Everyday is a Special Day.

英語、日本のドラマ、日々のあれこれについて熱く語ってます。

思いがけない再会

2007-10-30 14:40:34 | Life in America
いつものように教会のESLに行った。子供をチャイルドケアに預けようとストローラーを押していたら、「Yucca!」と私を呼ぶ誰かの声。
振り向くと、どこかで見た顔。でも誰だか思い出せない。
「あなた、アメリカに帰ってきたのね。てっきり日本にいるものだと思ってた。」と驚きつつ、満面の笑顔で言われて…それでも誰だか思い出せない。
私は子供を預けなくちゃいけなかったので、一旦別れ、思い出そうといろんな友達を思い浮かべたけど、、ダメだ。。
教室に行ってから、こっそり名札を見ると。
ああ~!H!!

彼女と出会ったのは、3年前こちらに来て、初めて行ったコミカレESLだった。
初めてコミカレのESLを取ったんだけど、プレイスメントテストで何故か好成績を収め(日本人はみんなそうらしい)、申し込みが遅く、そのクラスしか残っていなかったのもあり、上級レベルのVocabrary&Readingのクラスを取ったら、周りはかなりのハイレベル。
私以外は在米が長い人ばかり。クラスの大半は移民でこちらに長く住んでいるメキシカンの子供、他にも子供の頃からこちらに住んでいて話すのにはほとんど不自由がないけど、ボキャブラリーがイマイチだから取った、とかいうベトナム人の女の子とか。数人いた韓国人の子たちも、いずれは州立大学にトランスファーしたいという留学生。
私だけ、アメリカに来て一年も経たず、話すのもあんまり、、、聞き取りもあんまり、、、単語だけは受験英語でよく知っていたという。つまりはクラス一のおちこぼれ?
初級レベルじゃないので、先生もある程度英語が理解できる物として授業をすすめるので、すすむスピードも速いし、聞き取るのがかなり大変。宿題もものすごく多くて、全部終わらせるのに朝起きて夜までほとんど宿題と格闘してたり。

加えて、アメリカのちゃんとしたコミカレで勉強するのは初めてで、システムも全然分からないし、英語も分からない、、、キャンパスも住んでいたアパートからはるか遠くで、自分ではフリーウェイを乗り継いで車で行くことができなかったから、毎回夫に送ってもらう始末。何もかも分からない、不安なことだらけで。
さらに、元々心配性で完璧主義のけがある私。そんな状況ながらも、できない生徒と思われたくなくて、自分で自分をきつくしていた部分もある。

自分でこのクラスを選択したにもかかわらず、毎回コミカレに行くのがすごく怖かった。この街は日本人が少ないので、キャンパスの中には日本人なんて一人もいない(探せばたまにはいるのかも?)。授業もそうだし、学校の手続きなんかも全部自分のつたない英語で頑張るしかない。
誰にも頼れない、、、あんなにも不安な気持ちを感じたのは大人になってからはほとんどなかったと思う。
よく、アメリカ人の友達に愚痴って泣きついていたなぁ。。。

そんな時、助けてくれたのHだった。韓国人留学生でナースの資格を取るのが夢だといった彼女。お姉さん夫婦の家に同居の肩身が狭い生活だけど、夢を実現すべく頑張っていた。
私が宿題の答えを聞き損ねたり、テストの受け方(教室でなくテスティングセンターというところでやる)、宿題の内容、、などいつも親切に教えてくれた。
みんな自分の勉強で精一杯で、質問してもろくに答えてくれないのに、Hだけはいつも優しくて、親切だった。
誰にも頼れない中で、彼女だけが心の灯りみたいな。。クラスにいるとほっとした。
授業が終わるといつも一緒に帰るようになり、私は、夫が車で迎えに来てくれるので、それまでの間、一緒にカフェテリアでおしゃべりしたなぁ。夜のクラスだったので、秋から冬に変わる寒くて真っ暗な外を二人で歩いた。その年の冬一番の寒さの日に待ち合わせてランチしたこともあった。
日本に住んでいたという彼女の亡くなったお母さんの思い出話を聞いて、一緒に涙したり、彼女がクラスメイトに人種差別のようなことをされ、泣いていたときは慰めたり。

そのセメスターが終わって、その冬もっとも寒かった日にランチして以来、ずっと会っていなかった。居候の彼女は自分のPCがなくて、お姉さん家のPCを長時間使えずメールでもあまり連絡が取れず、授業と宿題をこなすのに精一杯で時間がなく、私もアメリカ生活に少しずつ慣れて、他の友達に会ったり、いろんなアクティビティに参加したりして忙しくなり。
メールだけはたまに送っていたけど、そのうち音信不通になってしまった。

だから、アメリカに戻ってきたときもメールしなかったのだけど。
ちゃんと私の顔も名前も覚えていてくれたんだ。私は思い出せなかったというのに。。
Hと会って、ここに来た頃の不安な気持ちとか、助けられてすごく嬉しかったこととか、、、忘れていたいろんなことを思い出した。
今思うと、あのクラスでの経験は、不安で辛かったけど、自分を強くする良い経験になったと思う。それもHが助けてくれたから頑張れたんだと思う。

アメリカに来てから、こんなふうに素敵な出会いがたくさんあった。いろんな人に助けられて今の私がいるんだな。以前よりはずっと図太くなった…
私も友達や出会う誰かにとって、「素敵な出会い」と思えるような人間になりたいなぁ。