切られお富!

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キネ旬の「“若尾さま狂い”にご用心」

2015-07-06 00:00:00 | アメリカの夜(映画日記)
特集のタイトルといい、表紙といい、内容といい、よいんで、買いそびれてたんだけど、買ってしまいました。

情念と飄々とした部分とを併せ持つ魅力が、「若尾さま」ですね。

60年代後半くらいまでの映画各社全盛時代、他にも映画スターはいるにもかかわらず、ファンを更新し続けているのはなぜなんだろうとよく考えます。

彼女と切っても切れない増村保造監督は、映画オタクにこそレジェンドですが、若尾さんほどには、いまや知名度がない。

昨年から、増村組のプロデューサー藤井浩明さん、脚本家の白坂依志夫さんが亡くなり(ちょっとだけ自慢。藤井さんと白坂さんのサイン両方持ってます!)、往時の大映関係者がいなくなるなか、今なお輝き続ける若尾さん。

わたしなりのささやかな分析でいうと、和装も洋装もどっちも似合うというビジュアル。若い時からちょっと落ち着いた感じの声。情念も気まぐれも演じられる、カトリーヌ・ドヌーブに通じるような、良い意味のカラーの無さ。このあたりに秘密があるような・・・。

ということで、好きな作品は以前あげているので、独り言はこの辺で。

PS:この号に載っている蓮実重彦VS青山真治対談「溝口健二著作集に寄せて」もよかった。「日本人で溝口を見ないなんて生きている資格がない」とは大いに共感。フランス人のインテリはよく見てますからね。ま、文楽もわからない橋下とかは全く見てないだろうけど。乗せられて、溝口健二著作集を買ってしまい、『お遊さま』も久々に見直してしまった!ちなみにわたしが偏愛している溝口作品は『噂の女』です!

キネマ旬報 2015年6月下旬号 No.1690
クリエーター情報なし
キネマ旬報社
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