1997年、同僚だった香港に住む友人がワインの世界で今もつながっている。Guigalをはじめとする秀逸なワインと食を探求する彼が来日することとなり、ワインディナーを共にした。今回のテーマはLa Turque。この畑としては初ヴィンテージとなる1985(RP100)と、ビッグヴィンテージの1990(RP98)を並べて飲むというまたとない機会となった。90は彼が持参し、85は私のセラーから。とは言っても85は、10年以上前に彼から購入したものである。
ギガル最高のCote Rotieは、三銃士と形容される3畑から造られる。北からLa Landonne、La Turque、La Mouline。La Turqueは、コート・ロティの畑の中心近くに位置する銘醸畑。混植されたヴィオニエが約7%混じっている。白(ヴィオニエ種)のコンドリューを産する南寄りの区画はLa Moulineで、約14%のヴィオニエが混植・混醸されている。北寄りのLa Landonneは、シラー100%からワインが造られている。La Turqueは両者の間に位置し、ヴィオニエの混植・混醸比率も中庸を行く7%程度。詳細は、前回のギガル会のblogに掲載しています。
http://blog.goo.ne.jp/vino_masa/e/841d29f7fe03ac73cce87ef7adfee200
今回は、いずれのワインともデキャンティングは行っていない。年を経てデリケートになっているとの懸念を考えての選択である。85のスロースターターに辛抱を強いられたが何れも状態はよく、味わいも繊細でデキャンティングをしないことは正しかったと思われる。グラスは流儀にしたがって、ローヌに近いリーデルのボルドーとした。
1990は、数日前に香港から運ばれたもののため、ボトルショックが懸念されていたが、杞憂に終わった。溌剌とした若さが残る果実味に、適度の酸と熟成したニュアンスが美味く混じりあい、極上の美味さを醸し出している。パワーが感じられ、ワインはまだ若い。あと20年は行ける。
1985は、開くまで時間を要した。思のほか繊細なワインで、豊かな酸に驚かされる。徐々に赤系果実とダージリンのような香りが混じり合った香りが立ちはじめ、1時間半を経てその素晴らしさが充満して来る。
最初は1990に軍配と思ったが、妖艶さは圧倒的に1985である。ただし、すぐには開いてくれない。最初、1990は芳香に溢れるが、1985の心地よい酸味は絶妙な味わいを造り出していると思ったが、両ヴィンテージとも刻々と変化するので、安易な判断はワインに対する冒涜となってしまう。今回はGuigalのLa Turqueのみのため厳密ではないが、北ローヌのシラーは、オーストラリアのシラーズやカリフォルニアのローヌレンジャーと比べると明らかに酸が突出し、それが繊細で特徴的なワインを形づくっている。 かつては、燃えるようなパワーに惹かれたが、歳をとると繊細な酸にからまる熟成感が何とも言えない。
乾杯のシャンパーニュは、アンリ・ジローのオマージュ・ア・フランソワ・エマール
彼とのcrazyなワイン会(2010年)の一部を、彼のサイトからいただいてきました。
サイトのリンクは、http://www.diarygrowingboy.com/2010/08/tokyo-2010-day-8-california-screamin.html
他のワイン会は写真を保存していませんでしたが、たまたま2002年の頃のスナップショット(83、86、90のグランジ縦)が残っていました。