Vino Masa's Wine Blog

Weekly notable wine update.
毎週、気になったワインをアップデートします。

酒井ワイン:バーダップ・鳥上坂・金沢2011

2013-03-31 | Tasting Note

明治25年に創業した酒井ワインは、最近面白いワインを造っている。鳥上坂の地名から「バーダップ(=bird up)」としたことからは文明開化の香りが漂うが、ワインの香りも豊かで、従来の日本ものとは大きく違う。

金沢はカベルネ・ソヴィニョン100%のワイン、カシスやジャムの香りが漂い、味わいには圧倒的なパワーを感じる。アルコール度数を見ると14%。日本でもこれだけ強いものができることには驚きを感じた。補糖をしていないとすれば、これだけの糖度の果実を造るのは相当な日照や温度が必要となる。

個人的に注目している山形県なので、他のラインナップにも注目してみたい。

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クロ・サン・ジャック

2013-03-31 | Essay

ジュヴレ・シャンベルタン村のクロ・サン・ジャックが著名な畑だったのは昔からのようで、AOC施行前の市場価格もグラン・クリュ並であったそうだ。現在でも、アルマン・ルソーは、このプルミエ・クリュの位置づけをクロ・ド・ベーズとシャンベルタンに次ぐものと位置付けているので、マジやシャルムといった畑よりも高い値を付けている。この畑は、何故グラン・クリュの格付を取得できなかったのか?

AOC制定当時この畑は、ムシュロン伯爵が実質的に単独所有していたようだが、村の人との関係が悪く、グラン・クリュを取得できなかったと言われている。

伯爵は、そもそも書類の準備を面倒くさく感じていたようだが、村人に嫌われていたので、会議の途中でタバコを吸おうとしたので外に追い出され、その間にグラン・クリュ畑を決められ選から漏れたとの逸話もある。どうやらこの伯爵、それほどワイン造りには興味がなかったそうで、1955年に畑を手放している。

この畑、すでにグラン・クリュ並の値がついているが、先日のJasper氏による日本語版出版記念講演は示唆に富んでいる。クロ・サン・ジャック近くのラヴォー渓谷から流れ出る冷たい気流が当たるのでもともと繊細なワインだったが、温暖化によって冷気が欠点から利点へと転じるので更に脚光を浴びる可能性があるそうだ。

参考文献:

  • Remington Norman "Grand Cru"
  • Jasper Morris "Inside Burgundy" 日本語訳書「ブルゴーニュ大全」
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ブラインドテイスティングのテスト講座

2013-03-24 | Tasting Note

明日からのお仕事に備えて、就寝時間のため時間切れ、写真の掲載のみとし、銘柄は後程、機会があれば。

最高点は14/28、私は10/28、時間がなく焦り気味だったので、デリンガーをブルゴーニュとした失点は痛かった。ムルソーはやたらと美味い。一昨日のクラス会に持参したラフォンのムルソー・クロドラバール01とは大違い。

以下、クラス会ワイン 一昨日と全く同じウーリエのコトーシャンプノワ登場にはびっくり.自画自賛のダーレンベルク・デッドアームは良かった。一部壊死した枝があっても造り続けているのでDead Armと命名されている。もう少し買っておくべきだった。

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Coteaux Champenoisクラス と クラス会

2013-03-24 | Tasting Note

人気はフーバーとエグリウーリエに二分 (写真の順序は供出順序と異なる)

 

Huber Spat-Burgunder Trocken Baden 2007

ドイツのピノの最高峰、依然飲んだ時より色調も味わいも薄め。

Henri Bourgeois, La Bourgeois 2007

印象が薄い

Macel Deiss Builenberg Pinot Noir 2004

いまいち

Egly Ouriet, Ambonnay Rouge Cuvee des Grands Cotes 2009

"Cuvee des Grands Cotes"って何?

