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映画「かぐや姫の物語」

2013 日本 137分 松江SATY東宝にて
監督 高畑勲 出演(声) 高良健吾 地井武男 田畑智子 高畑淳子 宮本信子

前評判が高いので、姪がぜひ見ようといい初日に見た。
ただし、座席は別で、各自の好みにしたがって真中と端に座る。

作品はかなり原作に忠実に作られているが、監督(1935~)の政治的信念のようなものはちゃんと出ている。「ミカド」への抵抗の強さとか、庶民の貧苦の描写とか。また、翁は上昇志向であるが媼は心が清らか、女性への素朴な信頼も見てとれる。宮崎駿にもその傾向があり、ジブリの特徴でもあろうか。

「かぐや姫の罪と罰」とは何か?監督は冒頭に天界での父娘の対話を置いていたが、製作過程でそれを省いてしまったという。そのせいか、どうもぼやけている。映画が終って「どうだった?」と聞いたら姪は「よくわからない」と言っていた。「どの人が一番魅力があった?」と聞くと、「あの若い男(捨丸)も、いかにも、って感じだしね」という。ほほー、やはり自分の年齢に近い人物に目が行くのか、幼馴染の遊び仲間で、眉が濃く凛々しい青年は、この中ではぴか一かも知れない。翁は俗っぽいし、媼はあまりにも純真で善良だし、貴公子はどれも下品だし、帝ははまあましな容貌だが思慮にかけるようだしで……。映画全体で一番印象に残ったのは、月世界からの、別の映画ではUFOとして描かれたが、雲に乗った天人たち。ただし、こわばった仏像には驚かされたが。この迎えの雲と天人には「聖★おにいさん」を連想した。

★蛇足ながら、かぐや姫と言えばこんな思い出がある。

◎●88年の正月、市川崑の「竹取物語」を見たが、UFOおよび三船敏郎が翁を演じたのに意表をつかれた。
◎●外語の入学式に、まだアルファベットも習ってないのに「竹取物語をアラビア語に訳して海外に紹介しなさい」と母に言われたが、邦訳ならまだしも、逆は無理だと思うよと答えた。
◎●小学4年の時に描いた「かぐや姫」の絵巻物が、最近出て来た。クレパスで、姫には赤やピンク、貴公子には青や緑、老人には灰や茶色の服を着せており、その頃は性別年齢別服装感覚があったようだ。
◎●高校1年の国語の教科書(角川書店1960年)に「竹取物語」の抜粋が出ていた。子安貝の項では「かいなし」「かいあり」の語源になったとか、「なんじ幼き人」と翁が呼ばれる部分とか、きれいな個所ばかりである。その後習った古文ではかなり露骨な表現もあり、「さが尻をかき出でて、こゝらのおほやけ人に見せて耻見せん。」と翁が息巻くくだりを「逆尻を……?」と首をかしげながら朗読していた級友も思い出す。

●◎高畑勲
→「王と鳥」 10-10-12
→「借り暮らしのアリエッティ」10-7-21
●◎スタジオジブリ
→「崖の上のポニョ」8-8-20
→「借りぐらしのアリエッティ」10-7-21
→「風立ちぬ」 13-9-15
→「コクリコ坂から」 11-7-20
●◎宇宙飛行士
→「ジグソーパズル3点」13-11-10
→「宇宙飛行士の医者」 12-10-20
→「はやぶさ 遥かなる帰還」12-9-3
→「エイリアン」12-5-3
→「E.T.」12-3-10
→「ライト・スタッフ」11-2-9
●◎映画館で
→「どこに座るか」12-5-1
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