143; 『怖い絵』
中野 京子 (著)
ドイツ文学者、西洋文化史家。 北海道生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。オペラ、美術などについて多くのエッセイを執筆し、『怖い絵』で注目され。新聞や雑誌に連載を持つほか、テレビの美術番組にも出演する。早大講師。
オペラでたのしむ名作文学 さ・え・ら書房 1996.12 /「おとなのための「オペラ」入門」講談社+α文庫
映画の中のオペラ 未來社 1997.12
かくも罪深きオペラ スキャンダラスな名作たち 洋泉社 1999.12
紙幣は語る 洋泉社新書y 2001.9
情熱の女流「昆虫画家」メーリアン波乱万丈の生涯 講談社 2002.1
恋に死す 清流出版 2003.12 「歴史が語る恋の嵐」角川文庫
恋するヒロイン オペラにみる愛のかたち ショパン 2004.1
メンデルスゾーンとアンデルセン さ・え・ら書房 2006.4
怖い絵 朝日出版社 2007.7
怖い絵 2 朝日出版社 2008.4
危険な世界史 角川書店 2008.7
ハプスブルク家12の物語 名画で読み解く 光文社新書 2008.8
怖い絵 3 朝日出版社 2009.6
恐怖と愛の映画102 2009.7 文春文庫
ブルボン王朝12の物語 名画で読み解く 光文社新書 2010.5
「怖い絵」で人間を読む 日本放送出版協会 (生活人新書) 2010.8
残酷な王と悲しみの王妃 集英社 2010.10
朝日出版社
2007年
246ページ
1890円
★★★★★
作品1 ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』
作品2 ティントレット『受胎告知』
作品3 ムンク『思春期』
作品4 クノップフ『見捨てられた街』
作品5 ブロンツィーノ『愛の寓意』
作品6 ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』
作品7 ルドン『キュクロプス』
作品8 ボッティチェリ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』
作品9 ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』
作品10 アルテミジア・ジェンティレスキ 『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』
作品11 ホルバイン『ヘンリー八世像』
作品12 ベーコン『ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作』
作品13 ホガース『グラハム家の子どもたち』
作品14 ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』
作品15 グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』
作品16 ジョルジョーネ『老婆の肖像』
作品17 レーピン『イワン雷帝とその息子』
作品18 コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』
作品19 ジェリコー『メデュース号の筏』
作品20 ラ・トゥール『いかさま師』
順が前後したが、『怖い絵 2』に続け『怖い絵』を楽しむ。
実際に見た絵が多く、思い浮かべながらこんな意味があったのだと言うよりも無知の怖さに震える。
もう少しこの本には焼くで合えていれば、もっと違った角度から絵を見ることができただろう。
本書に出てくる挿絵のほんの少しだけ、それも部分でUP
本当は全部載せ書きとめたいくらい気になる部分が多くあった。
内容は省略。
『怖い絵』の表紙にはの赤いターバンの女性が起用されている。
中野京子さんはターバンの女の目を次のように表現されている。
……物語の展開も見てすぐにわかる。そのわかりやすさが作品をそこねなかったのは、やはり娼婦の横眼のおかげだろう。強烈に印象に残る忘れがたいこの視線は、眼が心の窓であるということをいささか大仰にーー、歌舞伎の用にーー。見るものに沁み込ませる。
個々の作品の説明も論理的で納得がいくが色々な舞台の好きな中野京子さんは絵画を歴史的説明に終わらず、色や音や空気や空間の広がりを感じながら絵を鑑賞されているように感じる。
余談
ゴヤ展が東京だけ
京都とプラド美術館で見たが、今回は「裸のマハ」は来ない。
もう三十年も前になるが、プラド美術館では「裸のマハ」と「着衣のマハ」はいくつ目かの出入り口の上部の左右にかけられていた。
オルセー展といい、またしても西洋美術館だけか…。
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