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Vino Masa's Wine Blog

Weekly notable wine update.
毎週、気になったワインをアップデートします。

Chalone Vineyard

2015-11-18 | ワイナリー訪問記

 

Californiaのピノ・ノワールの造り手の草分けの一人に数えられるChalone Vineyradは、一社の所有畑がそのままワインの原産地呼称地域となっていることでも有名である。原則、個社ごとに呼称地域を割り当てないCaliforniaで、なぜここだけが特別なのか?Californiaに来たついでにこの目で確かめるべく足を伸ばしてみた。

 

Chaloneは、San Franciscoの南のMonterey Countyに位置し、シリコンバレーで有名なSan Joseからも車で1時間南の山中にある。山ぎわには広大なブドウ畑が数珠つなぎに広がっている。これらの畑の畝は数百メートルに及ぶほど長く、畑も広大である。California州は、栽培家と醸造家の役割分担が進んでいる。それぞれの畑の前には所有企業の名前が記されているが、記憶にないところばかりである。これらの畑から造られたブドウの多くは契約した醸造家に提供され、それぞれの生産者名で販売されているのであろう。


ナビに沿って進むとこれらの畑からは離れて山の上に進むことになる。人家はない。15分も進むと道端も狭く、樹木も減り、荒野となる。ナビ上の目的地は山道の交差点を指すのみで、ナビが誤っていると考えてしまう。樹木のない荒野が広がる山の頂に出たので引き返そうと思ったとき、はるか遠くに黄緑色の場所がある。諦めずに5分ほど曲がりくねった細い道を走り続けると畑が現れた。Chalone Vineyardは、山奥深くにあった。


丘の起伏の上に整然としたブドウ樹の樹列が並んでいる。土壌は白っぽい。Chaloneのサイトによると、Californiaの数少ない石灰岩土壌であるのでこの地にしたとある。シルバーウィークに訪れたので、収穫が終わっていたが、ここの黄緑色の葉は綺麗だ。ここに来る前に寄った近隣のSan Benitoの畑にリーフ・ロール・ウィルス罹患の疑いがある赤い葉の樹が点在していたが、他の栽培エリアと隔離されているためか、ここだけはその気配がない。

 

http://chalonevineyard.com/our-winery


 

 

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ブルゴーニュが目指す遺産の継承

2015-05-24 | ワイナリー訪問記

ブルゴーニュの世界遺産登録が話題になっているが、何故ブルゴーニュ人はこれにこだわりを持つのか。我々愛好家にとってテロワールは確立された概念ではあるが、一般には必ずしもそうではない。世界遺産登録の旗振り役のオーベール・ド・ヴィレーヌは、「テロワールとは、これを聖杯とみなす者がいる一方、否定する生産者もいるという確立途上の概念である」と語っている。

リチャード・スマートは、テロワールはジャーナリストによってカルト的なものに祭り上げられたが、その中で重要なことは、畑が水を吸収する力と保持する力の性質に限られ、斜面、日当たり、高度、ミクロクリマの影響といった要素は変更可能として、アンチ・テロワールを表明している。また、同じ畑の異なる生産者のワインを並べてみてもそれほどの同一性を感じないという、一般的な経験則を上げる者もいる。ヴィンテージに加えクリマごとに細分化された商品群を造ることは、マーケティング戦略上のメリットのためで、差異を感知できるだけの味わいの違いがあるかは微妙でもある。

それぞれに対する反論もあり、議論は容易に収束するとは思えない。ヴィレーヌ氏は、「ユネスコの世界遺産への登録を検討するほどの確固とした枠組みがあるのだろうか」と問いかけているが、クリマを世界遺産登録に諮ることによって、テロワールが具現化されたクリマの概念の確立を一歩進めたいのであろう。

世界遺産登録によって土地の売買、分割などが阻まれるリスクは増大する。病害対策などへの対応が他地域に比べて遅れる懸念もある。雹対策としてのネットはすでにAOC法上許容されていないが、世界遺産の景観の基準に照らしてさらに融通は効かなくなるであろう。最悪の事態においては、景観が損なわれて登録抹消に追い込まれるだけなので対応不能とはならないが、足かせになることは否めない。

