切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

<訃報> 映画監督 マイケル・チミノ

2016-07-03 21:38:33 | アメリカの夜(映画日記)
ヤフーニュースに「『ディア・ハンター』の監督死去」って書かれ方をされているのを見ると多少複雑ですが、でも残した長編映画がたった7本って、オーソン・ウェルズ以上に呪われた監督だったなと。ご冥福をお祈りいたします。

ある世代には特別な感情を呼び覚ます監督なんでしょうね~。わたしのご近所にも大ファンがいますし…。

で、わたし個人はもうちょっと退いた感じなんだけど、それでもやはり『ディア・ハンター』と『天国の門』は凄かった!個人的な趣味でいうと『天国の門』の方が好きなんだけど、映画好きでカラオケに行くと、みんなで歌う歌は決まってフランキー・バリの「君の瞳に恋している」でした!(「なんで?」と思ったひとは、最初の部分でいいから、『ディア・ハンター』を観ること!)

しかし、『天国の門』の興行的失敗と批判以来、このひとって相当嫌われたんでしょうね。この辺の状況は、むかしロッキングオンが出していた『アメリカンニューシネマの息子たち』というインタビュー集を読むとよいです。あと、『天国の門』評としては、三島賞受賞作『伯爵夫人』が絶賛販売中の蓮實重彦氏の『映画 誘惑のエクリチュール』所収のものが基本ですかね(好き嫌いはともかく…。)。

というわけで、『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』、や『シシリアン』については書かないのかって言われそうだけど、亡くなってみると、上記2本でい~やと思えちゃうところが、この人の不幸だったんだろうな~と。

ま、『ディア・ハンター』久々に見直そうっと!

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4 コメント

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お互い年をとりましたな… (蝙蝠お高)
2016-07-10 20:15:44
I love you.
god blessed you Mike.

今いま「ディア・ハンター」を見直したところです。マイクはやっぱり格好いいです。若きデ・ニーロも格好いい!
私も昔は「天国の門」が好きだったのですが、今は「ディア・ハンター」の方が胸に来ます。年ですかね…

マイク!男って、男の子って何て素晴らしいんだろうって思わせてくれる数々の映画をありがとう。
女子供にはわかるまい!
格好いいとはこういうことだ!

それほどでもない…なんて言わないで、いつか、ゆっくり話をしましょうね。
ご近所さんも交えて、夜明けまで飲みましょう!
I love you baby~って叫びながら。
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コメントありがとうございます。 (切られお富)
2016-07-10 22:36:36
蝙蝠お高さま

>女子供にはわかるまい!

なんていわないでくださいよ!この映画では、メリル・ストリープも素敵なんですから!

で、わたしも訃報記事を書いた後に、コメンタリーで見直して、『ディア・ハンター』の方が歴史に残るような普遍性があるなあ~と思いました。冒頭のトラックのシーンからして風格があるというか・・・。オスカーを渡したのが最晩年のジョン・ウェインだって逸話からして、この映画自身が自ら神話性を招きよせたって気がしてきますし。

ということで、改めて再見に耐える映画だと思いましたよ。当分、「君の瞳に恋してる」を口ずさんで暮らしてしまいそうです。
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そうですね (蝙蝠お高)
2016-07-11 19:17:19
メリル・ストリープが正視に耐える数少ない映画…ボーリング場のシーンなんて悪くない…あんなにジャンプしてはしゃいでる…ところとか、らしくなくて?良いですね。でも、やっぱり男の映画ですよ、これは。うまく言えないけど、ある意味西部劇だもん。
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なんで、この映画のメリル・ストリープは良いのか! (切られお富)
2016-07-11 23:18:46
蝙蝠お高さま

おっしゃる通り、わたしもあのボーリング場の場面のメリル・ストリープ好きなんですよね!

で、この映画の彼女が何でよいかというと、この映画の撮影後に亡くなってしまった彼女の当時の恋人ジョン・カザールと共演しているからだと思うんですよ。

『ソフィーの選択』とか『フランス軍中尉の女』なんかだと、イェール大出身のインテリ女優って感じがなきにしもって感じなんだけど、この映画ではもうちょっと生っぽい部分が出てますよね。しかも、当時の彼女は彼氏の病気を知ってたんでしょうからね~。

そういう意味でも貴重な映画ではあります。それと、ジョン・カザールはシドニー・ルメット監督の『狼たちの午後』がよかったな~。
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