Vino Masa's Wine Blog

Weekly notable wine update.
毎週、気になったワインをアップデートします。

リンドウ06&宝山芋麹全量

2013-01-27 | Tasting Note

久々の宝山、芋麹全量、サツマイモの芳醇な香りに酔いしれる

 

持参したのは、預かってもらえなくなったrindo 06、果実感に溢れ、分かりやすい味わいでウケも良い

辻本憲三がナパに造ったワイナリーで、ワインメーカーがハイディ・バレット、ヴィンヤードマネジャーがディヴィッド・アブリュという豪華顔ぶれ

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テイスティングのトレーニング講座

2013-01-27 | Tasting Note

リオハの銘醸家が造るカヴァ、イーストの香りは香ばしいが酸は控え目

ロデレールエステートが造るスパークリング

シャサーニュのモルジョ10、生産者はシャンテリヴ?

キスラーのキスラーヴィンヤード09、キスラーヴィンヤードの方がキュヴェ名入りよりも繊細さがあり良いかも?

アルトアディジェのピノ・ネロ(=ピノ・ノワール)、ブラウブルグンダー(=ピノ・ブラン)と併記されているのが意味不明

デラ?のヌフ09、色調を含め薄めに仕上がっているがアルコールは高く15%

スミス・オー・ラフィットの06、メルロ比率が高いのか?ピーマン香は控え目

シネ・クワ・ノンのノーブルマン05、シャルドネの貴腐から造る。オーストリアの醸造家に敬意を表しMr. Kと表記

2週間以内に同じものが飲めたので、ブラインドはビンゴ◎

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シャンパーニュ・ブルゴーニュ・ピエモンテの会

2013-01-27 | Tasting Note

 日本には殆ど入っていないクロカザル、果実の凝縮感があり◎

 アルノーアンとのムルソー=クロ・デ・アンブレ 02 綺麗に造られている。

  カミュのシャンベルタン02、この年のカミュは美味い

 ルネ・エンジェルのクロ=ヴージョ95 自分の持参ワインだがブショネ(涙)

 

バルベラから造られる秀逸なワイン。濃厚だが酸も心地よい。濃さと15%のアルコール度につられて間違いも続出

 

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ブドウ樹の芽

2013-01-27 | Essay

ブドウ樹は、その収穫が終わるとすでに翌年の準備がスタートしている。冬の休眠期に入る前には既に新芽が形成されているのである。 この新芽を顕微鏡で調べると、すでに翌年の葉や房までもが存在しているというから驚く。

この新芽と称するところは、細かく見ると三つの芽から構成されている。第一、第二、第三の芽が同じ場所にあるのだが、通常は第一の芽が発芽して多少成長した時点で第二、第三は切り捨てられる。ただし一般には、第二の芽までは果実まで付けることが可能である。また、第二の芽の成長は第一の芽に7日~10日送れるそうだ。

ナパは、2008年の初春、霜によってすでに発芽した第一の芽が壊死したブドウ樹が多かった。それでも、第二の芽が少し遅れて発芽できたので、ワイン生産への影響は軽微だったそうである。ただ、第一の芽の方が熟度が上がりやすいので、第二の芽を用いると一般には控え目に仕上がると考えられているそうだ。夏場の暑い時期に果実が色づいてしまうと熟したニュアンスが前面に出た、糖度ひいては高アルコールのパワフルなワインとなる。

第二の芽が発芽以降のプロセスが遅いことを応用して、まず、第一の芽を発芽後に切り落として、第二の芽に実る果実を用いれば、全プロセスを7~10日遅れさせることが可能ではないか?このプロセスを逆手に取ることで、適温に降下してからの色づき期間が長く、日本人好みのアルコール控え目、冷涼ワインに近づいたものができるのではないか?この手法を積極的に採用する生産者はまだいないようだ。

 