それでもなお、世界遺産の登録を目指すのは、ヴィレーヌ氏が引用する、ブルゴーニュ大学のジャン・ピエール・ガルシア教授の言、「自然から賜り、人間によってつくられたものーーークリマはまさしく歴史的な遺産であると、村の人々が証言しており次の世代に引き継がれなければならない」との思いが強いからであろう。

ヴィレーヌ氏は、景観が重視される世界遺産とは別に、クローンなどの苗木の保存にも熱心である。ルイ・ラトゥールのデニス・フェッツマンとともに、ブルゴーニュ品種保護協会(Association pour la Sauvegarde de Cepages de Bourgogne)を設立し、ブルゴーニュの植物材料が継承して来た遺伝的特性の保護を目指している。今後15年で、新しく200種のクローン育成が計画されている。

参考文献:山本昭彦氏「ワイン・レポート」http://winereport.blog.fc2.com/blog-entry-1350.html

レミントン・ノーマン著「ブルゴーニュのグラン・クリュ」(白水社)特にこの「序」は、オーベール・ド・ヴィレーヌが寄稿している

 

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ボンヌ・マール

2015-04-18 | ワイナリー訪問記

ボンヌ・マールを直訳すると「良き母」となるらしい。この「母」がある聖職者を指すのか、大地の恵みの根源を表すといった諸説あるそうだが、「母」の意味は使い勝手が良い。「母の日」に合わせても、お母様を亡くされた方を慰めるための贈り物としても。

パワーを感じるヴォーヌ・ロマネ村のワインに比べてシャンボール・ミュジニィ村のワインは繊細と言われている。その可憐さが人気を惹き、この村のワインはとてつもない値がつく。村の南に位置するミュジニやレ・ザムルーズはその筆頭で、ヴォギュエやルーミエのものは10万円を下らず、一般ワイン愛好家に手が届くものではない。ひと月の飲み代を投入して何とか買えるのがボンヌ・マール。ブルゴーニュに数時間足を踏み入れるチャンスを得たのでこの畑を探求してみた。

シャンボール村の北側とモレ・サン・ドニ村にまたがるグラン・クリュ、ボンヌ・マールは、2つのタイプの土壌で構成されている。拙訳書「ブルゴーニュのグラン・クリュ」によると、この畑には二つのテロワールが存在しうるとか。斜面下部の赤褐色土(テール・ルージュ)と斜面上部の白色土(テール・ブラン)の2つで、これを分かつのが斜面の途中を横切る農道の辺りだそうだ。これが可視的な土なのか、そうでないのか見るためにブルゴーニュのボンヌ・マールへと向かった。

斜面下部を眺めた写真を見ると、確かに土壌は赤褐色をしている。鉄分を多くふくむのであろうか。

斜面上部は確かに白っぽい。石灰質の含有量が高いのであろうか?

 

実際のところ、農道は斜面に水平ではないためであろうか、土の色が道の左右で完全に赤と白に分かれるわけではないが、それでも大まかには斜面上部と下部に顕著な違いがあるといえそうだ。

両方の区画を有するルーミエなどの生産者を訪れ、それぞれの区画のキュヴェを飲ませてもらう以外2つの区画の違いを知ることはできないため一般ワイン愛好家がこれを試すチャンスはない。それでも、両方の区画を持つルーミエとテール・ルージュのみを所有するヴォギュエのボンヌ・マールを比較試飲すればその違いを知るヒントが隠されているかもしれない。

レミントン・ノーマンは、テール・ブランの土壌はボンヌマールの南に続く一級畑レ・フュエやレ・クラとの類似性を指摘している。これらの一級畑とテール・ルージュのヴォギュエを比べてみるのもインスピエレーションを与えてくれるかもしれない。

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エルミタージュ

2015-03-29 | ワイナリー訪問記

エルミタージュはローヌ屈指の銘醸畑。急峻な南向き斜面。下を流れるローヌ川と畑の間にTain Hermitgeの街がある。SNCFの駅ホームから畑を見上げることができる。

左側にChapoutierの看板が並んでいる。シャプティエの銘醸畑が連なっている。

 

中央もChapoutier。ここにおける多くの畑はシャプティエが所有していることを印象付けられる。ここの斜面上部が最後の2枚の撮影場所。

 

斜面右手上部にはPaul Jabouletの看板。La Chapelの畑はこの辺りであろう。自然農法のひとつ、ビオデナミを採用するシャプティエとは対照的に、ここの畑の土壌には緑がない。もう1人の名手、シャーヴの看板はない。宣伝は家訓に合わないのであろうか?

