切られお富!

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<訃報> 映画監督 野村孝 (2015.05.05)

2015-05-14 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
戦後の日活の監督(ロマンポルノ以前)の評価って、もう一つ定まっていない印象があって、忘れ去られつつあるんですが、この人の職人気質も語りなおされていいですね。ご冥福をお祈りいたします。

裕次郎作品を撮っていた監督で、作家としての評価が浸透しているのは中平康とかろうじて蔵原惟繕くらいじゃないですかね。舛田利雄ですら忘れられつつあるし、個人的に好きな松尾昭典なんかは語られることすらない。

その談でいえば、野村孝の場合は、主演の宍戸錠本人が愛してやまない作品『拳銃(コルト)は俺のパスポート』のおかげで、かろうじて一部のシネフィルに記憶されて続けているという印象(ちなみに、海外の日活アクション紹介本の表紙になっている!)。

わたしは、日活の名場面集映画『アゲイン』のなかで、この映画の有名な銃撃シーンを観て感動、本編を観ました。音を最小限に抑えたスタイリッシュなカット割りに痺れたものです。

他では、有名な割に観られていない『夜霧のブルース』は、世間的に有名な『夜霧よ今夜もありがとう』(江崎実生監督)よりもっと観られるべき作品だし、小林旭と吉永小百合の共演作『黒いきずあとのブルース』もシャープでカッコいい。

なんでも引き受けるタイプの監督ではなかったそうなので、同時代の監督に比べると寡作ですが、もうちょっと語れるとよいと思いますね~。

あと、『早射ち野郎』あたりかな~。

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