Joel Michel, Coteaux Champenois Rouge

こちらも印象が薄い

Jean Vesselle Coteaux Champenois Bouzy Rouge 2004

KRUG 1998

V Madrone Zinfandel 2009

2001 La Grande Rue

Bienvenues Batard Montrachet 1998

Laherte Freres, Les Vignes d'Autrefois (degorgement 2010 - 1)

Bertrand Machard de Gramont, NSG les terrasses des vallerots 2006

KRUG Brut Grande Cuvee

Janisson Baradon Champagne Brut 2004

Domaine Vougeraire, Vougeot 1er Cru Le Clos Blanc de Vougeot (monopole) 2006

Lafon Meursault Clos de la Barre 2001

Paul Dethune, Ratafia

 

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最近のワイン2 

2013-03-24 | Tasting Note

Raveneau Valmur 1998

シャブリ最高の造り手

Recarrdo,  Turo D'en Mota 2002, desgorgement 2011/12/12

品種はチャレッロ100%、レカルドの最高峰でもあり、サン・サドゥルニ・ダ・ノヤの標高の高い場所で造られる。CAVAの最高峰 酵母に由来する香りが強く、リリース直後にRDを開けてしまった印象とオーバーラップしたが、参加者には不評(涙)  これの下のラインナップがParticulareで、畑が異なりパレリャーダも入れられている。いずれも、入手困難銘柄。

Roumier Chambolle Musigny1er Cru Les Cras 2001

熟成感もでて、美味い。ルーミエは10年の熟成をすぎると大きく進化との印象がある。

Clair Dau Musigny vintage 73? 76?

ブルーノ・クレールの前身、クレール・ダユの多くの畑はブルーノ・クレールに引き継がれているが、現在のブルーノ・クレールはMusignyを造っていない。元々借りていた土地を返却したのか、はたまた、相続争いの時に売却された土地の一部なのか?

Henri Graud Fut de Chene Brut 1998

品種はピノ中心、ドサージュは多めか?

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最近のワイン

2013-03-24 | Tasting Note

Domaine Digioia-Royer, Chambolle Musigny 2007

新進気鋭と言われたはずだが、肩すかし。アルコール度数は13.5度とこの年にしては高め、若干ジャムっぽい。

Madeira BOAL JRT 1863

造り手は誰なのか?JRT?? 古酒だが酸と適度な甘みが絶妙

Ramonet Chassagne Mntrahet 1er Cru Morgeot 2009

ラモネは硬いので、10年は待つべきと思っていたが、良年のものは今でも香しい。

Henri Boillot Puligny Monrachet 1er Cru Les Perrieres 2010

Jos. Christoffely Wehlener Sonnenuhr TBA

熟成したTBAは、酸との相性が抜群。「艶がある」と表現する気持ちも感覚的にわかる。

Sadi Malot Champagne

海外のワイン誌でお手頃銘柄として評判のシャンパーニュ

KRUG、垂直2本 95 & 98

98は若干酢酸エチルの香りがする。95の方が緻密でまだ若さを感じる

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企画したワイン会

2013-03-24 | Tasting Note

ワイン会A

安価な割には美味しい

デュフォール、ちょっと酸化のニュアンスが表出

ジャン・ヴェッセル、現地直接購入はフレッシュ感抜群

新潟のドメーヌ・ショオ、ケルナーが複雑さを醸すワインということを実感。よくできている。

パカレのシャブリ

ビゾーの2000からはブレットを感じる

デュジャクのネゴス、今ピークでこの日の最高

一世を風靡したダイギュイユ

ヌマンシア2004、これも熟成を経て美味くなっていた

 

ワイン会B

デラから造られる田舎方式発泡酒。フォクシーを感じない。瓶内気圧が高いのか、開栓時に注意。

オーストラリアなのに酸味が充分。モーンントンペニンシュラはビクトリア州の南

定番、イエローラベル

ウイリアムフェーヴルのフルショーム、もう少し寝かせたかった。

アサツユ、ケンゾーエステートの白、ソヴィニョンブランから造られる

左から、ケンゾーエステートのボルドーブレンド、ヴューテレグラフのシャトーヌフドパプ2005年、ヴィルジニードヴァランドロー2006

 

 

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セロスとヴォギュエ

2013-03-24 | Tasting Note

Jacques Selosse Version Originale (Desgorg 2003)

ノンドゼでも見事に熟成している。(表記はExtra Brut、本当にノンドゼかな?)

