切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、歌舞伎座(昼の部)観てました。

2016-07-18 21:00:36 | 私の写メ日記(観劇版)
七月大歌舞伎、観てきました。柳澤騒動と流星。海老蔵、猿之助、中車が充実してたんですが、特に海老蔵が一段深み増したかな。ま、この人、最近苦労してるからな~。それに、人間国宝の東蔵が老練にして艶っぽい!ということで、簡単に感想っ。

最初が柳澤騒動。序幕から三幕目、特に三幕目の最後の、海老蔵演じる柳澤吉保が味わいありましたね~。ライバル役の猿之助との緊張感もよかったし、徳川綱吉の中車も堂々たる感じでした。

綱吉の母桂昌院役の東蔵は冒頭にも書いた通り、貫禄&風格ありで、なおかつ海老蔵と決まるところの艶っぽさ!全然現役の人間国宝として、ますますの活躍が期待できそうですね。

で、今回奮闘してたのは、おさめ役の尾上右近(今回は市川右近も出ているんで、フルネーム。)。中堅・ベテランに囲まれた中で、悲劇の女性役を好演していると思いました。今まで観たこの人の芝居で、一番インパクトあったかな。

ただ、最後にこの芝居の難点を言っておくと、いまいち舌足らずな作品で、登場人物の行動の要因や展開の理屈がわかりにくいんですよね。前半の心理劇風なくだりから、最後は時代物の悪人みたいになってしまって、いまいち感情移入がしにくい。宇野信夫作品の粗さについては、映画版の『不知火検校』の脚本を書いた犬塚稔も批判してるくらいだから、しょうがないんですかね…。

次が猿之助の宙乗りつきの「流星」。この演目というと三津五郎の印象があったんで、澤瀉屋版を観るのは初めてなのかな。前の芝居で壮絶な芝居を見せた後、短い幕間で再登場した織姫役の尾上右近が、若いだけあって元気。已之助の牽牛もまずまずだったんですが、やはり、猿之助の面をつけた踊りの連続に最後の軽やかな宙乗りで、かつて7月が多かった猿之助奮闘公演(三代目)を思い出しました。

というわけで、今月ばかりはアンチ海老蔵派も海老蔵を褒めてあげてもいいんじゃないですかね。

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