 

街から斜面を見て右手に斜面を登る道がある。回り込むと畑の反対側(ここに畑はない)が駐車場付きの見晴台となっている。ここに車を止めて頂を超えるとエルミタージュの畑の上に出る。こちらも絶景。眼下に蛇行するローヌ川が横たわる。急峻な斜面で中腹が目に入らない。

 

ここもコート・ロティと同様に株仕立て。棒に弦が巻き付く構造になっている。

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コート・ロティ

2015-03-28 | ワイナリー訪問記

ローヌを代表するコート・ロティの丘。表題の写真は、ブリュンヌ側。急斜面に石を組み、テラス状の畑を造ったところにブドウ樹が植えられている。右手はシャプティエのコート・ロティ・モルドール。ビオデナミ農法を採用しているためか畑に緑が多い。

 

テラス内は平たんかと思っていたら斜度がある。「38度の斜面にブドウ畑がある」ときいてそんなはずはないと思ったが、斜面全体が最大38度、テラスを採用しているので、畑の斜面は15度くらいであろうか。この写真はギガルの畑。この中の秀逸なブドウから超熟で重厚な「ラ・ランドンヌ」が造られる。シラー100%のため混植はない。

 

3月26日現在で新芽は出てきていない。シラーは生育のサイクルが遅い。株仕立て方式。支柱に弦を這わせる。

 

丘の中腹からブロンヌ側を眺めた。ブロンヌ側はテラスにせず、斜面に植樹されている畑が多い。

 

樹は低めに仕立てられている。農作業はかがんで行うことになり、腰に来るとの逸話も聞く。

 

斜面上部からのながめ。急斜面である。

 

斜面の下から畑を見上げた写真。おそらくラ・トゥルクの区画方向。ギガルがこの畑のワインを初リリースしたのが1985年。ヴィオニエ混植率7%程度で最もバランスが取れていると言われている。

 

こちらは、ブロンヌ側。ギガルの看板周辺はテラスになっている。一概にブロンヌ側にはテラスはないとは言い切れなさそうだ。シラーのブドウ樹の中にヴィオニエの樹が混植(約14%)されているが、葉や実がついていないので判別不能。この辺りから華やかさの際立った「ラ・ムーリンヌ」が造られるのだろうか。確かにラベル上に描かれた畑の絵に似ている。

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10Rワイン

2014-12-19 | ワイナリー訪問記

北海道の岩見沢近郊に知る人ぞ知る「10Rワイン」(トアールと読む)がある。

このワイナリーを経営し、自らワインを造るBruce Gatlove氏は、UC Davisを卒業後、ワイン造りを指導するために栃木県のココファームに招聘された。短期間のつもりが滞在日数が延び、日本に居着いてしまった。ココファームの経営に携わる一方、自らのワインを造るべく北海道の岩見沢市の隣、栗沢町にワイナリーを立ち上げた。

訪問日(12月8日)の前日は吹雪に見舞われ、札幌から岩見沢まで余すところなく銀世界に包まれていた。幻想的な風景の中をタクシーで進むのだが、このワイナリーには看板もなければサイトに地図も掲載されていない。10Rワインに電話をかけて、ナビゲーションをしてもらいやっとたどり着ける。したがってワイナリーには、テイスティングルームなどの洒落た設備はなく、事務所と醸造設備があるだけである。「観光ワイン」とは一線を画すという強いメッセージを感ぜずにはいられない。一般visitorを受け入れないカリフォルニアのカルトワインやフランスのガレージワイナリーを彷彿させる。

