2007年 9月11日。
イランの フィールズ・アーバードにある民家を訪ねた。
写真のおじいさんは大歓迎で自分の若かりし頃の写真を得意げに見せてくださる。
馬に乗り、凛々しいおじいさん。
ペルシャ語で色々説明してくださるが、言葉が全くわからない。
夫は遺跡の写真に夢中。
まずは私とタクシー運転手と、民家に案内されたと言うわけだ。
おじいさんが笛を取り出し、ペルシャの調べを聞かせて下さった。
得意気に、何曲も披露。
あまりの曲の素晴らしさにうっとりとする私。
私がおじいさんの笛とおばあさんの笑顔を楽しんでいる最中、タクシーの運転手は、夫を連れてきて下さった。
夫と共に笛の音色に聞き入り、しばし イランの古典音楽の美しい曲にリズムをとる。
幸せそうな夫のそばで、私は これがイランかと、内心ほくそ笑む。
これがおばあさん。
とてもしっかりとした、端正な顔立ち。
カラフルなワンピースがお洒落。
孔雀の羽のような模様を見ると、イランでも孔雀は吉祥文様かも知れないと感じたが、確信は持てない。
へジャブも、一般の形とは違う。
頭上の丸いデザインは、何を意味するのだろう・・・。
この近くの女性を何人か見たが、色の華やかなワンピースを着ている女性が非常に多い。
『地球の歩き方・イラン』によると、派手なスカートを身にまとった方たちは、少数民族の方も多いとか・・・。
しかし フィールズ・アーバードのこの方たちはどうかは、全くわからない。
おじいさんは何曲くらい、イランの曲を演奏して下さっただろう・・・。
素朴で枯れたような味のある笛は、砂漠の地に似合う。
山羊などの放牧中も、おじいさんは笛を吹き、風を感じながら、大地と一体化して、戯れているのだろうか。
自然な笛の息づかいが、山羊や羊などの牧畜で生計をたてていおじいさんの息吹と重なるようだ。
訪問中も民家の庭先の小山に山羊を放牧。
なんとも、のどかな光景。
山羊は屈託なく、草を探し、崖を駆け上る。
まるで絵本を見ているよう。
上の建物はなんだか、古代の遺跡のようにも思えるでしょう・・・。
皆さんは、何だと思われますか?
実は、手作りの
ト・イ・レ。
見事なつくりに驚きを隠せません。
中側も土壁が美しく、イランの方の器用さには頭が下がります。
もちろん水洗式ではなく、ポットのようなものに水をくみ入れ、使用後は水で流すといった方法をとられています。
訪問した民家もある フィールズ・アーバードの町並み。
平屋ですが中は広く、上の写真にもあるように、カーペットがひかれています。
家の中は靴を脱ぐ方法と、靴のまま入る家がありますが、去年訪れた二件の民家は、場所は離れた別のところでしたが、たまたま 両方とも靴を脱ぐ家でした。
イランの家の内側は、掃除が行き届き、白壁と光線の強さも手伝って、とても清潔に感じます。
上の写真は家の真前の庭。
中央には神聖な水場があります。
おそらくイランでは、宮殿などを考えても 建物の前に水や池がある場合が多いので、このような造りの庭にされたのではと、考えています。
帰りには老夫婦お二人が、にこやかに送り出してくださいました。
突然の訪問にもかかわらず、色々とご親切にしていただきありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
尚 すぐ上の写真は、昨年、宮田登著 の『女の霊力と家の神』 の読書記録の際に載せた写真です。
あわせて、ここに載せておきたいと思います。
いい経験でした。
四ヶ月たっても、楽しい思い出です。