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切られお富!

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『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』 石井輝男監督

2010-07-22 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
「ブログ開設6周年後の記事、第一弾がコレか!」といわれそうですが、究極のカルト映画って感じですかね?!その内容のために日本国内ではDVD化されないという、いわくつきの作品。長年にわたって見逃してきたので、ついに観ました!上映館が銀座シネパトスというのも場末感漂っていてよいですね?!というわけで、簡単に感想!

観終わったあとの偽らざる感想を言えば、「これは過大評価されてるなあ~」という印象ですか?!

正直言って、石井輝男監督の最高傑作とはいえないと思います。

どうも石井輝男監督というと、一部のフォロワーがこの手のカルト作品を誉めそやして、「キワモノ監督」的に祭り上げようとしますが、わたしは本質的に違うと思いますね。

この監督って、職人的なストーリーテラーだってところが特徴で、本質的には変態でもなんでもないいい意味で娯楽映画監督ってタイプなんじゃないですか。師匠筋が早撮りの名人渡辺邦男監督だってことが象徴的ですしね。

だから、たった90分程度なのにぎっしりとストーリーの詰まった『網走番外地』シリーズや『徳川女系図』みたいな映画にわたしはより感心するんですが、こういうことを書くと、一部のファンは怒るんでしょうね?

さて、話をこの映画に戻すと、江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」「孤島の鬼」「人間椅子」なんかを組み合わせたストーリーで、トッド・ブラウニング監督の『フリークス』を思わせる話です。

障害者をキワモノっぽく取り扱っているために、日本国内ではソフトが発売できないのですが、海外では発売されていて、マニアの間では逆輸入版が出回っているようです。

で、映画ならではだと思うのは、現代舞踊の土方巽が異様な迫力を放っているのと、珍しい小池朝雄の女装姿!

逆に微妙なのは、変にセンチメンタルな終わり方かな~。

というわけで、石井輝男入門としては薦めないけど、映画マニア、変わった映画が観たい方にはオススメします。

でも、何も知らないで観た人はどう思うんだろう?

因みに、ワイズ出版から出ている本にシナリオが掲載されているので、興味のある方はご参考にどうぞ!

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(最近のつまんない大奥モノ映画を観るくらいなら、コレとか鈴木則文監督の『エロ将軍と二十一人の愛妾』が大傑作!タイトルが凄いのでひく人もいるでしょうが、観たら、ホント、引っくり返りますよ!)

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