Bruceのワインに対するこだわりは、場所の選定から始まっている。当初は、海外でのワイン造りも考えていたが、日本の長野・山形・北海道にポテンシャルを感じたそうだ。なぜ北海道か?ここであれば平地でワインを造れる、山形だと標高400㍍は必要で、長野であれば標高700㍍でなければ目指すワインができないとの意見を拝聴した。特に北海道では、積雪が多いことがヴィニフェラワインの生育に重要で、初冬にまとまった雪があれば枝先まで雪に埋めることで、風雪による気温の低下に伴うブドウ樹の壊死から守れるそうである。山を隔てた十勝地方は、雪が少ないためワイン樹が風雪にさらされ、ワイン樹が死んでしまうそうだ。確かに、大学では、マイナス20~25℃でブドウ樹は死ぬと習った。十勝では、耐寒性に限界があるヴィニフェラのブドウ樹を諦め、ヴィダルといった寒冷地用のブドウ樹を用いるとのこと。それにしても、マイナス40℃に達する旭川にそう遠くない。正確には名寄が最北のワイナリーであるそうだが、岩見沢はまさに日本のブドウ生育の北限との印象を受けた。

ブドウは斜めに仕立てるそうだ。これにより、積雪が少なくてもブドウ樹を雪に埋めやすいそうだ。北海道の余市周辺で最初に考案され、広く使われるようになった仕立て方らしい。個人的には、そんな不格好な仕立てで良いブドウが実るか疑問を感じる。VSP仕立てで上に樹を伸ばし、高さを抑える方が真っ当なブドウ樹に育つと思うのだが。Bruceの意見は、「そうかもしれない。やってみるといいよ。」試すしかないのかも。

剪定方法は、先進的な手法が採用されている。Double Pruningと呼ばれる、年2回の剪定を行っている。1回目は収穫後に行われ、長く伸びた枝を余裕をもって切り、2日目は春先に行われ、残す新芽のすぐ上を切り落とす。1回目は雪による枝折れ防止も兼ねている。日本の場合、除葉も必要で実践しているとのこと。

防かび剤、殺虫剤を利用していることについての意見は率直だった。日本の高い湿度で防カビ剤なしは厳しいとの意見。殺虫剤も使用を止める方向だが、収穫できなくなると元も子もないので、入念な観察と調整を続けているそうだ。私がジャックセロスを2012年に訪問した際、雹害とベト病に見舞われてブドウ樹が壊滅しそうになった時、農薬を用いたと説明してくれた。アンセルムが「自分の子供が死な時に親であれば、可能性のある投薬を認めるのと同じだ。」と説いていたことをBruceに伝えたところ、激しく同感してくれた。

自分のワイナリーのため、収穫に対するこだわりは強い。日本のワイナリーは、フランスのカレンダーを真似て早く収穫したがる。霜が降りる直前まで待って糖度を上げるべきだと言うことがBruceの意見。日本のブドウは糖度が低く青臭いのは、収穫が早すぎるということはその通りとも思う。幸いにして北海道を通過する台風が少ないのでそれができるとのコメントもごもっともで、そこが北海道にポテンシャルがある論拠の一つなのであろう。

寒い場所のため、Stuck Fermentationは大きな問題のようだ。いくつかの桶では、発酵が止まったままとのこと。それでも、温度を上げて発酵を促すこともせず、そのままにしている。来年のワインの醸造時に発酵中のワインを入れてスタートさせたいと考えているそうだ。

SO2の添加量についての話は興味深かった。UC Davisでは、pHの値に応じて必要となるSO2の量が変化することを教えられる。この理論に異論はないが、推奨SO2添加量については、安全性を優先しすぎた値とBruceは考えている。かつてUC Davisのフィールドトレーニングで同席したBryant Familyの醸造責任者でもあるToddも同意見で、推奨値よりもかなり低い添加量をBryant Familyでは添加しているとのこと。SO2添加量もpHに応じて一律に決まるものではなく、さまざまな戦略がありそうだ。

高い志とともに、栽培・醸造に関わる設備の調達方法などのpracticalなアドバイスと全てにわたり、多くを学び刺激を受けた。

 

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Vino Noceto & Renwood Winery