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ブランドブランvsブランドノワール

2013-01-26 | Tasting Note

ブランドノワールの代表、Henri Giraud "Code Noir" NVと、Jean Vessel "Le Petit Clos" 1998

対するブランドブランの代表は、Dom Ruinart 2002Selosse "Les Carelles" NVAlain Robert Mesnil Reserve 90

Petit Closは(閾値以下の)ブショネか還元香か?最初は開いていたが徐々にマスクされていた。「これが一番!」としてしまったのは私です、、、

他も酸化・還元香があるものもあるが、どれも美味い!セロス、アランロベールは酸化臭も含め絶品、以外にドンルイナールはバランスがとれて美味い

以下がクラス会ワイン 

 フランチャコルタ、Satenとあるがガス圧は高い、フランチャコルタのレベルは高い

ウイユ・ド・ペルドリby Jean Vesselle

ミクルスキのムルソー・ポリュゾ07

 アルベール・グリヴォーの09ペリエール 

ルフレーブのPM「コンベ」08 貴腐の香りを微妙に感じる

 ジャンジャック・コンフロンのシャンボール1級 08

 クロデレアの02

 オレゴン・ピノ Seven Spring Vineyard

 ガングロフの10サンジョセフ

フ・ド・シェーヌ

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貴腐についての講座&クラス会

2013-01-26 | Tasting Note

テーマは貴腐

天候の変化などに伴い、貴腐ワインの生産は難しさを増す一方だが、消費者は限られ、十分な収益を確保できない生産者が増えている。AOCの制約を緩和すべきかについて議論を交わした。

ディケムも12は生産せず。気候の変化は今後どう影響するか不明ではあるが、これ恒常的なものであれば、テロワールが変わったのだからAOCの規定を改正すべきと考えるのが私の意見。別の呼称を考案するとのもっともな意見もあった。

以下は、クラス会ワイン

 ポル・ロジェ 00

  Tzarina ChampagneNo1 (古いネゴシアン)

果皮浸漬したまま熟成させた白(色はロゼ)

 キスラーのMaCreaシャルドネ、酸化・熟成が進んでいる

  中央葡萄酒造、キュヴェ三澤 カベルネソヴィニョン プライベートリザーブ 2009

 ハイツのマーサスヴィンヤード

 リオハのアルタディ、テンプラニーリョから造る

 バンフィのブルネロ ポッジョアッローロ 90

 ラ・モンドット初ヴィンテージ

 

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プレミアムワインの会

2013-01-26 | Tasting Note

 サロン99 酸は豊か、長熟のはずだが、今飲んでも美味い

 ルーミエのコルトンシャルルマーニュ99

 Two Hands,Bella's Garden Shiraz06バロッサで買いブドウからワインを造る生産者

 シャプティエのレルミット99 樹齢百年超と言われる PP99点

 グラシア1998、かつてワイナートのサンテミリオン特集でトップとなるガラージワイン

 Opusの2009年

 カリフォルニアカルト、シルクのような口当たり 良年のみ「Cuvee L」と命名

 ルソーのシャンベルタン05、美味い

 スドゥイローの98

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ブドウ樹の雌雄

2013-01-21 | Essay

野生のブドウ樹は雌雄異株、すなわち雌株と雄株が存在する。したがって、虫などが雄株の花粉を雌株に運んで受粉しない限り繁殖することはできない。台木のリパリア、ルペストリスなどは全て野生種を栽培したものなので、全て雌雄異株だが、シャルドネ、カベルネ、ピノなど殆どすべてのヴィティス・ヴィニフェラの殆どは雌雄同株である。たまに、退化した雌株や雄株が出てくるそうである。また、コンコードなどは、ヴィニフェラとラブルスカの自然交配品種で、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に持参して繁殖させようとしたヴィニフェラがハドソン川周辺で自生しているラブルスカ種と自然交配してできたもの。元のヴィニフェラは数年間のうちにフィロキセラなどに駆逐されてしまっているが血は残しているので、真田幸村のようだ。(幸村は大坂夏の陣で自分の敗戦を覚悟して、娘を伊達藩の群に引き取ってもらった)

