切られお富!

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九月の歌舞伎座公演に行ってきた!(第一部&第二部)

2020-09-06 22:52:32 | 私の写メ日記(観劇版)
先月から再開した歌舞伎座公演。先月に続いて、観てきました。簡単な感想のみ。

さすがに、二ヶ月目ともなると、自分で半券を切るとか、作法に慣れてきました。ただ、お客さんは入ってるとは言えないですね。一席づつ空間を開けているとはいえ、空席もまあまあ目立つ。個人的には、席が取りやすいのと、隣の席に荷物が置けるのが便利ではありますが…。

第一部は、「対面」。初心者には見せてはいけない演目とかよく言いますが、ストーリーより、視覚の眩さと声(台詞)の競演(饗宴)みたいな芝居だと思うべきですね。

個人的には、錦之助の十郎が美しくて良かったのですが、若返ったのかという元気さの松緑の五郎、梅玉さんの工藤の貫禄、ほんとに歌右衛門みたいになってきた魁春の大磯の虎、歌六・又五郎兄弟と、渋くて良い舞台でした。まあ、松緑以外に熱気が足りないという批評も出るかもしれませんが。

第二部は、幸四郎&猿之助の「かさね」。幸四郎は先月の与三郎が予想外に良くて、仁左衛門、海老蔵、梅玉といった与三郎役者たちとは違う与三郎が誕生したと思ったんだけど、ほかの与三郎との違いのポイントは、元おぼっちゃま風の与三郎だったということ。言ってしまえば、色気は前出の役者版より劣る気がしないでもない。なので、幻想的な色気の芝居「かさね」がどうなるか注目してました。

で、結果ですが、猿之助のかさねは良かった!猿之助の女形は決して美貌ではないのだけど、コケティッシュで魔力があります。六代目梅幸はこの役について、「写実だけではいけない」と言っているそうですが、真面目そうだけど手を出してはいけない女みたいな雰囲気が猿之助のかさねにはありました。

一方、幸四郎の与右衛門は綺麗だけど、色悪の持つサムシングエルスが足りないというか、吉右衛門なら腹の深さからくる色気だし、仁左衛門なら無邪気さのなかにある悪だし、若いころの團十郎なら感情を持たない美魔みたいな感じがこの役にありましたが、幸四郎のこの役は真面目なんだか不真面目なんだかわからないところがあって、もうひとつわたしは乗れませんでした。ちょっと前までの愛之助もそういう感じがあったけど、最近はテレビで変わった役をやったりもしているせいか、一味加わった気がしますけどね…。

取り方で出てくる鷹之資と隼人も悪くなかったんだけど、鷹之資がますます今は亡き天王寺屋に似てきて口跡がよいのと、隼人はもう一段台詞回しが気持ちよい調子になったら、素晴らしくなるなあ~とは思いました。ポスト仁左衛門系の容姿のひとですからね。

ちなみに、今月は舞台前のナレーションはやらないようです。

ということで、後半は月末に観劇予定。
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