コルトン
コルトンは広大な畑で、白・赤ともにコート・ドール一の広さを誇っている。土質はコルトンの丘の斜面東側と南西側で異なるようで、褐色土が多い東側が赤向き、白に近い南西側が白向きと言われている。白向きの土地で造られる赤、赤向きの土地で造られる白に対する評価は低い。
かつてのラヴァルによる評価は、区画(リューディ)によって行われていたので、現在のAOCで一括するのには無理があるのかもしれない。
主要品種:白
ラヴァル:1850年頃、ラヴァルが白について準一級としたのは、Le Charlemagne、Le Corton、Corton Les Chaumesの三畑で、全て白を対象としたものであった。
Jasper Morris: 現在のコルトン・シャルルマーニュの主要部分、斜面上部から中腹までを対象としている。En Charlemagne (白のみ、部分) 、Le Charlemagne (白), Le Corton, Corton Clos des Corton Faiveley, Corton Les Languettes (部分), Corton Les Pougets(部分), Corton Rognet,
Remington Norman:Les Pougetsを取り上げているが、他は取り上げられていない。総じて赤より白に肩入れしている。
主要品種:黒
ラヴァル:赤については二畑のみ準一級。Corton Le Clos du Roi, Corton Les Renardes
Jasper Morris:赤は幅広にとってあるが、それでも斜面中腹となっている。Le Corton、Corton Les Bressandes、Corton Le Clos du Roi、Corton Les Greves (部分)、Corton Les Languettes (部分)、Corton Les Perrieres (部分)、Corton Les Pougets(部分)、Corton Les Renardes、Corton Rognet、Corton Les Vergnnes (部分)
Remington Norman:グラン・クリュに見合わないものが多いと述べているが、それから漏れるものは明言していない。Le Corton、Corton Les Bressandes、Corton Le Clos du Roi、Corton Les Perrieres (部分)、Corton Les Pougets(部分)、Corton Les Renardesの6区画を秀逸としているが、特別にCorton Clos des Corton Faiveleyを取り上げている。
黒については、多少Jasperの方が幅広で細かいが、Remingtonとの差異は少ない。
ボーヌ
ラヴァル:準特級としているのは、Aux Cras、Les Feves、Les Greves。
Jasper Morris:Les Grevesのみ別格一級となっている
Remington Norman:特級に見合う畑は取り上げられていない
ニュイ村と言い、ボーヌと言い繁栄した場所の周りは評価が高いのか?そういえば、ボルドーのマルゴー村、シャンパーニュのモンターニュ・ド・ランスの北側が高い評価であったのと似ているのかもしれない。
ポマール
ポマールで議論を呼ぶのはゼプノとリュジアンヌ
ラヴァル:該当なし
Jasper Morris:別格一級としているのは、Les Grands Espenots、Les Petits Epenots、Les Rugiens (バの区画のみ)の3畑
Remington Norman:Les Rugiensのみ特級としている。Grands Espenotsも秀逸としているが外している。土地の一貫性を重んじているので、斜面下部のGrands Espenotsを外しているのにはこだわりを感じる。
ヴォルネイ
ヴォルネイは丘になっていて、、ムルソー村を眺望できる。一見して陽当たりの良さがわかる。
ラヴァル:Cailleret、En Chmpans、Les Santenots、Les Santenots du Milieuの3畑をグラン・クリュとしている
Jasper Morris: Cailleret、Clos des Chenes、Les Santenots (上部)、Les Santenots du Milieu、Taille Piedsの4畑、特にTaille Piedsを入れたのは興味深い。ラヴァルによるとTaille Piedsは2級相当であった。
Remington Norman:Cailleretのみ特級、かつて王(領主)の所有であったことから、他よりも際立っていると結論付けているが、他の周りの畑にも一定の評価を得ているので、特級とはしないものの熱い視線を感じる。
ムルソー
ラヴァル:Les Perrieresのみグラン・クリュ
Jasper Morris: Les Perrieres、Les Charmes(上部)、Les Genevrieresを別格一級としている。
Remington Norman: Les Perrieresのみグラン・クリュとしているが、Les Genevrieresの上部とLes Charmesの上部にもその可能性を示唆している。
ピュリニ・シャサーニュ
モンラシェ:ラヴァルの評価では、モンラシェは、ピュリニ側のみが別格特級と言われる、この畑だけ特別な扱いとなっていた。ロマコン以上である。シャサーニュ側については準特級である。現在の特級にもちろん異論はなさそうである。
シュヴァリエ:ラヴァルの評価対象から漏れている。当時はそれほど重要でなかったのか?現在の特級にもちろん異論はなさそうである。
バタール・ビアンヴィニュ・クリオ:現在のグラン・クリュにもちろん異論はなさそうであるが、こちらはラヴァルによるとプルミエ・クリュ
(ピュリニ村のプルミエ・クリュ)
- ラヴァルは、ピュリニ村において、特級としたのはモンラシェのみで、他は全て一級止まりであった。Le Cailleret及びLes Pucellesをラヴァルが評価した1850年当時、これらには黒ブドウが植えられていたとのことは驚きである。
- Jasper Morrisは、ピュリニ村の畑を広く取り上げ、カイユレLe Cailleret、Les Combettes、Ez Folatieres、Les Pucellesの四畑を別格一級としている
- Remington Normanは、Les PucellesとLe Cailleretの二畑のみ。モンラシェの隣にあるLe Cailleretは厄介で、多くの人が評価するPucellesをグラン・クリュとするには、その斜面上部にあるLe Cailleretの昇格は必須でないと論理が成立しないことである。
(シャサーニュ村の一級畑)
- ラヴァルが準特級としたのは、La Boudriotte、Clos Pitois(Morgeotに併合)、 Clos St-Jean
- Jasper Morrisの見方は異なり、上位一級としたものにCailleretのみ
- Remington Normanは、シャサーニュ村で昇格の可能性を示唆した畑はない
その他
他の村で、グラン・クリュとして取り上げられている畑はないのでここでも取り上げないこととする。