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トム・ゴードンに恋した少女

2002 新潮社刊 著者スティーヴン・キング 訳者 池田真紀子

スティーヴン・キングと言えば「シャイニング」のジャック・ニコルソンの歯をむき出した顔や、「黙秘」「ミザリー」のキャシー・べイツの不機嫌な太った顔が目に浮かぶので、彼自身が怪物であるかのように思い込み、敬遠策をとり、一冊も読んだことがない。だが意外に若い(1947年生まれ)し、「ミザリー」「黙秘」「キャリー」「グリーン・マイル」「ショーシャンクの空に」もちろん「スタンド・バイ・ミー」などの映画の原作者であることが今度わかった。「スタンド・バイ・ミー」を見た日、原作を読もうとしたが図書館になく、彼の本を探すうちに、タイトルに惹かれて手に取った。

森の中で迷った少女の物語。飢えと乾きと疲労が募るときに人間を襲う幻想。サキの「狼少年」を思わせる。
それに「スタンド・バイ・ミー」にもあった、家族の間で忘れられ無視される子どもが、自分を「透明人間」と感じること。どうやら作者自身の生い立ちと関係あるようだ。

キングはストーリーテラーの名手といわれるだけあり、読みやすくて、一気に読み終わってしまった。タイトルの「トム・ゴードン」は地元の人々が熱愛するボストン・レッド・ソックス(野球チーム)最強のおさえの投手。
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