何だよと思うが、去年まではQT順位がそのまま出場順位だったのに今年はリランキング順位を出場順位に変更するのだな、ということがようやく理解できたのである。まあネットで調べればあっという間に答えが分かるのだが、なんでもネットで調べる癖というのは我々オジサン昭和世代の人間にはどうもなじめない。むかしは疑問があったら物知りの先輩に頭を下げて教えてもらったものだ。そうやって一回質問するたびに「人間の知識による上下関係」を再確認しながら生きていく、それが社会人というものである。ところが最近の若者はネットで調べるから、知識を得ることに全然苦労がない。まったく困ったものだ。

またまた横道にそれた、閑話休題。要するにどえらい苦労をしてGETしたQT順位も、このアースモンダミンカップでチャラになるということである。しかし獲得賞金でリランキングするわけだから、試合に出なけりゃそもそも賞金が貰えなくて、リランキングしてもQTランクが元々下の者にとっては上位に上がるなんてことは望みようがないではないか?

考えてみれば1試合に出られる選手の数は100人から140人前後である。シード選手を除けばざっと50人から90人が出られるわけだ。ということは、QTランクが140位以下の選手は全くチャンスが無いのである。森田理香子なんかはこのランクである。だから大きな試合では関係ないのだが、出場選手数が100人前後の小さい試合では、途端に影響が出ることになる。まあ、全部だめになるってわけじゃないけど、少なからずリランキングによって「QTのふるい落とし効果」はシャッフルされるというわけだ。

予選を通らなければ賞金を貰えないから、獲得賞金が0のものは「QT順位が下の場合、相変わらずリランキングでも下」になる。やっと分かった。結局は出場順位は、1シード選手、2リランキング上位選手、3QT上位選手、4マンデートーナメント上位選手、5主催者推薦枠、の順番である。これ以外に永久シード選手が出る場合はそれが優先される仕組みである。要するに、リランキング制度というのはQT下位の選手が1試合でグンと稼げば「いきなりジャンプアップ出来る」というだけで、実際にはあんまり影響がないというか「大して驚きの仕組みでもない」という制度である。どうってことないよね。わかるのがちょっと遅かったかも。こうなればQT上位者なんだけど賞金ゼロでリランキングが下位に沈んでしまった「残念な選手」ってのも、見てみたいよね、残酷だけど。ちなみに森田理香子はQTランキング236位だが年間獲得賞金額が112位なので、今までは出られなかった試合にも後半は出られることになる。これは彼女にとっては大きいことと言えるのではないだろうか。

LPGAホームページでリランキング順位表を探したが見当たらない。これだけ毎試合持ち上げて話題にしているのだから、大々的に取り上げてもいいのに全然なのである。LPGAっていうのは本当に話題づくりがなってないとガッカリである。節目の試合であるのだから、一つの試合の興味として次週からの試合出場が決まるか決まらないか、それぞれの選手の思惑も含めて、優勝争いとは別にハラハラドキドキ感を演出できるチャンスではないだろうか。ただ単に「リランキングがあるので選手は真剣です」程度のコメントでお茶を濁す解説者はもういらない、ぐらいのサービス精神が必要であろう。

そこで私は「リランキングのリアルタイム変動画面」をテレビ放映時に選手の情報として表示することを提案する。当日の順位を表示する機能があるのだから、例えばDボタンを押して「リランキング順位表」を出せるようにしておけば、当落線上にいる選手がバーディを取ったりボギーを打ったりするたびに「選手の頭をよぎる恐怖」であったり安堵であったり興奮であったりと、見ている側も応援する選手に同化して、画面を見る気持ちにも熱が入ると思うのだが。スポーツというのは単に自分もやっていて興味がある、というだけでなく、色々な「情報が豊富にあればなあるほど」見ている方も話題がもてて楽しくなるのである。

人間は人々と共に生活して生きている。一人でしんみり見ていても面白くないわけで、飲み屋で仲間とワイワイ話が出来るから盛り上がるのだ。それが仕事や政治や宗教では角が立つ。だからスポーツは人々に支持され、共通の話題づくりに一役買っているのである。サッカーのワールドカップはそのいい例であろう、もちろん野球も全国的だ。では、ゴルフもそういうメジャーなスポーツなのかといえば、まだまだ格上げする必要があると思う。ではどうすればいいのか。ゴルフのイメージが金持ち老人や会社べったりサラリーマンにヤクザまがいの遊び人というんでは、若者から敬遠されるのもやむなしといえる。そんな反社会的人間の集まりが金にあかせて暇つぶしする、という「スポーツとは真逆」の固定観念が払拭できていないのは、ゴルフ組織や運営側に大いに反省してもらいたいところである。

ここでゴルフ場の話に転じるが、そもそもゴルフ場の「会員の互助運営で、預託金を集めて開場」という歴史が一般のスポーツと大きく異なる点ではないだろうか。近来、パブリックのゴルフ場が増えてきているように思うが、基本的にスポーツは限られた人々の閉鎖的なサークルではなく、パブリックであるべきだと思うのである。ただ国土が狭い日本では土地が高くて「ゴルフ場建設費用が高騰する」というのがネックだ。これを解決するには会員権というような金満家や投資ゴロの暗躍するダーティな世界と縁を切って、市町村が予算を付けて「公営にする」(または「土地を提供」する)などして、ゴルフをもっと国民の中に広める活動を行うとともに、ゴルフを通じて「市民の健康増進」を後押しして貰いたい、というのが私の考えである。

