明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

箱庭ゴルフでもいいじゃないか

2018-10-20 22:14:09 | スポーツ・ゴルフ
日本のゴルフ場の特徴はとにかく狭いことである。狭いというのはプロの目線から見るからであって、我々アマチュアには現在のゴルフ場は丁度いい。レギュラーティーで380ヤードというのが標準だ。それでパー4である。たいがいフェアウェイは広々としていてラフも短く、冬などはボールがすっぽりということは余り無い。林間コースが殆どなので「林に打ち込むと出すのに大変だし、OBが近い」から、ドライバーを曲げたら大体ペナルティになる。これがアメリカのコースのようにパー4で450ヤードもあるような豪快なホールというのは、OBは無くて打ち込んでも樹が密生していることは無いから「リカバリー」が可能なのだが、日本の短いコースでは即アウト、「真っ直ぐ打つ」ことが必須である。つまり箱庭ゴルフである。日本人の得意とするところだ。

まあ、飛ばす人で正確性があまり無いひとには450ヤードあたりにバックティを設定して貰い、思う存分OBをブチかましていただくとして、我々70歳になろうというゴルファーは「シニアティ」などでは恥ずかしいからレギュラーから380ヤードを打つことで丁度いい距離になる。それで正確性を競うわけである。といってもグリーンにパーオンする訳ではなく、3打目で「如何にカップにカップに近づけるか」の勝負である。パー5はレギュラーで450ヤード、バックティで550ヤード位を設定したい。ドライバーで200ヤード、ユーティリティで150ヤードを打ち、残りの100ヤードで3打目勝負というのが70歳台では標準だと思いたい。そうすればカツカツでピッタリ届く。だから箱庭ゴルフでは「グリーンは小さく、アンジュレーションは結構あって難しい」というのが唯一の楽しみである。バックティから打つ人はドライバーで270ヤードを打ち、二打目を240ヤードほどをウッドで打てばもうグリーンは目の前である。

イーグルパットを打つのが楽しみだというのなら、フォローの時は乗る可能性もあるので風が強い日に行くことをお勧めする。こうして長短二箇所のティーがあればどんなプレーヤーにも対応できるので、ゴルフというのは万人に優しいスポーツだというのは納得である。ただ料金が高いというイメージが広まっていてそれがネックとなっているのだが、最近のゴルフ場はお客も減っているので、「余程の名門コース」でもなければ、平日5000円から8000円でラウンド出来る。食事が付いてこの値段だからまあリーズナブルと言えるのだ。ただし、朝が早いのが「何と言っても辛い」。スタート時間に遅れるのはご法度だから、車で来る人などは渋滞を恐れて「朝4時に起きて出かける」こともしょっちゅうである。場所が遠いのは大きなマイナス要因だ。

そこで最近のIT機器を駆使して「都会の真ん中でゴルフ」というのも考えに入れておきたい。シミュレーション機器のスカイトラックを使用して世界の有名コースを回ることが出来るから、例えば新宿で落ち合って徒歩で町中のビルの入り、4人で本格的なゴルフをエンジョイして食事もし、4、5時間楽しくラウンドして帰るというのなら人気が出ても不思議はない。勿論大自然の中でゴルフをする楽しみはビルの中でするゴルフとは一緒に出来ないが、これはこれで「ボーリング」のようなもので、ゴルフとは「別のゲーム」として楽しめば良いのじゃないだろうか。交通費もかからず時間も自由で天候にも左右されない新しいゲームである。「シティゴルフ」とかなんとか名前をつけて大々的にアピールすれば結構な値段も取れて流行ると思うのだがどうだろう。要は「新しいレギュレーション」で新しいスポーツとしてスタートし、プロも出てきてトーナメントも開催すれば社会からも新種のスポーツとして認知されるだろうし、本当のコースには行ったことがないという若いファンも増えて「これはこれで商売が成り立つ」のではないだろうか。

サッカーやラグビーがアメリカに渡ってアメリカンフットボールとなったように、シティゴルフも「ゴルフ」とはルールも道具も違っても良いと思う。ゴルフに対する若い人の人気が下がってきている原因を「料金が高い・プレー時間が長い・場所が遠い」を逆手に取り、シティゴルフでは「リーズナブル・自由な時間設定・繁華街に有る」と売り出せば問題は何もないだろう。今でもあるシミュレーションゴルフが今ひとつ伸びない理由は、「俺は上手いんだぜ」というカッコつけたアンちゃんがバーで女の子にいいとこ見せる、というシステムにある。これじゃあカラオケバーと何んら変わらないヤクザ商売になってしまう。で私が提案するのは「ゴルフ練習場に併設するシミュレーションゴルフ」である。れっきとしたコースと同じ仕組みで4人1組(3人でも4人分払う)2万円ぐらいでオーガスタやペブルビーチなどの超名門コースを回るのである。最初は4部屋くらいで始めるのがいいだろう。それぞれコースを回って「スコアを登録して順位をつける」などすれば、正にクラブチャンピオンを月例会で狙う気分で「よーし今度は」と気合を入るというものだ。メンバーも練習場ならすぐ集まるだろうし、シミュレーションゴルフが終わってから練習する、ってのも最高のトレーニングである。これなら練習嫌いのSN氏も「両手をあげて賛成する」であろう(ほんとかな)。