しかし、栽培されたブドウ(ヴィニフェラ)では、雌雄同株となり、同じ花に雌蕊と雄蕊が共存するので容易に受粉が可能となる。DNAの分析技術が向上し、ブドウ樹の交配記録をたどると、驚くほど近親交配が多いそうだ。そのためか、遺伝子的に不安定で、突然変異が容易に生起してしまう。もっとも一般的なのが、ピノ・ノワール(黒ブドウ)の枝の途中からピノ・グリやピノ・ブランができることがよくあるようだ。そして、突然変異したところより先は全て、突然変異後の遺伝情報を蓄えていて、接ぎ木すると突然変異後の品種が生成されるというから生命体の神秘でもある。殆どの色に関わる突然変異は黒→白・グリだが、例外的にピノの場合、白・グリ→黒の突然変異も発生しているそうだ。

ブドウ樹は、遺伝的には不安定ではあるが、自分ひとりでも子孫を増やせるので、生命力は増しているのかもしれない。蛇足だが、充分の花とは受粉しない高な等な植物(自家不和合性)も結構あるそうだ。アブラナ、ダイコン、ハクサイ、ナス、バラ、ケシ、ナシ、、一方、自家受粉(概ね)するものは、イネ、小麦など。

主な出典:UC Davis Viticulture text、ウィキペディア(自家不和合性)

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早熟ブドウ、晩熟ブドウ

2013-01-20 | Essay

どのブドウが早熟でどのブドウが晩熟なのか?直感で早いメルロ程度はわかるものの、相対的かつ客観的な比較結果など知らなかった。新興ブドウ生産国では、土地の気候に合わせて品種を選ぶ必要があり、こういった研究が必要となるのであろう。私も日本で何の品種を造るかを考えているのだが、こういった研究はとても参考になる。

114種のブドウをほぼ同一環境で生育させて、発芽、開花、成熟の日を分類している。アメリカの生食ブドウなども対象に含まれている一方、アルバリーニョやメンシア、テンプラニーリョは対象にはいっていない。生食用はコルドン仕立てだが、ワイン用はhead trainとある。

収穫日で馴染みのある主な品種を見ると次の通り。マスカット・ハンブルグは生食用とワイン用で大きく異なっているのは仕立て方の違いによるもののようだ。ガメイが2種類あるが、違いは明記されていない。クローン違い?全体的に冷涼地の品種の収穫が早く、温暖な気候では収穫がおそくなることがわかる。

日本の場合、秋雨前線が発達したり台風が到来するのが9月中旬~下旬、その前に収穫を済ませて雨水を吸った水っぽいワインになることは防ぎたい。まさにメルロは早熟で秋雨以前の可能性が高い。ピノ、シャルドネをはじめとする冷涼品種も早熟なため秋雨のリスクは少ないが、温暖気候の品種(カベルネ、マタロウ、グルナッシュ、トゥーリガ)などはリスクが上昇する。ポルトガルのトゥーリガが晩熟に入っていると、アルバリーニョやメンシアも晩熟の懸念がある。

まず、早いものは次の通りで、冷涼品種が目につく

  • -18日:マスカット・ハンブルグ(生食用)
  • -17日:メルロ
  • -16日:ゲヴェルツ
  • -13日:シルヴァーナ
  • -12日:シャルドネ、ガメイ(ボジョレ)、マスカット・ブラン
  • -11日:ピノ・ブラン
  • -9日:ピノ・ノワール

平均辺りの品種は、

  • -7日:リースリング
  • -6日:カベルネ
  • -5日:フルミント
  • -4日:アリゴテ、マスカット・アレキサンドリア
  • -3日:マルベック
  • -2日:パロミノ
  • +1日:ミッション
  • +2日:セミヨン、シュナン
  • +3日:グルナッシュ
  • +5日:トゥーリガ、マスカット・ハンブルグ(ワイン用)
  • +9日:ガメイ?
  • +10日:カリニャン、マタロウ
  • +14日:ジンファンデル

