切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

今村昌平監督死去

2006-06-01 00:35:47 | アメリカの夜(映画日記)
ここのところ映画関係者の訃報が続くんだけど、今村昌平監督が亡くなった。この人って、二度カンヌをとっているとはいえ、全盛期は日活時代後期だというのが衆目の一致した見方ではないでしょうか?あえて言ってしまうと、カメラマン姫田真佐久氏とコンビを組んでいた時期の作品が最高で、姫田氏の望遠レンズ主体の画面が今村作品のリアリズムを引っ張っていたように思う。で、やっぱり『にっぽん昆虫記』や『赤い殺意』、独立後の『復讐するは我にあり』なんかは圧倒的だし、初期の『果てしなき欲望』なんかも、フィルムノワールっぽくていいんだけど、へそ曲がりのわたしは、あえて前述の内容からは外して、異色のドキュメンタリー『人間蒸発』を推薦したいと思う。

この作品は、実際に失踪した男性を追う婚約者の女性を取材したものなんだけど、撮影中の女性の心理に撮影が振り回されてしまい、思わぬ事態を向かえることに…。

そういえば、この女性との後日談は、何年か前の日経新聞「私の履歴書」にも話が出ていましたね。

わたしの勝手な推測では、原一男の『極私的エロス』も絶対にこの作品の影響を受けていると思う。

追悼ということで、どうせ『楢山節考』とか『うなぎ』が放送されたりするんだろうけど、このニ作品は後回しにして、やっぱり『人間蒸発』か前述の作品を観てもらいたいものですね。

個人的には、最後の川島雄三門下である今村監督の訃報は、ひとつの時代の終わりを感じるものなんですが、今後も映画人の訃報って続きそうだから、感傷的になってる場合じゃないかな…。

ともあれ、ご冥福をお祈りいたします。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (飾釦)
2006-06-03 12:41:18
TBさせていただき、コメントをいただきました。ありがとうございます。今村監督は骨太という言葉がぴったりの映画をみせてくれたと思います。今後ともよろしくお願いします。
返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2006-06-04 12:44:37
飾釦さん、お越し頂きありがとうございます。



今村監督は仰るとおり、骨太で生命力溢れる戦後派の監督だったという気がします。



ところで、飾釦さんのブログはディープな内容のブログですね。今後もちょくちょく覗かせてもらいます。



今後もよろしくです!
返信する
そうなんです (飾釦)
2006-06-08 00:20:29
なぜかディープになってしまいました。当初はそんな気はまったくなかったのですが・・・。自分でもびっくりです。乱歩はいたって常識人だったそうです。だけど小説はディープな世界、そんな乱歩にあやかってみようと無意識下で働いたのでしょうか。今は掘り起こすということに興味があるんですね。きっと。



こちらこそ、よろしくです。
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