左からチャック・コナーズ、グレゴリー・ペック、キャロル・ベイカー

左からチャールトン・ヘストン、ジーン・シモンズ、グレゴリー・ペック
1958 米 167分 ★午前十時の映画祭★松江SATY東宝にて
原題 THE BIG COUNTRY 監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グレゴリー・ペック チャールトン・へストン パール・アイヴズ ジーン・シモンズ キャロル・ベイカー チャック・コナーズ
物語:大牧場主の一人娘(キャロル・ベイカー)と結婚するために東部からテキサスにやってきた男(グレゴリー・ペック)。彼の東部人らしい外見や行動は「力こそ正義」の西部では誤解されがちだ。娘の父親は、隣の牧場主パール・アイヴス父子と水の確保で絶えず争っている。ペックは、その争いを納めようと努力するが……。
ワイラーは「ローマの休日」「噂の二人」などの監督。金髪のじゃじゃ馬娘キャロル・ベイカーと、黒髪の思慮深いジーン・シモンズの女の対決が面白い。シモンズは「ローマの休日」「噂の二人」のヘプバーンと全体によく似ている、というか、時期的に見てヘプバーンの方がシモンズに似たのだろう。
20代のころ、男友だちが、この映画では、決闘シーンで上のほうから撮影しているのがよかったと言っていたので、今回注意してみたら、そういう撮りかたがこれでもか、と畳み掛けるように、繰り返し出てくる。ワイラーは「対決」が好きらしくて、チャールトン・ヘストンとペック、ペックとチャック・コナーズ、父親同士、の決闘が行われるのだが、必死でふたりの男が戦う姿は、広大な荒野の真中において見ると、間近で見るよりも客観的に見え、少しおかしくなったりするのだ。敵役パール・アイヴスが、単なる悪役でなく、人間的でいい味を出していた。この俳優は「熱いトタン屋根の猫」のガンで死に行く老人が印象的だった。
はじめて見たのは14-15歳の頃。「灰とダイヤモンド」1958も同じころ見たが、そちらにはてんで歯が立たなかった。後から良さがわかるようになったけれど。この二つの映画、まるで違うように見えるが、やはり同時代の作品だと思ったのは、チャック・コナーズの死ぬシーンが、「灰とダイヤモンド」でチブルスキーがのた打ち回って死ぬシーンと似通い、ふたりの面長でえらの張った顔もまた似ていることだ。
(2022-5-10追記)「勝手にしやがれ」1960のラストも似ている
◎オードリイ・ヘプバーン
→「尼僧物語」2006-12-08
◎ワイラー&ヘプバーン
→「噂の二人」2007-05-09
◎熱いトタン屋根の猫
→「ポール・ニューマン逝く」2008-09-28
◎チャールトン・ヘストン
→「猿の惑星ジェネシス」2011-11-07
◎グレゴリー・ペック
→「アラバマ物語」2007-06-09