遅い品種は、

  • +16日:シャスラー(ドール?)
  • +19日:トカイ?
  • +31日:フォル・ブランシェ
  • +43日:レフォスコ

出典:G.N. McIntyre, L. A. Lider and N. L. Ferrari, 1982, American Journal of Enology and Viticulture Vol 33, No. 2 「The chronological classification of grapevine phenology」

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習い事の発表会

2013-01-14 | Tasting Note

授業内容は、年末のUC Davisの紹介とこのブログで紹介した記事のいくつかの内容のため割愛

発表内容に合わせて葉山考太郎氏が用意していただいた、カリフォルニアワイン2本+持参ワイン1本

 フラワーズ2009 ソノマコースト

 パリ対決の勝者、モンテリーナのシャルドネMLFなし

 持参したジャン・ヴェッセルのウイユ・ド・ペルドリ

ウイユ・ド・ペルドリの区分はロゼであろうが、生産者は元々のブランド・ノワールとはこうだった、現在のブランド・ノワールは意図的に白に仕上げていると力説する。真偽は不詳。

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ボーヌのテロワール比較講座

2013-01-14 | Tasting Note

 

ジョセフ・ドルーアンの旗艦畑、クロ・デ・ムーシュは秀逸、特に白とのこと

光学技術を駆使したソーティング機械の導入で質が選果技術が改善したそうだ。この機械に通すには、除梗が必須となるのは当然である。

 

主要3畑比較(北からブレッサンド、グレーヴ、エグロ)、北ほど凝縮度が高かった

(写真の回転を忘れてしまった)

ブシャールの旗艦わいんの一つ、「ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・デ・ランファン・ジェズュ」

「子供のイエス」と名付けるだけあって、赤では一番美味しかった。

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遅ればせながら新年ワイン

2013-01-14 | Tasting Note

 正月1本目から見事なシャンパン♬

 デゴルジュは2008年1月、5年前

 79デュクリュも綺麗に熟成して美味

 3本目は飲みすぎ、、、

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台木 Root Stock

2013-01-14 | Essay

1860年代以降、フィロキセラがヨーロッパのブドウ樹の根に寄生して壊滅的な被害をもたらしたが、その解決策として接ぎ木が考えられた。根はフィロキセラ耐性のあるアメリカに自生していたブドウ樹、そこにヨーロッパ系のブドウ樹(ヴィティス・ヴィニフェラ)を接ぎ木することで、これまでと同じヴィティス・ヴィニフェラの品種がフィロキセラの被害を避けることが可能となった。

この時用いられた台木は、ヴィティス・リパリア、ヴィティス・ルペストリスの2種だが、これらが現在でも台木に用いられることはほとんど無いそうである。何故か?接ぎ木部分で鉄分がうまく吸い上げられず、15年も経つと弊害が生じるそうで、多くのヨーロッパで再度台木の植え替えを余儀なくなれたそうだ。

現在では、こういった不整合を克服した様々な交配台木が生み出されているようだ。石灰岩耐性を持つベルランディエリをベースにしたものがシャンパーニュやブルゴーニュで多く使われているそうだ。チリでは、フィロキセラが不在にも関わらず、線虫(ネマトード)の耐性を持つ台木への接ぎ木が必要となるそうだ。樹勢の強弱もある程度は台木でコントロール可能となっている。テロワールと品種の相性は大きなテーマではあるが、台木も重要な要素として追加したい。

1860年代のフィロキセラ襲来後、接ぎ木の開発に先立って、多くの研究機関がアメリカ系品種とヨーロッパ系品種のハイブリッドを造ることを競っていた。この時生まれたハイブリッド品種のブドウの品質が悪かったことは以前紹介したが、そもそもフィロキセラ耐性がないものが多く殆ど日の目は見なかった。しかし、数少ない成功例にカナダでアイスワインに用いられるVidalをはじめ、Villard blanc, Foch, Seyve Villardといった品種があり、フィロキセラに加えて、寒さへの抵抗力も強くブドウの品質も高いので、現在でも大切に育てられている。

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Does cork impart smoky flavour ? (日本語は後ろ、実験結果追加)

2013-01-07 | Essay

I heard from several experts in Japan that cork probably impart good (oaky or smoky) flavour to wine, which consists of two different explanation.