Jacques Selosse Brut Rose (desgorgement 2008)

ロゼも綺麗に熟成。デゴルジュ後5年がピークかな?これ以降熟成するかは不明。

Jacques Selosse Substance (desgorgement 2011)

最近のセロス、特にソレラ方式を用いるSubstanceは、酸化のニュアンス(アセチル酸)の香りが強いと思っていたが、その疑念を払拭する一本。コクがあり、バランスも取れている。会心の一本。

Vogue, Bonnes Mares 1986

何故かブルゴーニュ。熟成の極み、官能美あふれるブルゴーニュ。80年代のヴォギュエは硬いと言われるが、今が全開か?

 

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ナパ・ソノマ・サンフランシスコで飲んだワイン

2013-03-24 | Tasting Note

Dehlinger PN Goldridge Vineyard 2010

なかなか日本では見つからないデリンガー。飲んだ後、訪問を試みたが毎年きめられた期間の特定の曜日のみしか受け入れてもらえない。

Hartford Courd Land's Edge Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir 2009

サンフランシスコで開けたが、数日後UC Davisのクラスメイトにここで働く人がいて再度飲むことになった。新世界っぽい熟した果実のニュアンスは強め。

COBB Emmaline Ann Vineyard Sonoma Coast 2008

フラワーズとはワインメーカーが同じ?同じだった?重すぎず、芳香に富む。レストランで飲んでも、日本の小売の7割程度。タイミングが合わず訪問は叶わなかった。

Ravens Wood Zinfandel Kunde Vineyard 1997

セントヘレナのワインスペクテーターレストラン。古いワインは少ないか高額だが、安価で良年のZin、しかも御三家が見つかったのでトライ。熟成感も出ていて美味!

 

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メトキシピラジンの興味深い研究 & 日本のメルロとフラン考

2013-03-23 | Essay

ボルドー品種(カベルネソヴィニョン、ソヴィニョンブラン、カベルネフラン、メルロなど)のワインには、メトキシピラジン(=(略称)MIBP、=(正式名称)2-メトキシ-3- イソブチルピラジン))と呼ばれる物質が含まれ、ピーマンの香りに代表される青臭い香りがある。その爽やかなニュアンスをプラス要因として積極的に取り込む生産者もいるが、一般には未熟果に由来する香りとされワインのマイナス要因と考えられている。

以前投稿したが、MIBPをコントロールするために、ブドウの房の周りの除葉することで、MIBPの生成を抑制できることが知られており、1980年代後半から徐々に除葉が取り入れられてきた。カリフォルニアでは90年代には一般的になったが、ボルドーでは2000年代頃から本格的に取り入れられている。

MIBPはどこで生成されるか?

除葉がMIBPの生成を抑制するのであれば、MIBPは葉で生成されるのか?この仮説を否定できる興味深い研究が行われていた。MIBPが含まれる品種の房を、MIBPが含まれない品種の樹に接ぎ木したものと、その逆の組み合わせの比較実験が行われた。

  • A) マスカットオブアレキサンドリア(MIBPなし)の樹に、カベルネソヴィニョン(MIBPあり)の房を接ぎ木する
  • B) カベルネソヴィニョン(MIBPあり)の樹に、マスカットオブアレキサンドリア(MIBPなし)の房を接ぎ木する

実験結果は顕著で、Aの実には多量のMIBPが含まれていたが、Bには検知可能なMIBPは含まれていなかった。

この実験が示唆することには、MIBPはブドウの実で生成さるのであって、葉で生成されたMIBPが実に運ばれることはないということである。

なぜ除葉がMIBPを抑制するか?

