隷書体看板

中華街で見つけた隷書体看板です。



『礼器碑』の書風をベースにした創作だと思います。

日本では『曹全碑』の隷書体が圧倒的に人気なのですが、中国では『曹全碑』はポップすぎるとして『礼器碑』や『乙瑛碑』の方が人気高い様です。

『曹全碑』は完成された隷書体
『礼器碑』と『乙瑛碑』は、篆書体を木簡や竹簡に書いているうちに、自然発生的に遊びごごろが働いて発展途上の自由な感じがするのです。

つまり『曹全碑』を臨書しようとすると、形を写す形臨はできても、それにとらわれない意臨は中々ハードルが高いのです。

意臨はお手本を形も書き手の気持ちも一旦バラバラにして、自分なりに再構築しなければならないのですが、お手本が完成されすぎていると、そのハードルを越えるのは中々大変なのです。

『礼器碑』や『乙瑛碑』は良い意味で隙があるのです。
発展途上にある熱も、こちらのハートに火をつけてくれます。
やる気にさせてくれるのです。

そんな『礼器碑』をベースにしたこの看板も、自由に書かれていると思います。

鑑賞は『曹全碑』
創作対象なら『礼器碑』や『乙瑛碑』というところでしょうか。