  1. Bollinger or KRUG's oaky flavour are probably imparted by cork. They are using oak but those are old enough to lost its flavours. Remaining flavour components to be considered is cork.
  2. At some winery, the person compared wine with cork and without cork. And found clear difference in its flavour character.

I was thinking this assumption is true. But after some discussion at UC Davis Extention program (wine making course), rather inclined to against the hypothesis. Counter assumptions come related to article on reduction. Jamie Goode or Ioannis Karakasishas listed possible substances which probably not related to cork. Benzenemethanethiol, Benzyl Mercaptan even 4-Ethylguaiacole can be the possible candidate for the flavour.

http://www.wineanorak.com/mercaptansinwine.htm

http://www.newworldwinemaker.com/articles/view?id=375

For the case of 1, as a nature of champagne likely to have reductive nuance by secondary fermentation, Benzenemethanethiol or Benzyl Mercaptan are likely.

Case 2 is not sure, because of no info about the experiment environment. If it's done at winery, Ethylguaiacole ? In order to confirm this, I've started the test with following condition.

Two glasses are provided, where one is filled with the wine and the other is filled with both wine and cork. Put the paper cup as cap and see the difference in next week.

Let me report the result in next weekend.

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After 8 weeks of aging experiment, with and without cork.

 

The same wine 1) just wrapped and 2) wine with 3 corks with wrapped. Result are quite different.

 

Appearance: Left glass (without cork) is lighter than right glass (with cork)

 

Flavour: Left glass is just fruity cheap wine and right glass shows complex bouquet of caramel.

 

Consideration: Cork can affect wine aging. Possibility is that cork can impart some color and flavour to wine, or cork can just accelerate oxidation. 

 

 

Before

  

After (8weeks)

 

 

 

 

コルクは香味成分(樽っぽさやスモーキーさ)をワインに付けるのではないか?これは、TCAとは異なり、心地よい香りとも感じられるのではないか。といったことを複数のワイン専門家から聞いたことがある。これには異なる二つの背景の説明もあった。

  1. ボランジェやクリュッグの樽っぽい香りは、コルクの香気成分ではないか?樽を使ってはいるが、古い樽なので、樽に由来する香りではないはずだ。
  2. あるワイナリーで、しばらくの間コルクに浸したワインとそうでないものを比較したところ、香りに明確な違いが表れた。

私は、この仮説が正しいと思っていた。しかし、UCデイビスのワイン造りの講座を取って議論をしているうちに、これは違うのではないかと考えるに至った。Jamie GoodeとIoannis Karakasishasは、それぞれsmokyな香りを持つ還元香の記事を書いているのでリンクを紹介する。Benzenemethanethiol、Benzyl Mercaptan。また、ブレットの香りとして4-Ethylguaiacoleも指摘している。

http://www.wineanorak.com/mercaptansinwine.htm

http://www.newworldwinemaker.com/articles/view?id=375

シャンパーニュの場合は、澱とともに瓶内二次発酵を行うので、還元反応を起こす可能性が高いと言われている。1の場合はいずれかの還元反応に伴う芳香物質と考えるのが順当のような気がする。

2の場合は、実験の背景や環境が分からないので何とも言えないが、ワイナリーで行われていたのであれば、腐敗酵母であるブレタノマイセスが迷い込んで、エチルグアイヤコールが生成されたとも言えるのではないか。「論より証拠ではなく実験」を行って確認することとした。

二つのグラスを用意し、一方はワインを満たし、他方はコルクとワインを満たす。コップで蓋をして一週間程度そのままにしておくとどうなるであろうか?差異は生ずるのであろうか?

