ビバ!迷宮の街角

小道に迷い込めばそこは未開のラビリント。ネオン管が誘う飲み屋街、豆タイルも眩しい赤線の街・・・。

西荻の小道・・・(杉並区・西荻窪)

2010年07月05日 | 赤線・青線のある町
 北は青梅街道、南は五日市街道に挟まれたJR西荻窪駅の南口周辺のご紹介です。南口の様子は少し刺激的で、まず駅に食い込む形でパチンコ屋があり、南口出てすぐ見える景色は立ち食い蕎麦屋とピンクのハリボテの象がアーケードの上部に吊るされている怪しさこの上無い「仲通り商店街」。ガード下沿いに西へ進めば、「サカエ通り」で、明るい時間から焼き鳥の煙がモウモウ立ち昇る戦後の闇市のような立ち飲みやの通りで、所々にピンサロありで、堂々と従業員の顔写真を往来に貼り出して居ます。
 
 サカエ通りは戦後の闇市の名残です。純喫茶DANTEはいつも繁盛しています。
  

 この仲通り商店街の中は道幅狭く、人工照明の明かりは暗く、天窓部分の覆いの赤と緑の色合いが物悲しげです。また上部にピンクの象は地域のお祭りで活躍するハリボテですが、お祭りが無いときはこうして吊るしてあるのだそうです。
 

駅側から反対側の景色はまた渋く、三丁目の夕日の世界です。 
  

 こちらは西荻窪を代表する不思議な場所です。駅南口から西荻銀座商店街を抜けて、西荻南中央通り商店街にあるお茶と乾物屋さんですが、お客への呼び込みの文句でしょうか、「健康への近道!千年の齢を得る為には茶を服せ!」などとご店主さんの力強い説法が店中に貼り付けられています。そして特筆すべきは店主さんによって描かれたオリジナルイラストです。出桁作りの古い店頭を飾る看板に、茶壷の顔をした女給さんが描かれていますが、そのユーモアセンスに惹かれます。
 

 ご店主さんのありがたい説法は、柱、看板、日曜道具、ありとあらゆるものにペンキで書き付けられています。しかしなんといっても極めつけはご店主が描いた「神農」です。薬業を営む人々の信仰する神様です。
 
 
 ディープスポットに事欠かない西荻窪南口。ガード下脇のサカエ通りに平行したさらに細い通り、「柳小路」という場所です。
  

 ここ数年で知った事ですが、実はこちらは若者の注目スポットなのです。エスニック系の料理屋何軒も入り、いかにも恐ろしげだった、2階建の古い小料理屋風の建物が、リノベーションされて、和洋折衷のインテリアを飾り付けられ、何時行ってもお祭りムードのアジアのマーケットのような雰囲気で通りが統一されつつあります。
  

 しかし夜ともなれば、まだまだこの通りの怪しさは健在、闇と極彩色の渦の中、ちょっとほろ酔い加減で、お店の外のトイレを使うにも、周辺はバラックでトタンの壁の迷路になっていたりと、あまりの非日常の雰囲気に、酔いがさらに進んでしまうようなそんな雰囲気です。