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【映画】懺悔(ざんげ)

1986年 グルジア(ソ連)153分 監督 テンギス・アブラゼ 出演 アフタンディル・マハラゼ ゼイナブ・ポツヴァゼ ケテヴァン・マハラゼ DVD

ソ連が崩壊する前に作られた、全体主義を厳しく批判した映画。
ある街の市長の死から映画は始まる。彼はヒトラーのようなチョビヒゲとムソリーニのような体格をしている。あまり心のこもらない型どおりの葬式が行われるが「敵を友に変え、友を敵に変えた、非常に稀な人物だった」と弔辞は述べる。こんな弔辞がありうるだろうか?

埋葬の夜から、何者かが彼の遺体を掘り起こして、遺族の家や街角に放置する。一度ならず、三度まで。その犯人が捕まるが、被告席で、彼の生前の悪業を告発し始める。

冒頭からどの画面もどの音も意味があり、隅々まで気を抜かない芸術性に溢れているのに感動した。こういう映画にお目にかからなくなってどれ位経つだろう。
その町には聖母教会があったが、彼の治世で破壊された。最後に巡礼女が「教会に通じない道にどんな意味があるんだろう」と言う。おそらくこれがこの映画の製作意図だと思う。
まるで、何よりもまず人生の意味を問い詰める、「カラマーゾフの兄弟」の世界に戻ったような気がした。
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