映画「やさしい嘘と贈り物」

08　米　92分　2月12日（土）島根県民会館にて鑑賞　
原題　Lovely，Still　監督・脚本　ニック・ファクラー
出演　マーティン・ランドー　エレン・バーンスティン　アダム・スコット

愛と善意に溢れた映画ということは否定しないが私としては40点。出だしのミステリアスな雰囲気を楽しむところを、邦題で種明かししてしまっているのは、かなりの痛手だし、予告編ですでに展開は丸見えだった。「認知症などによる忘却」が「初めての顔」という錯覚を呼び、ひいては初恋のような喜びをもたらすというアイディアは過去の映画にも繰り返し登場しており、（ＯＯ回目の～～）新趣向ではない。そこで主役を老夫婦としたのがミソだろうが、その描写は老人とか認知症でなくてもあてはまるようなものであり、認知症の老人ならありえないようなものもある。それにあんなに優しい妻は例外中の例外だろう。監督・脚本のニック・ファクラーが24歳と聞けばうなづけるものがある。「エド・ウッド」でフランケンシュタイン俳優のベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーは怪物的な風貌。「White　Chrismas」にあわせて、降る雪の中、老夫婦が踊る俯瞰シーンは、美しく懐かしい。