2014-12-07 | ワイナリー訪問記

Amadore Countyのワイン巡りレポート最終は、Vino NocetoとRenwood。

Vino Noechotoは、Turleyで紹介されたワイナリー。イタリア・品種に特化している。なぜか?6月頃から雨が全く降らない地中海性気候、特に熱さが続く中部イタリアに近いとの答え。山がちな土地であることも相似点があるとのこと。ローヌレンジャーは、すでに多くの人がチャレンジしているので、差別化をはかりたかったとの率直なコメントもしてくれた。広くイタリア品種を栽培し、北イタリアのPinot Grigio、Barbera、中部イタリアのSangiovese、南イタリアのZinfandel(≒Primitivo)がリリースされている。Sangioveseからは3種類のワインを造り、畑のロケーションによる微妙な違いが楽しめる。Reservaはイタリアのキャンティを、Hill Sideは、イタリアのブルネロをイメージして造るという。Zinfandelも印象的かつ華やかに造られている。赤系果実の芳香が鮮やかで、笑みがこぼれてしまう。その表情を見て、「みんなZinfandelがベストという顔をする。」と少しがっかりした様子。Frivoloという銘柄は、マスカット種で造るスパークリング。残糖もあり、アルコール度数は7%程度。先月飲んだクレレット・ディーに似ている。マリアージュにも力を入れ、イタリア品種ワインは、ドライトマトとマリアージュするとのこと。確かに、トマトの甘みとワインの果実感は共振すると言えそうだ。

ワインについて話してくれたのは、このファミリーの一人でワインメーカーを務める一人。出身もUC Davis、学校のことで話が弾む。彼女によると、カリフォルニアのワイナリーにおけるUC Davis卒業生は、卒業後も皆が大学に集まって刺激し合えるところに良さがある、とのこと。「今回のextension programに参加するか?」と聞いたところ、「最近は行っていない。話を聞いているとまた行きたくなった。」と良い刺激を受け合ったようだった。

 

Renwoodは、Zinfandelに力を入れるワイナリー。各施設もそこそこの規模があり、Wine Advocateでもそこそこの評価を得ている。Zinfandelは、エントリーレベルから、スーパープレミアムまで行く種類ものワインが造られている。プレミアムレベルは、畑ごとに銘柄が分かれていて、味わいにも違いが出ている。Grand Wrenは、最上位銘柄。重厚な口当たりだが閉じ気味。Fiddletownは重くなく、香りも繊細かつ鮮やか。Petit Syrah種で造られるワインは、パワフルながら果実感が豊か。Proclamationは、Sauvignon Blancで造られたスパークリングワイン。ハーバルな香りがユニーク。ポート(portと表記しているが、いいのかな?ヨーロッパには輸出しないのかな?)にも力を入れている。Colheitaは、ドライフルーツとチョコレートのニュアンスがマッチした上品な造り。ワイナリーの周りは綺麗に整備されてる。巨大な発酵タンクの周りは中途半端な覆いだけ。雨が少ないからか、外気の気温が適度と思ってのことか。 

 

Noceto テイスティングしたワイン

 

Renwood テイスティングしたワインとワイナリーの畑・施設のスナップショット

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Terre Rouge & Wilderotter Vineyard

2014-12-02 | ワイナリー訪問記

アマドアで、秀逸なシラーを造る生産者がいる。そのTerre Rougeに前日メールをしたところ、ワインメーカーは休暇で不在だがテイスティングは開いているとのこと。ナパに比べると知名度も名声も低いためか、どの生産者もテイスティングを積極的に行っている。ここは、シラーがうまい。ある程度熟成させてからテイスティング・販売を行っているためかスパイシーな果実味と熟成のニュアンスが入りまじって複雑な印象が強く、パーカーの評価以上の味わい。良いワインは熟成させるべきである。いくつかの標高の異なる畑には主にシラーを植え、味わいに違いが生じている。一番右のシラーはその名も「High Slope」、繊細で酸が豊かなワインである。なぜシラーを選んだかについては答えがなく、錦織の話に終始してしまった。Zinfandelも7樹齢70年を超すものから造ったワインをリリースしているとのこと。 

訪問先をひとつ飛ばしてWilderotterは、スパークリングで人気を博しているとのこと。綺麗にできていた。そのほか、テンプラニーリョなどを含めイタリアとスペイン品種に特化している。その前に回った3軒の印象が強く、たくさん試飲させてもらった赤はあまり記憶にない。