MIBPは、熱や紫外線によって分解されることが知られている。新世界の温暖な地域のカベルネは、その暑い気候のためにMIBPがそもそも抑制されている。さらに、フルーツゾーンの除葉によって紫外線が果実に当たり、MIBPの分解が促進されるようだ。

MIBPはどのように生成されるか?

これについては研究途上にあるようだが、ブドウ生育期の湿度、特に、結実から果実が色づくヴェレゾンまでの湿度が大きく影響するそうだ。確かに、ナパの降雨量は6月から9月まではほとんどゼロだが、フランスは毎月50㎜の降雨はあるようだ。

日本のワイン

ボルドーのメルロとカベルネソヴィニョンを比べるとカベルネソヴィニョンにはMIBPが顕著だが、メルロのMIBPはそれほど強くはない。一方、日本のメルロではMIBPの香りが顕著に表れている。日本の場合、6月中旬~7月中旬は梅雨の最中で、月間降雨量は100㎜をはるかに超える。MIBPが生成されやすい時期に湿度が最も高くなることが、日本のMIBPを厳しいものにしていると思う。

最近、いくつかの日本のカベルネフランを飲む機会があった。カベルネフランとソヴィニョンブランが自然交配してカベルネソヴィニョンが生まれたとされているだけあって、カベルネフランもMIBPが多く含まれているはずである。(少なくともロワール地方のカベルネフランからはピーマンが強く香って来る。)しかし、日本のカベルネフランからは強いMIBPを感じなかった。何故か?

これ以降は全くの私見ではあるが、メルロとカベルネフランの生育サイクルの違いに起因すると考える。メルロはかなり早く収穫できる品種で、8月の終わりには摘み取られる。秋雨前線や台風の影響を軽減できるとして日本で推奨されてきた。しかし、その分結実やヴェレゾンの時期も早いのでMIBP生成にとってはマイナス要因になっているのではないか。

一方、カベルネフランの収穫はメルロよりも数週間遅い。もし、結実やヴェレゾンのタイミングも遅いのであれば、MIBPが生成される時期の後半では梅雨が明けて、湿度も低下していると思われる。秋雨前線や台風のリスクが高まるかもしれないが日本においてはMIBP抑制には向いた品種なのかもしれない。

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東御市ワイン特区 (ヴィラデスト、Rue De Vin、はすみふぁーむ)

2013-03-13 | ワイナリー訪問記

東御市は、長野県上田市の隣に位置する。市街地の北側に連なる丘の斜面は南向きの絶好の斜面。標高も700㍍~900㍍と高いので、夏の気温の日較差は大きく、酸が保たれやすい。ここに、ヴィラデスト、Rue De Vin、はすみふぁーむと最近注目を集めるワイナリーがある。メルシャンの椀子(まりこ)ヴィンヤードも街を挟んで反対側に広がっている。いずれも、国際的なワイン品種に力を入れるワイナリーで、彼らの努力と成功によって「ワイン特区」が出来上がった。通常は、醸造免許を取得するには6000㍑の生産が必要とされているが、東御市のブドウのみを使った場合は2000㍑にまで敷居が下げられている。個人的にも、夏場の少雨、標高による日較差、南向きの広大な斜面、などポテンシャルを感じる場所である。

Rue De Vin

当主であり、栽培・醸造を手掛ける小山氏は、周辺農家、地域との共存ができないと、ワイナリーは存続できないと強調する。疫病が多い日本では、農薬は必須となるとのこと。それでも最小にする努力が払われるとともに、他の農家との境界付近では散布を抑える努力を怠らない。畑は5㌶程度で、斜面に階段状に連なる。いずれも南向きのロケーションでテロワールの良さを感じる。

