(写真は大阪の『曽根崎心中』で有名なお初天神。去年の11月に写す。)
記録だけ 2007年度 59冊目
新潮古典文学アルバム 19 近松門左衛門
著者 原 道生
橋本 治
日本放送出版協会出版
1991年11月10日
111ページ 1300円+税
六月十一日。体がだるいので、本をぼんやりと読んでいた。
一冊目は『近松門左衛門』。
歌舞伎でなじみの話が多く載せられており、興味深い。
『国性爺合戦』の『浮世絵(三代歌川豊国画・国立劇場蔵)』や『番付(早稲田大学演劇博物館蔵)』、『絵番付(奈良女子大図書館蔵・享保期再演時のものか・・・)』などのわくわくするような素量が載せられている。
中でも目をひいたのは、『国性爺合戦(正本・東洋文庫蔵)』(P.81下図)
上は大判の美濃紙を用いた献上本とのこと。この資料は感激した。
他にも面白い内容が多く、例えば一例として、なじみの壬生狂言『桶取』の現在の舞台写真と、『傾城壬生大念仏』の狂言本挿絵(国会図書館蔵)を見比べるのも楽しい。
家にいながら、気楽に博物館めぐりをしているような楽しい錯覚さえさせてくれる。
説明は少ないが、資料がたっぷり。人形浄瑠璃や歌舞伎役者など(例えば仁左衛門さんや先代鴈治郎さんなど)の写真もあり、満足のいく一冊だった。
ああ、楽しかった・・・