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Turley

2014-12-01 | ワイナリー訪問記

UC Davisの単発講座受講を決めたのが出発の5日前。しかも滞在3日間のうち、ワイナリー訪問は1日。航空券の手配にてこずったり、会社の宿泊付会議に参加するなど準備ゼロで渡米することになったのでナパやソノマ、モントレーなど有名ワイナリー訪問はあきらめ、セントラルコースト北部のアマドアカウンティに照準を合わせた。昨夜、eRobertParkerのサイトで、「Lodi」「Sierra Foothills」を検索キーとして高評価ワイナリーを拾い、まずはZinfandelで有名なTurleyへ。

Turleyのテイスティングルームは、パソ・ロブレスとアマドアの2か所にある。馴染みのあるワインレッドの横帯状ラベルは上位クラスのTurleyに貼付されるようで、多くはパソ・ロブレスの畑のもの。アマドアの畑のプレミアムワインも販売されてはいるが、プレミアムワインテイスティングは、パソ・ロブレスにあるUeberroth vineyardのジンファンデル2002・2003・2004の水平。パーカ94点、93点の2002年、2004年は赤系の果実香が広がる華やかなワイン。2003年は控えめではあるがこれも上品なワイン。いずれも10年の熟成を経て熟成感が出て複雑さが表れているが、依然として果実のアロマが強いので、アルコール度数の高さ(16%)を気にせずに飲める。Turleyはナパにもカベルネの畑を持っている。こちらは、重厚感のあるワイン。アマドアに来た甲斐がないことは、Porkervilleラベルのワインで解消された。このシリーズは、アマドアで造られたレギュラークラスのワイン。いずれも軽快に造られて飲みやすい。特に北イタリアのバルベラ種を持ちたワインは、酸が豊かで心地よい。

そういえば、アマドアはジンファンデルとともにイタリアの品種に力を入れているワイナリーが多いことを見聞きしたことがある。ジンファンデルも南イタリアで栽培されているプレミティーヴォとほぼ同じ品種であることを考えると、アマドア全体でイタリア品種を推しているのであろうか。ブショネを指摘したこと、UC Davisの通信講座を受講したことなどから話が盛り上がったついでに、イタリア品種に傾倒している理由を聞いてみたが大した答えはなかった。しかし、イタリア品種で成功しているワイナリーの紹介を受けたのでそこで再チャレンジ。

おもしろいワイン抽出機?を使用していた。コルクを抜栓せずにコルク内に管を通し、注いだワインと同体積のアルゴンガスを瓶内に戻す機器がある。管は細く抜き取ることも可能で、抜いた後の穴はコルクの弾力によって塞がり、逆さにしてもワインが漏れることはない。300ドルと高価だが、ワインと合わせて購入してしまった。

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会社ワイン会

2014-04-16 | ワイナリー訪問記

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会社ワイン会

2014-04-16 | ワイナリー訪問記

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Arndorfer 2010 Riesling die Leidenschaft

2014-01-20 | ワイナリー訪問記

Fabulous Riesling from Austria Kamptal.

Shape of the bottle is confusing (mistaken as Loire Sauvignon) for blind tasting!

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東御市ワイン特区 (ヴィラデスト、Rue De Vin、はすみふぁーむ)

2013-03-13 | ワイナリー訪問記

東御市は、長野県上田市の隣に位置する。市街地の北側に連なる丘の斜面は南向きの絶好の斜面。標高も700㍍~900㍍と高いので、夏の気温の日較差は大きく、酸が保たれやすい。ここに、ヴィラデスト、Rue De Vin、はすみふぁーむと最近注目を集めるワイナリーがある。メルシャンの椀子(まりこ)ヴィンヤードも街を挟んで反対側に広がっている。いずれも、国際的なワイン品種に力を入れるワイナリーで、彼らの努力と成功によって「ワイン特区」が出来上がった。通常は、醸造免許を取得するには6000㍑の生産が必要とされているが、東御市のブドウのみを使った場合は2000㍑にまで敷居が下げられている。個人的にも、夏場の少雨、標高による日較差、南向きの広大な斜面、などポテンシャルを感じる場所である。

