ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 シーズン1』 4、5、6回 4,6★/5 2017年
ドラマ『ハンドメイズ・テイル』シーズン1 の4、5、6回 を見る。
しかし、怖い。
背筋が凍りつく。
アメリカ社会を痛烈に批判したドラマとおっしゃる方もいらっしゃったが、如何にせん、歴史を振り返るとアメリカに限らず、自己中心、人間中心の規則や社会は、日常的に展開している。
『ハンドメイズ・テイル』や、アメリカの実話を基にして造られたという精神病隔離病棟での悲惨な実験や拷問、殺人などのような特殊でひどい内容は、あまり私たちの周りでは見ることができないように感じている。
そういったある意味幸せな錯覚に浸れる兵棒である私たちの境遇に感謝しなければならない。
歴史を振り返ると、『ハンドメイズ・テイル』のように人間が作り出す理不尽な法則や規則は日本でも多々見られる。
だが世の中に目を凝らして見つめなおすと、理不尽な法律のみでなく、トップの立場に基づいた弱者を捨て駒のように扱う事実に気づく。
『ハンドメイズ・テイル』は内容こそ違えども、アメリカを批判したものではなく、人間が生きている限り行われるトップという立場にある神的存在と勘違いした人間が、弱者を踏み台にし利益を求める今私たちが生きている現実世界なのだと感じた。
安部公房氏の記す
【弱者への愛には逸見殺意が 云々】
どころではなく、善良なる一般市民は『ハンドメイズ・テイル』のように命を投げ売り、自分を無にしてトップの連中に一生を投げ出して奉仕しなければならないのである。
歌舞伎を見ていると、「忠義」が一つの大きなテーマとなっている。
芝居(話)の上では涙を流し感動をしているのだが、一方ではしらけている自分にも気づく。
死を以って忠信を誓い 死を以って示す。
忠義は日本では一つ美徳とされているが、果たして忠義は美徳か。
その忠義心は、自分だけではなく、妻や子にまで及ぶといった悲惨な芝居も多くある。
また、夫のために妻や子、親や兄弟まで納得して身を投げるといった理不尽さである。
歌舞伎が好きだから感動しているが、関係者も含む自分の立場になれば、むにゅムニュムニュ、、、あである。
日本の歌舞伎などでは、自ら望んで死を以って忠義を示して色のでまだ良い。
問題は自分の望む場合ではない不本意な規律に基づいて善良な弱者を機械や道具のように扱う、そういった社会が怖い。
こういった社会が展開された過去を二、三調べて見たが、身の置き所がないほど怖い。
実に怖い、、、
今回も見たという記録だけで失礼致します。
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