goo

【映画】日本橋

1956年 原作 泉鏡花 監督 市川崑 110分 鑑賞 松江テルサ 
出演 淡島千景 (稲葉家お孝)
山本富士子 (滝の家清葉)
若尾文子 (雛妓お千世)
品川隆二 (葛木晋三)
柳永二郎 ヤナギエイジロウ (五十嵐伝吉)
船越英二 (巡査)

市川崑の初カラー映画だ。同じ年に白黒の「ビルマの竪琴」も撮っている。

美しく優しい清葉と、勝気なお孝は大正初めの日本橋の売れっ子芸妓だ。お孝は清葉を意識し張り合っている。可憐な雛妓が若尾文子、川口浩は悪ガキのいじめっ子。この配役に52年の時差を感じる。脇役の岸輝子や柳永二郎の醜さ=悪さも強烈だ。

どちらかと言うと、鏡花世界につきものの美醜の二極対立の内、醜の存在感の方が大きかった。狭い路地も、「濹東綺譚」同様で、なんだか息が詰まりそう。

「ビルマの竪琴」と違い、世界の映画祭に出品しても大して共感は得られそうに無い。

一方、溝口健二が1920年代無声映画化した「日本橋」は今はもう見られないが、淀川長治が絶賛していたとか。

実際の日本橋はこの映画のすこし後に首都高速道路に覆われ、東海道の起点であったかつての栄光も過去のものだ。


関連ブログ
「さよなら市川監督」8-2-21
「黒い十人の女」 8-8-23
「女経」 14-2-4
「野火」    14-4-2










コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 【本】今日の芸術 【本】吾輩は... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。