切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

大阪で思ったこと。

2006-04-09 12:14:57 | 恋する文楽
今年は諸般の事情から、「こんぴら歌舞伎」を断念したので、その代わりといってはなんですけど、大阪へ文楽を観に行ってきました。そこで、今回思ったことなど、つらつらと…。

木曜日の晩に新宿発の夜行バスに乗って行ったわけですが、今回は片道4,800円のバスにはじめて乗ってみました。これが安いだけのことはあって、それなりの座席でしたね。二人がけの座席で狭いし、トイレはあるけどサービスの類はなし。わたしはどこでも寝れる性質なのでいいけど、人によっては合わないかもしれませんね。

大阪に来たのは海老蔵の勧進帳を観に来て以来なんだけど、そのときはもう少し値段の高いバスで、やっぱり早朝着。今回も前回同様、なんばOCATで降りましたが、朝に着くと行くところに困るのが、深夜バスの欠点ではあるかな?

ファミレスで朝食をとっても文楽の開演の11時には時間があるので、話のタネにお初天神に行ってみました。おそらく、昔の面影は全然ないのでしょうが、露天で骨董品なんかを売っていて、「だから、露天神社というわけね」と納得。桜も咲いててなかなか綺麗でした。

 つゆてんじんじゃ
露天神社(お初天神)


さて、いよいよ文楽の本拠地、大阪国立文楽劇場へ。桜が咲く通りに幟が立って、なかなか表もいい感じでしたが、建物に入って驚いたのが、売店でNHKの文楽のカセットを売っていたこと。CD時代にカセットテープというのは意表を突かれたし、NHKもこういうの出してたんだって思いつかなかったなあ…。(因みに、NHKの販売ページはココ!)

国立文楽劇場HP

展示コーナーをグルッと見回して、二階の入り口を入ると、今回襲名の六世鶴澤燕三の関係者席があって、隣がイヤホンガイド。しかし、大阪ではイヤホンガイドって人気がないんですね。わたしも今回は第一部しか借りなかったけど、さすがに「ひらがな盛衰記 逆櫓」って、あんまり歌舞伎でも観てないから、自信がなくって…。(友人に言わせると、大阪では人形より床本を見ている人の方が多いと聞いてましたが、わたしの観た日はそれほどでもなかったナア~。)

芝居の感想は別のところで書くつもりですが、一部二部を通して感じたことは、舞台の充実に比して客の入りが…、という話。わたしの観た日は、一部がまあまあ入っていて、二部は結構空席が目立った。わたしは一部も二部も前の方で観てたんだけど、二回とも隣は空席で体は随分楽でした。でも、東京でのチケット争奪戦の電話を毎回経験している者としては、なかなかカルチャーショックでしたよ。しかも、今回の第二部は、住大夫の「切腹桜丸」の段で桜丸が蓑助だし、寺子屋は綱大夫と嶋大夫(じつはわたしは嶋大夫がとても好きです。)。二部の方が人気があっても良いくらいの充実ぶりだとわたしは思いましたけどね…。

一部終演後は、六世鶴澤燕三が入り口で挨拶していたので、わたしも思わず会釈。二部の終演後は、ロビーでなんと住大夫夫妻がファンと記念撮影をやっているなど、地元ならではなのか、集客のためのファンサービスなのか、文楽関係者もなかなか大変だなあなんて正直思った。

ところで、文楽は以前からそれなりに観てはいたけど、俄然、わたしのなかで力の入れ方が変わったは、去年の玉男さんの休演以降。玉男さんに限らず、住大夫、文雀、蓑助など、誰にいつ何があるかわからない、高齢な演者主体の文楽の世界で、一回一回の公演を目に焼き付けておかなくては一生後悔する事になるとわたしは思うようになりました。

ベテランの演者の側も「これがこの演目をやる最後」と考えながら、毎回公演しているそうですが、観る側も「これが最後」という覚悟で観に行かなくては…。

そんなわけで、五月の東京公演もチケットはゲットしているし、今後も大阪遠征しようかな?

とりとめのない感想でした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 帰京! | トップ | 菊之助が「犬神家」で佐清(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

恋する文楽」カテゴリの最新記事