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トルストイも空気も読まなかったころ

2月22日(水)

中学3年の国語の時間、「古典にはどんなものがありますか」とクラス担任のK先生が質問した。「竹取物語」「平家物語」「源氏物語」「土佐日記」「徒然草」と指された生徒が答え、黒板に6-7点並んだ時、わたしに回ってきたので「戦争と平和」と言った。先生は「ああ、戦争と平和ね」と書き並べるだけで、何もコメントしない。そのあとも級友は日本のものしか上げなかった。

わたしが教師なら「ああ、先生が日本の古典と言わなかったからね、「古典」と言うなら日本も外国もあるね、これは一本取られた」と言うか「ほー、OOさんはそんな本を知っているのか、読書家だねえ」と言うか、「外国の古典もあるね、しかし、今の場合は日本の古典にしぼろう」と言うか、とにかく私の発言をとらえて何とか指導しただろう。ロシア文学など、彼の本棚にも記憶にもなかったのかもしれない。

いやいや、当時の高校入試は厳しかった。科目は英数国社理のほか、職業家庭、保健体育、音楽、図工の9科目で、倍率は公立で3.5倍上、まもなく入試も迫り、担任としてはそれどころではなかったのかもしれない。

私は別に「戦争と平和」を読んだわけでも、家にあったわけでもない。ただ、その名前を出すことでその場に刺激を与えたかったのだと思う。まったくの空振りだったわけで、今の流行語でKY(空気を読まない)存在だったわけだ。そしてトルストイも今思うと、KYなひとだったようである。

→「ケスイボ(方言)」14-8-18

→「北御門二郎」 12-2-19

→「文読む月日」21-10-13

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