リンゴ樹 長野はリンゴの生産でも有名である。ブドウ樹の合間のいたるところにリンゴが植えられている。基本は生食用だが、傷ついたものはシードルに用いられる。

若樹は藁で覆う

成長しかけた樹 ヴィラデストの話によると、台木は10114、若しくは、3309が主流だそうだ。リパリア×ルペストリスの代表選手。

斜面上部の区画。Rue de Vinでは、2005年から栽培が開始され、2010年からワインがリリースされているそうだ。

 

はすみふぁーむ

蓮見氏も2005年頃からこの地に移ってきてワイナリーを営む。議員を兼ね、地域との融合を図っている。日本最小のワイナリーを自称するが、ドメーヌ・ショオ(新潟)とどちらが小さいかで議論の決着がまだ着いていないそうだ。Rue de Vinの隣に位置し、畑はワイナリー前と少し離れた場所にある。

ワイナリー前の畑

離れた斜面にある畑。剪定直後で、枝の払いよけはこれから。脇の黒い覆いの下では他の農家が朝鮮人参を栽培していた。

 

ヴィラデスト

作家であり、画家の玉村豊夫氏が起こしたワイナリー。この地のフラグシップ的な存在で、行政への働きかけの先陣を切ってこの地を盛り上げてきた。標高750㍍~900㍍の土地で、夏場の日較差による酸の保持を大切にする。日本の多雨は受け入れて、その中で何が造れるかを考えなくてはならないとのお話はごもっともである。

ワイン造りは、日本ワイン界のブレイン的な存在の小西氏が仕切る。5㌶の敷地を4人でケアする。ハイエンドをターゲットとしたワイン造りをめざし、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、メルロ、ピノ・ノワールなどを手掛ける。ワイナリーは半地下。タンクと樽は多いが、瓶詰機やコルク栓のラインなどは設けていない。

長野でも巨砲にフィロキセラが付いたとのこと。巨砲も耐性が弱いようだ。

瓶詰機とタンク

タンクと破砕・除梗機

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Opus One & Mondavi

2013-03-10 | ワイナリー訪問記

Opus と Mondaviは、Oakville の中心に位置している。プロモーションの一環ととらえているようで、訪問が容易である。いずれも3回目の訪問だが、なぜか空いた時間に入れるのはこの二つのワイナリー。

 

Opus One

ナパのモンダヴィとボルドーのムートンのジョイントベンチャー、Opus One。

Opusのツアーは予約が必要だが、テイスティングと建物の屋上での休憩が可能。リリース中の06と09ヴィンテージの試飲は、合わせて85㌦もする。それでもアメリカサイズなので、一杯が、各六分の一本に相当するのでお得なのかもしれない。リリースされているOpusとそのセカンドワインOvertureもここで売られている。Opusは、250㌦程度、Overtureは、80㌦程度。

Opus の屋上は眺望がよく、周りに広がる畑が見渡せて気持ち良い。

一般観光客相手のワイナリーも、細部に目を向けると面白い。カバークロップのテストもやっているようだ。

樹間と仕立てはボルドーを真似ている。1㍍×1.2㍍、ギョードゥーブルで高さは低い。農作業は、腰が痛くなりそうだ。Opusのワインを飲むと感じるのは、ピーマンの香りに代表されるメトキシピラジンの香りがカリフォルニアの中では顕著であること。割とボルドーに近いスタイルに仕上がっている。これもムートンの資本が入っていることで、栽培方法にはボルドー的な手法が多様されているからであろうか?

