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映画「ワイルド・バンチ」

1969年 米 午前十時の映画祭@松江SATY東宝
監督 サム・ペキンパー 出演 ロバート・ライアン ウィリアム・ホールデン アンソニー・ボーグナイン 

むかし女友達がこの映画を絶賛していたので、30代後半に見たことはあるが、当時は余り評価しなかった。暴力が極端に苦手な私だから、バイオレンスが売りのサム・ペキンパーとはそもそも縁が遠い。しかしあれから30年後に見たら、所々に「オッ、いいじゃないか」と言う箇所が発見できたのはうれしいことだ。

この映画の背景、1913年とは、自動車が初めて出現し、飛行機のうわさも出始める時代。
ウィリアム・ホールデンやアンソニー・ボーグナインらの列車強盗団に業を煮やした、鉄道当局がロバート・ライアンら賞金稼ぎを使って退治しようとしている。メキシコ政府軍に反抗するパンチョ・ビラ、それに敵抗するマパッチ将軍。米軍とメキシコ正規軍などが入り乱れて何がなにやらわからない。

西部劇の美学といえば、4人横並びでマパッチ軍に立ち向かうホールデンたち(↑)。まさに西部劇の決闘シーン。
友の名前を呼びつつ、死んでいくボーグナイン。彼は「鉄道は敵だ」と言うが、4年後「北国の帝王」で車掌に扮し、只乗り撲滅に命をかけることになるとは運命の皮肉だ。

主題歌「ラ・ゴロンドリーナ」(つばめ)は出陣場面にかぶってなかなか良い。
メキシコの若者エンジェルがギター爪弾き歌う歌も声が甘くて良かった。

子どもや女性も容赦なく巻き込まれる暴力が生々しく表現されている。
冒頭のシーンで、無数の蟻に襲われるサソリを嬉々として見守る子供たち、さらに蟻もサソリも焼き滅ぼす炎、それはそのままこの映画の物語を暗示しているかのようだ。



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