各自治体に一つはパブリック・ゴルフ場がある、となれば理想だ。ゴルフは男女・年齢に関わらず遊べる競技であるから、もっと国も真剣に取り組んでもらいたいと思う。カジノ法案がどうたらこうたら言っているが、それこそ国がゴルフ場を積極的に増やす法案ぐらいは提案出来ないのかと思うのである。カジノに比べたらゴルフのほうが余程健全で健康的ではないか。ゴルフメーカーに加えてゴルフ関連企業やアパレルとかグッズとか、ゴルフからの収益がある企業が集まって金を出し合い「ゴルフ場新設やゴルフ練習場の整備およびゴルフのイメージアップ」などを推進する団体を立ち上げて、どんどんゴルフを大衆のものにする努力をして貰いたいものである。

それには何よりゴルフに対する「イメージ」を変える必要がある。70歳を過ぎた老人が、男女数人集まって何か楽しく世間話をする、といった時に、「野球やサッカー」では現実味がないではないか。ゴルフはいくつになっても出来る「ハンデ制」が唯一採用されている競技である。これは色々な差があっても「同じように楽しめる」という珍しいスポーツなのだ。つまり門戸の広いスポーツなのである。おまけに奥さんとか孫とかと一緒に楽しめる「生涯スポーツ」である。このゴルフの最大の魅力を前面に押し出していかないでどうする?

と、ちょっと興奮してしまったが、LPGAの更なる努力を期待することとしよう。しかし女子も7アンダー65というようなビッグスコアをじゃんじゃん出す時代になってきたのは喜ばしいことである。LPGAのなすべきことは、まずはネットで当日の順位を表示しているリーダーボードを「最終日だけはテレビ放送が終わるまで停止する」という馬鹿げた処置をすぐさまやめることである。ゴルフは全国各地で行われるから、ゴルフ場に行こうにも「遠くて」いけないのだ。だからテレビで見る。しかしそのテレビがどういうわけだか「見たくもない選手のプレーを延々と映す」のだから、もうどうにかしてくれ!という気になるのは「当たり前」ではないか。

ゴルフは場所の制約とプレーの特殊性から「テレビ放送に向いていない」ことはよく分かる。だが言い訳や泣き言を言っていても始まらないのではないか。テレビ放映を見ていると、選手がプレーしていない画面がやたらに多いことに気がつく。曰く、歩いていたりグリーン周りでボーッとしていたり水を呑んでいたり、である。テレビに移っている選手がただウロウロしている間にも、他のホールでは「劇的チップイン」のガッツポーズで大喝采を浴びているかも知れないのである、それを放映することは「見に行けないファンの大きなアドバンテージ」だと思うのだが、LPGAはどうも古臭い体質で成長が感じられない。男子ゴルフはもっとひどいらしいので、まだマシということのようである。これも若い溌剌とした新人選手がツアーを活性化している恩恵であるから、それにおんぶに抱っこするだけでなく、どんどん改革していかなくては時代に取り残されていくことになりかねない。

例えばグリーンのパッティングというのは、近ければ入るというものではない。上り下りより「ピンに向かう位置」というのが「プロの試合」では重要なのだ。そこで「どの方向から打てば入りやすいのか」あるいは「どこから打てば、どこでどう曲がるのか」を解説陣が説明するのであるが、これれが舌ったらずでポイントをはっきり言える人がほとんどいない。挙げ句に打ち終わってから「弱かったですね」などという低級コメントでスルーするなんて、そんなもん見てれば誰でも言えるではないか、解説者と偉そうにいうほどでは全然ない。そんじょそこらのゴルフ初心者にでも言えるような事をいうだけなら、解説者など必要ないのである。ただツアーで何勝したから解説する、というような安易な人選では視聴者にそっぽを向かれるのは明らかである。

第一、葭葉ルミが何であんなに飛ぶのか「テレビ解説者が納得行く科学的な説明を」したのを、私は寡聞ながら聞いたことがないのである。まあ私なりに一応は答えはあるのだが(ちょっと自慢)。ゴルフに限らず色々な意見があっていいのが民主主義である。今日の解説者は誰々だからこういう理論、という風にオープンな議論が沸騰するぐらいでなくては、ゴルフの発展にはつながらないと思う。とにかく何もかも真剣に視聴者目線で考えていかなければ、今の隆盛も束の間の花火に終わるであろう。なによりスポンサーが一番大事という姿勢を変えていく英断が、LPGAには要求されると思う。永久シードの片山慎吾がどういう意図でプロアマ戦の悶着を起こしたかは定かではないが、何でもかんでもスポンサー第一というのでは、明らかにスポーツにとっては悪影響以外のなにものでもない。テレビ界がすでにその弊害に汚染されている状況を変えていくのは並大抵ではないが、サッカー界ではもはや常識となっている「ファン第一主義」がゴルフ界でもやってやれないことではないだろう。是非LPGAで成し遂げてもらいたいものである。

これ、ゴルフ大好きボケ老人の悲願であります。

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