カリフォルニアとボルドーで圧倒的に異なるのは、夏期から収穫期にかけての乾燥である。夏でも一定して毎月数十ミリの雨が降るボルドーに対して(日本はさらにその1.5倍~数倍の降雨)、ナパはほぼゼロ。ヨーロッパでは禁止されているところが多い灌漑設備は、必須となる。雨が足りない分、灌漑で水分を供給できるということは、灌漑設備を調節することで水分の供給量をコントロールできることを意味している。天候頼みのヨーロッパに対して、水分調節ができるカリフォルニアは、ブドウの品質が一定するメリットも大きい。

これの延長戦で、Deficit Irrigationという考え方が、この地では発展している。水分の供給を必要量より減らしてブドウ樹にストレスをかけることで、ブドウの品質向上につながるという考え方である。

Robert Mondavi

1960年代からこの地でワインを造り始め、ナパを世界的に有名にしたRobert Mondaviの功績は大きい。現在の経営権は、familyの手を離れている。

ワイナリーは観光化され、常時ツアーと試飲が受け付けられている。ツアーは、短時間コース(30分)と畑も周るコース(1時間20分)が、その場でレジスターできる。それ以外にもコースがあるようだが、それらは事前予約となっている。ショップも充実。1992年のカベルネ・リザーブまで販売されているが、160㌦する。ビッグビンテージと呼ばれる94と97はない。

ブドウ樹の樹齢は、50年だろうか?古そうだがコルドン仕立て。カベルネだろうか?

昔、使われていたプレス機も展示されている。

かつてステンレスタンクを採用していたモンダヴィは、木のタンクに戻したことでも有名。いくつものタンクが並ぶ。この木のタンク、温度管理もできるそうだが、温水パイプが中に張ってあるのだろうか?グラヴィティ・フローも徹底していて、この階の下が樽の貯蔵庫となっている。

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Bryant Family

2013-03-09 | ワイナリー訪問記

先に掲載したUC Davisのonline extension programは、ワイン造りへのキャリアチェンジを目指す人や、就職したてのアシスタント・ワインメーカーを主な対象としている。しかし、熱心な受講者っもいて、カリフォルニアを代表するブライアントファミリーの醸造・栽培責任者まで参加していた。剪定実習のあと、時間に余裕のある受講者8人ほどを公開されていないBryant Familyに招待してくれた。

https://bryantwines.com/

Bryant Familyは、Pritchard Hillと呼ばれる、ナパの東側、ヘネシー湖を見下ろす丘にある。Oakville などと比べると冷涼で、質の高いブドウができるそうだ。 

灌漑に使われる水は、わざわざタンク車でヘネシー湖から運ばれるそうだ。汲み上げることのできる水量などは、湖の管理者と細かく決められ、必要な時には写真の白いタンク車が最大で一日に6往復するそうだ。

ブドウの仕立て方の中心は、短梢を日本残したVSP。

しかし、畑の東側の区画ではコルドンに仕立てを移行しているそうだ。

ここのコンサルティングは、vineyard managementとしてもっとも脚光を浴びている、David Abreu。彼は細かい助言をするが実際の行動は各ワイナリーに委ねられる。それでも、彼の息吹を受けると畑が美しくなるそうだ。

ここでもcover cropsは重要で、一列おきに交互にハーブが植えられている。(ハーブの名称は失念)

畑を見下ろす高台に醸造設備がある。

グラビティーフローを基本とし、二階にトラックがつけられ、そこに選果台と除梗機がある。選果は6人で二度行われる。一度目は房の選別、二度目は顆粒の選別。

二階から一階には果汁を流す穴がいくつか開いている。右はホースをつなぐ器具。

一階には所狭しとタンクが並ぶ。ステンレスタンクが主要だが、左のコンクリートタンクもいくつか用いられている。

地下貯蔵庫には、整然と樽が並ぶ。もともとは一段にされていたが、David Abreuからの買いブドウを手掛けはじめたこと、収量が思いのほか多かったことなどから、二段になることが最近は多いそうだ。