Rue De Vin

当主であり、栽培・醸造を手掛ける小山氏は、周辺農家、地域との共存ができないと、ワイナリーは存続できないと強調する。疫病が多い日本では、農薬は必須となるとのこと。それでも最小にする努力が払われるとともに、他の農家との境界付近では散布を抑える努力を怠らない。畑は5㌶程度で、斜面に階段状に連なる。いずれも南向きのロケーションでテロワールの良さを感じる。

リンゴ樹 長野はリンゴの生産でも有名である。ブドウ樹の合間のいたるところにリンゴが植えられている。基本は生食用だが、傷ついたものはシードルに用いられる。

若樹は藁で覆う

成長しかけた樹 ヴィラデストの話によると、台木は10114、若しくは、3309が主流だそうだ。リパリア×ルペストリスの代表選手。

斜面上部の区画。Rue de Vinでは、2005年から栽培が開始され、2010年からワインがリリースされているそうだ。

 

はすみふぁーむ

蓮見氏も2005年頃からこの地に移ってきてワイナリーを営む。議員を兼ね、地域との融合を図っている。日本最小のワイナリーを自称するが、ドメーヌ・ショオ(新潟)とどちらが小さいかで議論の決着がまだ着いていないそうだ。Rue de Vinの隣に位置し、畑はワイナリー前と少し離れた場所にある。

ワイナリー前の畑

離れた斜面にある畑。剪定直後で、枝の払いよけはこれから。脇の黒い覆いの下では他の農家が朝鮮人参を栽培していた。

 

ヴィラデスト

作家であり、画家の玉村豊夫氏が起こしたワイナリー。この地のフラグシップ的な存在で、行政への働きかけの先陣を切ってこの地を盛り上げてきた。標高750㍍~900㍍の土地で、夏場の日較差による酸の保持を大切にする。日本の多雨は受け入れて、その中で何が造れるかを考えなくてはならないとのお話はごもっともである。

ワイン造りは、日本ワイン界のブレイン的な存在の小西氏が仕切る。5㌶の敷地を4人でケアする。ハイエンドをターゲットとしたワイン造りをめざし、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、メルロ、ピノ・ノワールなどを手掛ける。ワイナリーは半地下。タンクと樽は多いが、瓶詰機やコルク栓のラインなどは設けていない。

長野でも巨砲にフィロキセラが付いたとのこと。巨砲も耐性が弱いようだ。

瓶詰機とタンク

タンクと破砕・除梗機

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Opus One & Mondavi

2013-03-10 | ワイナリー訪問記

Opus と Mondaviは、Oakville の中心に位置している。プロモーションの一環ととらえているようで、訪問が容易である。いずれも3回目の訪問だが、なぜか空いた時間に入れるのはこの二つのワイナリー。

 

Opus One

ナパのモンダヴィとボルドーのムートンのジョイントベンチャー、Opus One。

Opusのツアーは予約が必要だが、テイスティングと建物の屋上での休憩が可能。リリース中の06と09ヴィンテージの試飲は、合わせて85㌦もする。それでもアメリカサイズなので、一杯が、各六分の一本に相当するのでお得なのかもしれない。リリースされているOpusとそのセカンドワインOvertureもここで売られている。Opusは、250㌦程度、Overtureは、80㌦程度。

Opus の屋上は眺望がよく、周りに広がる畑が見渡せて気持ち良い。

一般観光客相手のワイナリーも、細部に目を向けると面白い。カバークロップのテストもやっているようだ。

樹間と仕立てはボルドーを真似ている。1㍍×1.2㍍、ギョードゥーブルで高さは低い。農作業は、腰が痛くなりそうだ。Opusのワインを飲むと感じるのは、ピーマンの香りに代表されるメトキシピラジンの香りがカリフォルニアの中では顕著であること。割とボルドーに近いスタイルに仕上がっている。これもムートンの資本が入っていることで、栽培方法にはボルドー的な手法が多様されているからであろうか?