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8週間を経て、両者の違いを比較した。

実験後の写真、左がそのままグラスにラップをしたもの、右側がコルク3本を入れてラップしたもの。比較しやすく、液面を同じ高さにして撮影した。

外観:コルクを入れた右のグラスは、入れない左のグラスに比べて濃く、色調はよりゴールドに近い

香り:コルクを入れた右のグラスからは、カラメル、ナッツなどの香りがしたが、左のグラスからは特徴的な香りは見いだせなかった

考察:確かに、コルクを入れたものと入れないものの間に、明確な差異が感じられた。ただ、コルク入りにのみ見られる香りが酸化に似たニュアンスであったことから、果たしてこれがコルクに由来するのか、何らかの理由でコルク入りでは酸化が加速されたのかを判断するのは早急と思われた。右のグラスだと、コルク面に接するワインが極めて高い。ただ、コルクが空気を保持できるとすれば、酸化の可能性も充分考えられる。両者に含まれる物質をより入念に調べないとコルクの香気成分か否かを断定するのは難しいかもしれない。

実験当初

 

実験後

 

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甲州のアロマ

2013-01-06 | Essay

日本の甲州の問題点と解決策を聞かれ、調べてみると驚くべき深い話があった。ボルドー大学の故富永博士とメルシャンなどによる研究は、素晴らしく奥が深い。

日本の品種と化した甲州種も、ヨーロッパのワイン用ブドウ品種と同じヴィティス・ヴィニフェラというグループに入る。しかし、これから造られたワインはどうも水っぽく魅力の薄いものが多い。その中で、メルシャンが甲州種で造る「きいろ香」は花の香りなどに溢れ可憐なワインで甲州の中では抜きに出た一本だ。これが造られる背景となったのが、日本人でボルドー大学でワインの研究をされていた故富永博士と山梨大学・メルシャンなどの方々。

まず、甲州種に含まれる芳香成分の分析による発見。3MH、βーdamascenone、4VP、4VGといったものが多く含まれることがわかった。前者2種類は歓迎される物質で、3MHはグレープフルーツなどの柑橘系の香りを持ち、β-damascenoneは、アップルコンポートなどに似た化合物。一方、4VP、4VGは、薬品や焦げ臭を持つと同時に他の香りを覆い隠す効果(マスキング)を有している。甲州には香りがなく水っぽく感じるのではなく、香りがマスキングされて水っぽく感じてしまうようだ。

したがって、次なるステップは、前者2物質を引き出して、後者2物質を取り除くことを考えればよい。

  • 収穫のタイミング:4VP及び4VGは、収穫期の後半に生成が加速される。かつて行われていたように、10月中旬まで収穫を伸ばすと、顕著になってしまう。収穫を9月の早い段階で行うことで減らすことが可能となる。
  • 酵母:,PDA活性の低い酵母、(polyphenol off flavor negative, POF-)を用いることで、4VP、4VGを減らすことが可能である。
  • スキンコンタクト:β-damascenoneは果皮に多く含まれるので、果皮浸漬によって抽出を促進させることはゆうこうである。
  • ボルドー液:3MHは、重金属と結合しやすいので、ボルドー液などの使用を控えて3MHを生かすようにする。

おそらく、これらによって「きいろ香」等は、その芳香物質の強調に成功したのであろう。とくに造り方などが確立されていない日本においては、十分な研究によって引き出されるものもさらに異なっッてくるかもしれない。また、β-damascenoneは黒ブドウで顕著となる物質である。4VPや4VGの抑制は、甲州に固有の問題であろうか?日本における黒ブドウ、特にピノやメルロなどに生かせないものか?と考えさせられた。

主要な内容は、以下のリンクを参照している。

https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8912/8912_tokushu_4.pdf#search='Mercian+Tominaga+Koshu'

 

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