切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、国立劇場小劇場で文楽観てました。

2015-12-05 23:59:59 | 恋する文楽
12月恒例の若手公演。今月は「奥州安達原」と「紅葉狩」。満員御礼の札を見てちょっとホッとしましたよ。ということで、簡単な感想のみ。

若手公演といっても、ベテランと若手の線引のラインがかなり上の方にあるという印象だったのが、大ベテラン陣の相次ぐ引退もあって、いよいよラインが下がって来たか~と、よくよくチラシを見てみたら、鑑賞教室の演者の方が若干ベテランで、本公演の方がやや若かった!わたしは「三十三間堂棟由来」があんまり好きじゃないんで、本公演のみの観劇です。

まず、「奥州安達原」。朱雀堤といい、環の宮明御殿といい、床本だけ読んでもなかなか頭に残らないほど複雑な演目だし、歌舞伎でもなかなか出ないということが、難物であることの証明なんじゃないですかね。

一応、17世勘三郎の袖萩に、孝太郎の子役時代のお君の映像を見直したり、「浄瑠璃素人講釈」と越路大夫の芸談&CDを聴いたりして、それなりの予習したつもりでしたが、思いがけないハプニング!当日まったくの体調不良に重ねて、おそろしく長~いこの舞台でひどく消耗してしまい、さすがにわたしも参りました(ちなみに、上演時間約2時間半ぶっつづけ!)。

ということで、限定的な感想ですが、千歳大夫は精一杯の熱唱ながら、なにしろ越路大夫のCD&詳しい解説があるものだから、随分センチメンタルな印象をもちました。人形では、幸助の宗任の人形が躍動感あってよかったですね、清十郎の袖萩も哀れでよかったけど。

「紅葉狩」は、少し体調が回復したせいもあって、堪能しました。更科姫の呂勢大夫の語りと勘彌の人形がなかなかの妖気を放っていい感じでした。惟茂の芳穂大夫、一輔も清新な感じがありましたしね。

そんなわけで、「奥州安達原」はあらためて大変な演目だと思いました。ま、先代勘三郎と越路大夫が「やりがいがある」ってコメントするんですからね~。資料集を熟読しようと思います。では!

義太夫選集
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日本伝統文化振興財団


四代越路大夫の表現―文楽鑑賞の手引き
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淡交社
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