そんなことを考えていたら、林・ラフ・バンカー・アプローチ・パターといった「難しいシチュエーション」をどうするか、と考えが進んできた。左足下がりだの前上がり前下がりだの、鬱蒼とした林や膝まで深いブッシュなど、考え出したら切りがない。このへんはできるだけ本物のコースと同じに設定することが人気のカギになるだろう。日本人はそのへんが得意だから、本コースと違うのは「雨でも濡れない」ことだけ、なんて具合にそっくりに作ったシミュレーションゴルフが出てくるのも時間の問題だと思う。それで結構な難しいシーンをくぐり抜けてグリーンに上がると、「パターが一番バリエーションが豊富」だったりして「ゲーム的に超面白い」ってことになるわけだ。そもそもパターというのはドライバー以上にスコアに直結して大事である。ドライバーは10メートル外れても何とか帳尻を合わせることが出来るが、パターは5センチあるいはそれ以下の精度がなければ確実に1打を失う。

そこまで考えて矢も盾もたまらず、それで今日は「初石サンシャインゴルフ」というところに行ってきた。柏から野田線に乗って3つ目の初石で降り、歩いて15分の小ぢんまりとしたゴルフ練習場だ。入場料410円で土日は1カゴ60球620円である。今日はパターを1本持っていっただけなので、520円で都合930円で済んだ。誰もパッティンググリーンにいなかったので、早速人工芝の上で何球か転がしてみたら56メートルのカップに対して、球が散らばって「全然寄りもしない」のだ、「下手〜!」。読みも重要であるが、いくら正しく読んだとしてもそのラインに正確に打ち出せなければ意味がない。では正しく打ち出せるようになったとして、それでバカスカ入るかというと、スライスやフックのカーブして入るラインというのはタッチが合わなければ、全然とんでもないところへ行ってしまうのだ、結局アマチュアの場合は順番から言えば、まずタッチを合わせることから始めないといけない。

10メートルの距離を50センチ悪くても1mまで近づけることが出来れば80台、いや70台は目の前である。普段行っているコースならある程度の起伏は熟知しているはず、ラインだってそれほど難しくはない。だからタッチをとことん練習すれば、パターは劇的に良くなるのである(そう思ったが、皆んな知ってるよと言われそう)。それでずっと打ち続けている間に気がついたことは、ボールの前数十センチに「ボールの軌道を描き」、そこに実際に球が出ていくようにスピードを揃えて打つ、ということである(これも当たり前で、今更言われても困っちゃう話?)。私は今までは正確にボールにヘッドを当てること「ばかり」を考えていたが、それではパターが上手くならないと思うのである。テークバックは大事であるが実際は「球の前、数十センチ」をトレースすることであると感じた(ようやくわかったのか、とお叱りをいただくかも)。人間の感性を研ぎ澄ますためには、頭ではなくて「身体の感覚を使う」ことが必要である。私がパターを真剣に考えるようになったのは、病気して飛距離が失われたからなのだ。それがむしろ逆効果となって「パター巧者」にでもなれば、あっという間にスコアは良くなる!。SN氏はドライバーが余り飛ぶ方ではないがそのことを自覚してか、逆にパターでは「数段我々より上手」であり、いつも最終的にはスコアでは勝っているのだ。やっぱりパターの威力は絶大である。私もこれからは、もっともっと練習しなくては・・・(気づくのが遅すぎたなんて言わないで)。

ところでアメリカのPGAツアーでは平均319ヤードをぶっ飛ばすローリー・マキロイに始まり飛ばし屋が目白押しだが、日本の男子ツアーも段々と「飛ばし」を売りにする選手が出てきたようだ。韓国女子ツアーも新興のタイも「飛ばし屋全盛」の時代になってきている。それに合わせてコースの方も距離を伸ばして対応しているようだが、日本女子ツアーだけが「まだまだ箱庭ゴルフ」で遅れている、という記事がスマートニュースで書かれていた。そりゃあ飛んだほうが有利である。だが今日のマスターズGCレディースで上位に来ているメンバーを眺めると、決して飛ばし屋ではない選手でも「良い位置」につけているから、ゴルフは飛ばしではないというのが良くわかる。アン・ソンジュは2度の賞金女王に輝いた名手だから別格だとしても、2位の菊地絵里香、3位の東浩子はどちらかというと「飛ばない部類」の選手である。それが充分勝負になるのだから「正確性とアプローチ・パター」が抜群なのである。その点、飛ばし屋の葭葉ルミは66位で予選落ちした。ゴルフが「体力勝負の筋肉バカ」一辺倒ではないという、本来の持ち味を活かしている、とも言えるのだ。そこで私は声を大にして言いたい。世界から箱庭ゴルフと言われようがどうしようが、日本女子ツアーだけは「小技で勝負」していただきたいものである。

それでネットの結果表をチェックしていたら、菊地絵里香が試合後のインタヴューに答えて「スコアが出ると思う」とやる気満々だそうだから頼もしい。明日はアンと「菊地に東の尺取り虫チーム」が、がっぷり四つに組んで激しい優勝争いを魅せて欲しいものである。果たして永久シードに向けてアン・ソンジュが驀進するのか、それとも菊池・東が逆転するのか。飛ばせばいいってもんじゃない勝負の醍醐味をじっくり味わせてくれる、それがゴルフツアーの王道である。

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