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切られお富!

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『学生野郎と娘たち』 中平康監督

2010-02-04 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
前の記事とのつながりで、この映画の感想を書きます。とにかく、傑作!快作!

中平監督といえば、デビュー作の『狂った果実』以来、スピーディーなカット割りと早口のセリフ廻しで、戦後映画界のモダニストといわれたひと。

代表作といえば、石原裕次郎主演作の『狂った果実』や『紅の翼』なんかがある一方、フォトジェニックな画面で再評価された『月曜日のユカ』や、ルパン三世の原型になったといわれる『危いことなら銭になる』などがありますよね。

(因みに、わたしが好きなのは、裕次郎&芦川いづみの奇想天外なスクリューボール・コメディ『あした晴れるか』!)

で、この作品(『学生野郎と娘たち』)ですが、タイトルどおりの大学生青春モノって感じ。同じ監督の同じく大学生モノでは裕次郎主演の『あいつと私』なんて傑作もありますが、アチラはカラー、コチラはモノクロ映画。

苦学する私大生(主に女子大生)たちと、外国帰りのインテリ学長の対決を話の縦糸に、さまざな学生たちのエピソードが羅列されていきます。

映画監督志望の長門裕之、女子大生のリーダー格で、バイクでキャンパスに乗りつけたりする中原早苗、陰のある真面目な学生芦川いづみなど・・・。

で、その描かれ方のウェットじゃないところが痛快で、ゴダールの『男性・女性』なんかと同列に論じられるべき、軽やかな青春群像なんじゃないのかな?

とはいいながら、芦川いづみの役の悲しい運命(レイプ、売春)の衝撃性、そして、それを湿っぽく受け取るんじゃなく、「くたばれロッキード!」という啖呵で消化する中原早苗のカッコよさ!!

この映画こそ、同じ監督の『月曜日のユカ』や『狂った果実』以上に、古びない感覚を持った作品だと思います。

残念ながらDVDが出ていないので、名画座での上映やCSチャンネルでの放送でしか観ることのできない作品ですが、もし観る機会をみつけたら、是非ご覧ください!

早すぎた天才監督の、埋もれた傑作!絶対オススメ!!!

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