切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

歌舞伎座(昼の部)に行ってきました。

2015-07-20 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
暑い夏に見る舞台としては、最高でした。玉三郎や梅玉といったベテラン以外は若手中心で意気のいい舞台。海老蔵も昼の部は好調。猿之助も溌剌としているし、獅童は三幕連続出演!元気をもらった気がします。

久々に相当前の席で観ましたが、最初の南総里見八犬伝は、いきなり大屋根でその後がだんまり、演者にも観客にも気の毒な演目になってしまいました。もっとも、梅玉さんはよかったんですがねぇ・・・。

で、おまちかね、切られ与三郎。今回特に玉三郎の情が深まった感じ。序幕の心を残しながらの花道引っ込みが、なんとも印象的なうえ、源冶店も、仁左衛門が相手の時の「同世代の恋人」というイメージより、むしろ年増の女の情が感じられましたね。

そして、海老蔵。微妙な節回しもちょいちょいあるんですが、もう海老蔵の与三郎の型になってきた感じ。余裕がありましたよ。だから、源冶店も悔しさのリアリティが今までになく感じられる。獅童の蝙蝠安が意外によいし、驚いたのは中車の多左衛門。貫録があって、十一代目團十郎の舞台でこの役を演じた初代猿翁も喜んでいることでしょう。

最後の「蜘蛛の拍子舞」は、すっかり四代目猿之助の代表演目になったんじゃないですか。澤瀉屋の代表演目といえば宙乗り付の「四の切」だけど、わたしはむしろ、歌舞伎ビギナーにはこの演目を見せたいと思いました。エンタメ性と歌舞伎っぽさがちょうどよく配分された舞台であり、四代目ならではの茶目っ気も生かされている。

というわけで、3時10分で終演でしたが、アッという間の昼の部でした!
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 祝! 嶋大夫の人間国宝 | トップ | フェリーニの『甘い生活』が... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shibafune)
2015-07-23 00:33:21
ずっと拝読しております。
週末に蜘蛛拍子を観に行くので、もしやお富様もご覧になっているはず・・と思いお訪ねしました。80年生まれで歌舞伎を映画にこれだけ精通って、凄いです!
返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2015-07-23 02:49:43
shibafuneさま

コメントありがとうございます。

実は、年に一二度、玉三郎好きの母と歌舞伎座に来るのですが、たまには若手を見せたくて、ふたりで観劇しておりました。今回は海老蔵&猿之助に満足したようです。

ところで、長年のご愛顧ありがとうございます。たいしたことは書いていませんが、今後ともよろしくお願いいたします!
返信する

コメントを投稿

私の写メ日記(観劇版)」カテゴリの最新記事