カリフォルニアとボルドーで圧倒的に異なるのは、夏期から収穫期にかけての乾燥である。夏でも一定して毎月数十ミリの雨が降るボルドーに対して(日本はさらにその1.5倍~数倍の降雨)、ナパはほぼゼロ。ヨーロッパでは禁止されているところが多い灌漑設備は、必須となる。雨が足りない分、灌漑で水分を供給できるということは、灌漑設備を調節することで水分の供給量をコントロールできることを意味している。天候頼みのヨーロッパに対して、水分調節ができるカリフォルニアは、ブドウの品質が一定するメリットも大きい。

これの延長戦で、Deficit Irrigationという考え方が、この地では発展している。水分の供給を必要量より減らしてブドウ樹にストレスをかけることで、ブドウの品質向上につながるという考え方である。

Robert Mondavi

1960年代からこの地でワインを造り始め、ナパを世界的に有名にしたRobert Mondaviの功績は大きい。現在の経営権は、familyの手を離れている。

ワイナリーは観光化され、常時ツアーと試飲が受け付けられている。ツアーは、短時間コース(30分)と畑も周るコース(1時間20分)が、その場でレジスターできる。それ以外にもコースがあるようだが、それらは事前予約となっている。ショップも充実。1992年のカベルネ・リザーブまで販売されているが、160㌦する。ビッグビンテージと呼ばれる94と97はない。

ブドウ樹の樹齢は、50年だろうか?古そうだがコルドン仕立て。カベルネだろうか?

昔、使われていたプレス機も展示されている。

かつてステンレスタンクを採用していたモンダヴィは、木のタンクに戻したことでも有名。いくつものタンクが並ぶ。この木のタンク、温度管理もできるそうだが、温水パイプが中に張ってあるのだろうか?グラヴィティ・フローも徹底していて、この階の下が樽の貯蔵庫となっている。

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Bryant Family

2013-03-09 | ワイナリー訪問記

先に掲載したUC Davisのonline extension programは、ワイン造りへのキャリアチェンジを目指す人や、就職したてのアシスタント・ワインメーカーを主な対象としている。しかし、熱心な受講者っもいて、カリフォルニアを代表するブライアントファミリーの醸造・栽培責任者まで参加していた。剪定実習のあと、時間に余裕のある受講者8人ほどを公開されていないBryant Familyに招待してくれた。

https://bryantwines.com/

Bryant Familyは、Pritchard Hillと呼ばれる、ナパの東側、ヘネシー湖を見下ろす丘にある。Oakville などと比べると冷涼で、質の高いブドウができるそうだ。 

灌漑に使われる水は、わざわざタンク車でヘネシー湖から運ばれるそうだ。汲み上げることのできる水量などは、湖の管理者と細かく決められ、必要な時には写真の白いタンク車が最大で一日に6往復するそうだ。

ブドウの仕立て方の中心は、短梢を日本残したVSP。

しかし、畑の東側の区画ではコルドンに仕立てを移行しているそうだ。

ここのコンサルティングは、vineyard managementとしてもっとも脚光を浴びている、David Abreu。彼は細かい助言をするが実際の行動は各ワイナリーに委ねられる。それでも、彼の息吹を受けると畑が美しくなるそうだ。

ここでもcover cropsは重要で、一列おきに交互にハーブが植えられている。(ハーブの名称は失念)

畑を見下ろす高台に醸造設備がある。

グラビティーフローを基本とし、二階にトラックがつけられ、そこに選果台と除梗機がある。選果は6人で二度行われる。一度目は房の選別、二度目は顆粒の選別。

二階から一階には果汁を流す穴がいくつか開いている。右はホースをつなぐ器具。

一階には所狭しとタンクが並ぶ。ステンレスタンクが主要だが、左のコンクリートタンクもいくつか用いられている。

地下貯蔵庫には、整然と樽が並ぶ。もともとは一段にされていたが、David Abreuからの買いブドウを手掛けはじめたこと、収量が思いのほか多かったことなどから、二段になることが最近は多いそうだ。

ラボもしっかりしていて、様々な測定機材が並ぶ。

左はBettina、ボルドーブレンドの別のカテゴリーワイン。カベルネ100%のBryant Familyとともに、一本425㌦するらしい。

右はテイスティングに供出いただいたDB4。これでも80㌦で販売される。当主や関係者にDBのイニシャルを持つ人が4人いたので、DB4と命名されたそうだ。テイスティング・ルームは八席の小さな部屋。稀に重要な顧客へのテイスティングに利用されるほか、設備投資などの打合せなどにも利用されるそうだ。

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