副業のワイン関係の仕事?が一段落している隙に、たまったワイン本などの読書が進行中。
昨年(2012)の12月号のシャンパーニュ特集。蛯沢氏の取材は、新たなものを呼び起こし興味を惹いた。
シャンパーニュ地方と言えば石灰岩。これに異論があるとは思わなかった。事実、Peter Liemも自身のサイトでAmbonnayとBouzyのテロワールの違いに言及しつつも、両者は石灰質としていた。
蛯沢氏がジャン・フランソワ・クルエから聞き出したことは次の通り。フランスのパリからブルゴーニュに至る一帯は、ジュラ紀頃は海底に沈み、その時の海洋生物の死骸などの堆積物が石灰質を形成されたとされている。ただし彼によると、モンターニュド・ランスだけは、山を成のため、海面上に顔を出していたので、この石灰質が造られなかったそうである。モンターニュ・ド・ランスの石灰質は地中にあり、山頂付近の土は黒い火山土、さらにそれらが浸食されて斜面下部に流されて来たため、Bouzyの土壌は黒のようだ。
19世紀にはここで褐炭が産出されていたそうで、陸に在ったことを裏付けている。土壌の成分にはイオウ、窒素、亜鉛が含まれ、疫病やミネラル分の補給にも役立つそうだ。
これを反映してか、周りがスパークリングに乗り出したにも関わらず、ピノ・ノワールから造られるスティル・ワインが、しばらくBouzyでは造られていたそうだ。