ラボもしっかりしていて、様々な測定機材が並ぶ。

左はBettina、ボルドーブレンドの別のカテゴリーワイン。カベルネ100%のBryant Familyとともに、一本425㌦するらしい。

右はテイスティングに供出いただいたDB4。これでも80㌦で販売される。当主や関係者にDBのイニシャルを持つ人が4人いたので、DB4と命名されたそうだ。テイスティング・ルームは八席の小さな部屋。稀に重要な顧客へのテイスティングに利用されるほか、設備投資などの打合せなどにも利用されるそうだ。

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UC Davis Experimental Vineyard

2013-03-09 | ワイナリー訪問記

UC DavisのExperiment Vineyardは、ナパの中央、Oak Villeにある。隣は、Far Niente、その奥にはMondaviのTo Kalon vineyardがある。元々のTo Kalon vineyardの所在地がUC Davisへの寄付などによってExperiment Vineyardとなり、To Kalonは、その斜め隣に移った歴史があると聞く。

ここで、有名なブドウ栽培の数々の研究が成された。適正な樹間の実験、ウイルス耐性の実験、Double Pruningの効果の実験、適正な葉の実験など。現在でも数々の実験が行われ、健全なブドウは、ワイナリーに販売されているそうだ。vineyrad沿いの道から中を覗くと、いくつかの畝ごとに異なった台木が使われていることが明示され、畝の間に生えるcover cropは、多様性があり、品種も様々。商業的なワイナリーとは趣が大きく異なる。

現在受講中のUC Davisのextension programのviticultureでは、フィールド・トレーニングに参加できる機会が与えられる。これは、単位には関係ないが、生産者に近い視点からブドウ畑を見て、実際に剪定を行えるとともに、ワインメーカーとの交流を持てる有意義な機会であった。

次の写真は、ウィルスの影響を実験したもの。この区画だけは収穫されていないので異様。

剪定前のブドウ樹。剪定方針をインストラクターから教わる。

 → 剪定後の枝 

インストラクターの慣れた手つき

 

剪定前の樹は延々と続く。参加者14人で千本剪定し終わってからランチと脅されるが、実際は一人でブドウ樹5本程度を剪定する。

剪定中に指摘された、ウィルスに侵された(茶色がかった箇所)枝の組織

ボルドーの仕立て方の実験区画

 

Cover Cropsの実験区画

 

剪定後の消毒作業。こちらを行っている方々は本職

 

株仕立てのジンファンデルの剪定

剪定前→剪定後

 Far Nienteのvineyardがすぐ隣に

これから植えられる苗木。接ぎ木されていることがはっきりしている。緑色の上部(穂木)と、木の色をした下部(台木)

研修後は、ピザ屋でワイン会。Hartford Courtで働くクラスメイトがワイン6本を差し入れ、盛り上がる。

 

 

 

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某ブルゴーニュ・ワイン会

2013-03-09 | Tasting Note

ブラインドで供出されたが、当てることが叶わず。

白は、ポンソのモンン・リュイザンは秀逸なアリゴテ。今回で3回目だが、テイスティング前のオート・コート・ドニュイの話に惑わされて、DRCと誤る、、、

赤のDRCは、除梗していないと感じつつも、ヴォーヌ・ロマネの斜面の上下であるとのヒントからフランソワ・ラマルシェと答えてしまい涙を呑む。先入観にとらわれてはいけない。美味、今すでに素晴らしい。

Faiveleyは、slow starterなのか?一瞬香ったが、しばらくトンネルに入った。1時間半後に場所を変えて残りを飲んだら見事に開花。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュと酷評したことを悔やむが、後悔先に立たず、、、

  • Ponsot Morey Saint Denis Clos des monts Luisan 2007

  •  Domaine Faiveley Gerey Chambertin 1er Cru La Combe aux Moines

 

  • DRC Romanee St Vivant Marey Monge 2008 

  • DRC Richeourg 2008

  •  Domaine Faiveley Nuits St Georges 1er Cru Les Damodes

  • Domaine Faiveley Nuits St Georges 1er Cru Les Foret Saint Georges

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