ビンテージ・ドラムとおやじバンド

ビンテージ・ドラム(1946~1978)コレクションの紹介。

幻の 60年代 Gretsch 18” BD を求めて!

2012-08-16 12:37:00 | ビンテージ・ドラム
60年代のGretschの18”バスドラムを語る上で、まず時代背景とセットのラインナップから話を始めたいと思います。
当時は戦後の荒廃が残る中、ブルースとジャズとロックンロールがアメリカにおける希望の証しでした。
しかし、ドラムを個人の所有とする人は、まだまだ少なかったようです。
一番安価だったGretschのRenown(レナウン)はLudwigのClub Dateと同等でしたが、当時の価格で$277-でした。
(注:目安として、当時の日本は1$=360円、大卒初任給:28,000円/月、給料の約3.5カ月分でした。)
Gretsch-Rock'n Rollと云う2タムのセット(20"12"x2 16")は倍の$605-と高価でした。

ジャズ主流でName Bandの名で登場したのが、4157のスネアで有名になったジャズセットでした。しかしこのネームバンド・セットは20"13"16"とタムとフロアが少々大きめなセットでしたので、プロドラマーはその上の機種Progressive-Jazz(20"12"14")を好んで購入したようです。
全体のバランスも12”のタムと14”のフロアが絶妙なサウンドを醸し出します。
当時の最上位機種である“プログレッシィヴ・ジャズ・セット”は現存数も少なく、特にフロア・タムの14”が大変貴重でした。


Gretsch '60s Progressive-Jazz-Set(20"12"14") + Name Band-Snare No.4157(14x5)

ここで当時のクラブ事情もお話しておくことにしましょう。
シカゴやニューヨークなど都会では、バンドマンと楽器の移動・搬入にタクシー(Yellow-Cab)が使われました。
現在の様に、マイカーや搬入用トラックなど無く、ジャズクラブから次のジャズクラブへはタクシー移動が主流でした。

しかし、タクシーの後部トランクには、20インチのBDが入りません!そこで18インチのBDがオプションとして登場したのです。
幻の“Progressive-Jazz-Set-18"12"14"”のセットの誕生です!

当時のジャズドラマーは挙ってこの18”BDを求めました。お洒落なアイテムの一つであった事は歪めません。
しかし、高額な上、移動手段がタクシーであった事もあり、現存する18”BDのProgressive-Jazzでコンディションの良い物は少ないのが現状です。

勿論、60年代 ラウンドバッジ、レールマウント・タムホルダー装着、そして18”のBDがマスト・アイテムでした!

Rock'n Rollセットの20”や18”BD(センターポール・ツイーンタムホルダー)のタムホルダーブラケットを取り、穴埋めをしてカバリングを張り替える。
そして人気があったレールマウント・タムホルダーを装着する。そんなBDが出回ったのもこの時期です。
しかしエクストラ・ホールがあるBDは敬遠されました。エクストラ・ホールのある物は、金額も可なり安かったようです。


この18”セットは、ドラム・マガジン9月号(P136)に掲載されているProgressive-Jazz-Setです。
60年代の象徴である“Round Badge”を装着、しかし1970年から登場する“Hand Polished Walnat”(ウォールナット仕上げ)のミスマッチがレアですね。
その上、New Old Stock ! ! ! (デッド・ストック)でもありました。
このセットをNYで見つけた時は、目を疑いました!アメリカは凄い!
(シリアルナンバーから69年製だと判明しました。)


こちらは、超レアなBurgundy Sparkleの18”Progressive-Jazz-SetにProgressive-Jazz-Snare No.4175(14x4 Max Roach)のComplete-Set!です。

ジャズ発祥の地アメリカには、18”BDがどのくらい眠っているのでしょうか?その数少ない“幻の18”BD”を求めて、アメリカ中を探し歩きたいと思っています。
60年代の18”BDを叩いていたドラマーはどんな人だったのだろう?おそらく経済的に大変な中、分割で購入したのではないか・・・?
そんな大切にしていた18”セットを見ると、プレイヤーの自信と夢と希望が感じられます。
きっと大事にしていた自慢のセットだった事でしょう!

何故かGretschの18”BDセットは、他のドラムセットと違った趣きを感じ得ません!そう思うのは私だけでしょうか?

そんなロマンに溢れたGretsch 18”Progressive Jazz Drum を求めて!アメリカ中を探しに行って来ます! どうぞご期待下さい、では。

2012・11・16  ビンドラの会  初ライブ!!! 

2012-08-04 21:59:29 | ビンテージ・ドラム
Drummer's Delight
ビンドラの会スペシャル Vol.1
@ 目黒 ブルース アレイ ジャパン
2012・11・16 (Fri)
http://www.bluesalley.co.jp/top.html



(Ds)
江口信夫、河村“カースケ”智康、屋敷豪太、
マシータ、玉田豊夢、神宮司治、
ササブチヒロシ、小宮勝昭、高田真、外薗雄一、
白根佳尚、若山雅弘、平里修一、大石耕平、
 and more(順不同)
★Guest 根岸孝旨、他

☆普段後ろにいるドラマーを前面に出し、ドラムをフューチャーした初めてのライブです!


前売券 テーブル席(指定)\6,000 立見(自由)\6,000
当日券は各料金\500UP (各税込)

BAJ Club会員先行予約開始日:9月6日(木)12:00~
 インターネット予約のみ(先着順・テーブル席/30名様まで)
一般予約開始日:9月14日(金)14:00~インターネットまたは電話予約