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三升
万歳の
来つつ
なれ
にし
鶴太夫
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『役者手鑑 全』6 三升 万歳の 来つつなれにし 鶴太夫 三オ 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画 東京書舗 本石町十軒店 伏見屋善蔵 稀書複製版 米山堂
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三升
万歳の
来つつ
なれ
にし
鶴太夫
万歳は伊勢漫才と三河漫才が有名だが、伊勢漫才は拝見させていただいたことがある。
昔は門付けとして、農期が落ち着くと、鼓と扇を持ってご贔屓の家を回ったという。
豪勢な家では毎年万歳の芸能者を家の中に招き入れ、ご馳走し、唄い舞わせたという。
漫才は各種のめでたい数え歌などを唄い演じたという。 (『演者と芸能』その他、多数の書物)
「三升」により、連句(名前では、連歌)の形をとっているのが興味深い。
万歳は季節になると同じ家々を回ることは上にも書いた。
万歳の 来つつなれにし 鶴太夫
「来つつなれにし」は毎年来て、親しくなったのであろう。
また万歳で旅する間に、来ていた漫才の衣装もくたびれたことであろう。
業平様の好きな私は『伊勢物語』の「東下りの段」を思い出すのである。
杜若の五月、ちょうど田植えの準備のために、家路を思い、妻を思う。
万歳の心も、故郷を思いつつ、涙でふやかした乾飯を食べたのであろうか?
それとも豪族の家で、豪勢な酒や食事を馳走になっていたのであろうかと主婦の妄想はたわいなく、楽しく広がる。
漫才のことを書いている名前に注目したい。
「鶴太郎」の鶴は縁起が良いとされ、鶴太郎は縁起の良い男というくらいの意味であろう。
ただ、芝居に出てくる場合、「くるっと回って、つるの間」と言った台詞では酒で酔った男が、鷺のマニも松の間にも入れてもらえず、つるっと階段から落とされるという場面がある。
この芝居を思う出すと、万歳の立場というものがはっきりとするような、あるいはこじつけのような感覚にとらわれ、ほくそ笑んでしまう。
何しろ確信の持てない内容で楽しむのは、素人主婦の醍醐味であるので、間違いはお許しいただきたい。
本書は、稀書複製版 米山堂
印形五百部内、第二六二號
役者手鑑 (データーは国会図書館)
花吸庵 編,磯田湖竜斎 画
役者手鑑
著者 花吸庵 編
著者 磯田湖竜斎 画
著者標目 花吸庵
出版地 東都
出版社 伏見屋善蔵
出版年月日等 安永8 [1779]
大きさ、容量等 1冊 ; 23cm
装丁 : 和装
役者手かゞみ
書名/著者名 役者手鑑 / 花吸菴編
書名よみ やくしゃてかがみ
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東京大学所蔵 役者手鑑 / 花吸菴編 全22頁 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
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『役者手鑑 全』 表紙表
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安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画 東京書舗 本石町十軒店 伏見屋善蔵 最終頁
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序文 一オ
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序文 一ウ
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連名句順 二オ
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立役之名家 市川團十郎 三升
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『役者手鑑 全』5 三升 万歳の 来つつなれにし 鶴太夫
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