切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、二月文楽公演(第二部&第三部)、観てきました!

2016-02-13 22:52:03 | 恋する文楽
諸般の事情で、二部連続観劇という、わたしにとっては体力破りなスケジュールでしたが、嶋大夫引退披露狂言、呂勢大夫の口上の段階から涙が出てきましたよ。記憶に残る一日になりました。簡単に感想!

住大夫師も好きではあったけど、個人的に偏愛してたのは何といっても嶋大夫師だったので、本当につらいお別れです。その前に、二部の最初が「鰻谷」。これは陰惨な話なんだけど、呂勢大夫・清治が素晴らしかった。文盲の母親と幼い娘の情感あふれる語りが熱気に満ちていましたね。勘十郎の女房お妻の人形!

次が、嶋大夫引退披露狂言「関取千両幟」。最初に呂勢大夫による口上があって、深々と頭を下げる嶋大夫。しかし、語りだしたら、衰えどころか、今月の大夫の語りの中でも群を抜いた出来で、声量といい、声の艶といい、引退なんてもったいなさすぎる。というか、他の大夫はこの事態に何を思うんだろう…。蓑助師の女房おとわの人形の繊細さといい、早くも今年屈指の舞台だと思いました。

そして、床が回り切るまで深々と頭を下げたままの嶋大夫師。個人的にも万感迫るものがありました。四月の公演以降、この人の語りが聞けないなんてね…。

第三部は、千本桜の「渡海屋・大物浦」と「道行」。久々に文楽の渡海屋を観たんだけど、歌舞伎と大道具の使い方がだいぶ違うんだって、再認識したというか、文楽の方が典侍局のしどころが長いというのと、文楽の知盛の最期の方が改めて考えると孤独感深いな、と。

というわけで、たぶん別稿立てて感想書きます。しかし、今日の観劇の感動と喪失感をどう表現したらいいんだろう?



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